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弱者だった俺が転生すると強者になっていた。  作者: 石立 諷太
トーナメント戦
36/52

#38 木戸聖夜VS《静寂の闇》桐生 香織Ⅲ

聖夜は反射(リフレクター) を発動しながら桐生に近づいていた。

観戦者は誰も聖夜の姿が判らない。 勿論の事、桐生にもどこにいるのかが

さっぱりだ。 けれども、一人だけ聖夜の居場所を知る者がいる。 それは・・・・・・


奏多だ。

前世では姉ちゃんの姿を認識さえすることは不可能だったが、現在は聖夜の姿をくっきりと

捉えている。


その理由は奏多本人にさえ判ってはいない。

けれども、判っているのは

(これで、姉ちゃんの技でも、姿が見える!)

と言うことだけだった。



聖夜は桐生の後ろへ回り込み、一閃。

だが、間一髪で前へと飛びその攻撃を躱した。 周りから見ると、桐生が謎に前に

飛んだとしか思わなかった。


けど桐生の第六感に自分が真っ二つにされるビジョンが見えた。

(今のは・・・・・・?!)

そう。 桐生は気づいてはいなかった。

頭の中で大量に"???"を浮かべていて、ただただ立ちすくしてビジョンが見えたら躱す。


それだけを行っていた。 やはり、周りから見ると何が起こっているのかわかっては

いないらしく、気づいている生徒はほんのごく僅かだった。


『なんということでしょう?! 桐生選手見えない攻撃にセンスのみで反応している!

やはり学園2位と言うだけの実力! けれど、どうして木戸選手の姿が先ほどから

見当たらないのでしょうか?』

『それは、私の予測なのですが・・・・・・

おそらく透明の魔法かと思われます。』

『透明の魔法・・・? あの最も難しいと言われている・・・やつですか・・・?』

『えぇ、おそらくそうでしょう。 けれど、間違っている可能性も否定はできません。』


それは大きな間違いだった。 聖夜は透明化の魔法など一切使っておらず、現在つかっている

魔法は、反射(リフレクター) とその中に空間を歪ませる魔法を両立して使っているのだ。

だが、その魔法は外から見ただけじゃ何の魔法かは判別が出来ない。


だから、実況をしている神無月は間違えたのだろう。

多分、その実況を聞いている人達は奏多を除いてそう思い込んでいる。


そもそも、空間自体を歪ませる魔法などこの世に存在しない。

そう。 聖夜の固有魔法みたいな物だ。

だからこそ誰にも感知されない最強の魔法でもある。



一方桐生は・・・・・・


(一体なにが起きていると・・・・・・いうの・・・? 木戸君は麻痺の魔法で絶対に

動けないはず・・・・・・ けれど、もし動けているとしたら・・・?

だけど、動けているとしたら魔力は残っていないはず・・・ だったらどうして魔法が

使えるの?)

と頭の中はパニック状態に陥っていた。


その隙を聖夜は見逃すはずはない。

桐生に向かい袈裟斬りを行った。 けれども、流石は3位伊達ではない反応速度。

見えない敵にも関わらず、まるで見えているかのように一閃・・・また一閃と躱していく。


それには流石の聖夜でも驚きを隠せない。 体全身に緊張が走っていて、もしも反撃

してきた時の為に警戒をしている。


だがしかし、桐生は反撃が出来る状態ではない。

第六感を使いながら聖夜の攻撃を躱すので精一杯だ。

頭の中も混乱していて次の手も思い浮かばない。 絶体絶命の状態だ。


けど、桐生の魔力が尽きることは無い。

その魔力で完全に防御に徹されたら、聖夜には攻撃をするすべが無くなる。

(このままでは、いずれ混乱から抜けてしまう・・・・・・ どうしたらここで勝負が決めれる・

・・? どうすれば・・・・・・)


と考えていると、聖夜の腹目掛けて横から一閃。

少し反応が遅れてしまった。 聖夜は横腹を斬られている。

聖夜を斬ったことによって、混乱から脱出する桐生

(今のは・・・?)

そう思いながら剣先を見ると、鮮やかな血が少量ついている。


それは勿論、聖夜の物だった。


聖夜の反射(リフレクター) は魔力しか跳ね返すことが出来ないので、精霊剣になると当然

ダメージは負ってしまう。

けれども、幸いなことに混乱中だった桐生には剣先に毒物の魔法を仕掛けることは

出来るはずが無かったので、聖夜はほっと胸を撫で下ろした。


だが、斬られた部分は少し深い。 致命傷には至ることはあり得ないが、血を止めないと

居場所と、出血多量で意識が飛ぶかもしれない。 なので・・・・・・


「蓮子・・・・・・ 傷を癒してくれないか?・・・・・・」

「・・・・・・やだ。」

「頼むから・・・・・」

「・・・・・・やだ。 キモイ。 死ね。」


(これだけはしたくなかったけど・・・・・・ 勝つために必要だから・・・許してくれ

花蓮ちゃん・・・・・・)


「花蓮ちゃんに言いつけるよ・・・・・・?」

「・・・はぁ?」

「だから、花蓮ちゃんに蓮子が意地悪してくるって・・・・・・」


(どんな愚痴?! 幼稚園生が言いそうな台詞・・・・・・ なんか昔に

""みーちゃったみーちゃったーせーんーせーにいってやろー!""

とか聞いた覚えがある・・・・・・)


( まるで、今の僕みたいで・・・・・・なんとも恥ずかしい・・・・・・)


と考えつつも視線は蓮子の方にある。 羞恥心を悟られないように真剣に見ている。

それに蓮子は・・・・・・


「うっわ・・・キッモ・・・・・・ なに? その幼稚園生みたいな言い方は?

マジでキモイんだけど。 なんで私はこんな糞みたいな(マスター) に選ばれたの?

早く死んでくれない? 目の前に居られるだけで吐き気がするんだけど。」

「・・・・・・」


この言葉にはさすがの聖夜でも心が痛む。

まさか、自分の精霊にここまで言われるとは思ってもみなかったからだろう。

聖夜は涙目になりかけながらも・・・・・・次の手に出た。


「・・・・・・奏多に言っていいの?」

「・・・はぁ? 次は何を言い出すかと思えば・・・・・・ ここまでの魔法の展開を

してあげているのにまだ私に要求・・・・・・」

「奏多に言えば、きっと花蓮ちゃんと会えないかもね・・・・・・永遠に・・・」

「・・・・・・」

「きっと花蓮ちゃんなら・・・"(マスター) を罵る言葉を吐くなんて、ありえない。"

とか言ってくれるかもね」

「・・・・・・」

「まぁ、手伝ってくれなきゃ全部・・・・・・」

「わかったよ! やればいいんだろ! やれば!」

「ありがと・・・・・・」


と何とか説得(きょうはく) をすることが出来た聖夜。

聖夜は心の中で

(花蓮ちゃん本当にありがとう・・・序に奏多も・・・・・・)

と感謝の言葉を述べている。



その頃奏多は・・・・・・

(あれ? なんか今俺が無下に扱われたような気がしたが気のせいか?

しかも誰が俺を無下に扱っているんだろう?)


奏多の感は恐ろしいほど鋭かった。 そう思った直後、視界が見えなくなった。

その後に・・・・・・


「だーれだ? 誰だか判りますか? (マスター)


と花蓮の声がした。 勿論奏多は一瞬で判っている。

花蓮と毎日毎日過ごしているので、花蓮の声を間違えるはずがない。

けれど・・・・・・目を隠しているのは当然手・・・・・・ではない。


柔らかい何かが二つ顔に押し付けられている。

花蓮が揺れるたびにその柔らかい何かが奏多の顔に強く押し付けられる。


その柔らかい何かは勿論奏多は知っている。

何故なら、毎晩毎晩花蓮が人の布団に入り込み、奏多の腕にいつも押し付けられている

何かと感触が全く以て同じだ。


だから、周りの男子軍は奏多に物凄い強烈な殺気と『てめぇ! 羨ましすぎるぞ! ゴラァ!』

と言う何とも言い難い物を送ってくる。


だけど、その何とも言い難い物には慣れているので完全にスルー。

それで奏多は花蓮に・・・・・・


「どけ。 じゃまだ。 俺の前にある"小さい"ものを今すぐどけろ。」

「小さいって何ですか! 私はこう見えてもBはありますぅ!」

「そんなことはどうでもいいんだよ! しかも、こんな公衆の面前で言うことではないだろ

うが! この馬鹿が!」

「馬鹿って言う方が馬鹿です! (マスター) の妹様が言ってましたぁ!」


(こいつ・・・・・・最近口調が物凄い頭に来るな・・・・・・ ってそんな事をしている

場合では無くて! 聖夜の試合を観戦しなければ・・・・・・)


と思い、花蓮を無視して聖夜の試合を見ようとすると・・・・・・

次は、大きな何かが二つ・・・・・・


「・・・・・・ その無駄にでかい物をどけろ。」

「無駄じゃないよ~ 十分魅力的なものだよ~♪」

「そんなことはどうでもいいんだよ! お前らは二人そろって馬鹿の根源かよ!」

「私は馬鹿じゃないよ~ 花蓮ちゃんは馬鹿かもしれないけどねぇ~♪」

「ちょ・・・・・・ 私も馬鹿じゃあありません! この"無駄にでかい"人が馬鹿です!」

「どうしたの? 花蓮ちゃんのどこに"胸"があるというの? あっれれ~? どこかなー?

花蓮ちゃんって性別誤魔化してないよね? 誰にも言わないから私にだけ・・・ね?」


と愛梨が嫌味交じり・・・もとい嫌味を花蓮にぶつけまくる。

すると、花蓮は急に顔が真っ赤になり・・・・・・泣いてしまった。


「私は女の子だん・・・ぐすっ・・・ まだまだ・・・成長期だもん・・・ぐすっ・・・」


と愚痴を言い始めた。

だが、そこに止めを刺すかのように愛梨は・・・・・・


「精霊に成長期なんてないわ。 一生このままよ。 残念だったね花蓮ちゃん♪」


その言葉で完全にノックアウトだ。

花蓮はその場に跪き・・・・・・


「>+>*>**‘{‘_*?*+>{+*+}*‘{‘{>*+**{‘}***+*?」


奏多には全く以て何を喋っているのか聞き取れない。

声を小さくして言っているせいでもあるだろう。


そんな事をワイワイしているうちに聖夜と桐生の試合は最終局面(クライマックス)

迎えようとしていた・・・・・・



*****************************************



時は少し遡り、奏多と精霊が話し始めた頃・・・・・・


「助かったよ蓮子・・・・・・」

「脅されてやっただけ。 別にあんたの為じゃない。」

「それでもいいよ・・・・・・ やってくれたことには変わりないからね。」

「なんて脳内変換?! まさにきもい奴の言いそうなセリフね。 そんなんで私を口説こうと

おもっているなら大間違いよ。 私には心に決めている人がいるから・・・・・・」


となぜか聖夜には蓮子の周りに輝いて見えるものがある。

(気のせいだね・・・・・・)

自分でそれを否定し、崩れていた体制をもとに戻した。


けれど、今までとは勝手が違い過ぎる。

桐生はもう、混乱に陥っている様子は伺えないし何やら物凄い集中をしている。

聖夜の第六感が言っている。

"今突っ込めば必ず斬り捨てられる・・・・・・"


そんな気がしてたまらないのだ。

その危険があるからこそやすやすとは突っ込めない。

(さっきまでとは勝手が違うなぁ・・・・・・ どこから攻略をすればいい物か・・・・・・)


聖夜の魔力はもう1/3にまで減っている。

流石に反射(リフレクター) の常時発動には、少々魔力を使いすぎる。

ましてや、初めて使う技。 まだ上手く魔力を使えていない部分もあるだろうから

魔力の減りが早い。


それに比べ、やはり桐生の魔力は少しも減っている気がしない。

ここまで膨大の魔力を使っておきながら・・・・・・


(膨大な魔力を使う・・・・・・? 初めて会った時から魔力量が変わっていない気がする・・・?

魔力・・・・・・? なにかここに引っかかるものが・・・・・・)


聖夜は必死に考えている。 もしかしたらこれの答えが出れば勝てるかもしれないということを

信じて・・・・・・


だが、やはり現実はそう甘くもない。

桐生は聖夜の気配を察知したのか、聖夜の方向に向かい一閃。


それを難なく躱す聖夜。 けれども、一閃の次に一閃。

それを永遠と続けてくる桐生。 聖夜は目を見ると・・・・・・


桐生の目は塞いだ状態だった。

桐生は目を塞ぎながら、聖夜に正確に一閃を繰り出している。

それにはやはり聖夜も引かざるを得ない。


バックステップを使い後方へと10m。

急に桐生の動きがとまる。 そして・・・・・・


「やりますね木戸君。 まさかあなたがここまでお強いとは思ってもいませんでした。」

「ハハ・・・僕の方こそですよ。 まさか目を瞑ったままでもこんなにも正確に一閃を

繰り出してこれるのは流石です・・・・・・ ですが、この勝負僕は負けられません。」

「それはお互い様です。 この漆黒のベールが解けない限り、木戸君に勝ち目はありません!」


そう言い、桐生は渾身のスピードで突っ込んできていた・・・・・・

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