#31 トーナメント二戦目
奏多はリング上を後にして、聖夜たちの待っている観戦席へと向かっている。
傷は回復したといっても体力・魔力等は回復はしておらず、とても体が
重たかった。
「大丈夫ですか? 主 」
と声を掛けてくれたのは花蓮だった。
「あぁ、大丈夫だ・・・・・・」
そう言ったが、花蓮は心配性なので大丈夫と言っても奏多の傍から離れようと
せず、傍から見るとリア充だった。 『リア充爆発しろ』
という痛い目線を送られてきて、困ったが気にしていては負けだと思い
気にせずにいた。
観戦席に行き聖夜たちを探していると、いろんな人から
『おめでとう!』 という言葉が送られてき、うれしかった。
だが、その中にも妬みの言葉も含まれている。
それはそうだろう。 第3学年の誰もが倒せなかった《無敗の騎士》 神無月桜は
転入生の手によって《元無敗の騎士》にされてしまったからだ。
生徒会長はいろんな人から厚い信頼を受けているがゆえに、神無月に勝った人は
ほかの生徒から反感を買うことにもなってしまう。
そんな反感と歓喜の声を受けながら聖夜の元にたどり着いた。
「お疲れ。 奏多」
「お疲れ・・様・・・・です・・・かな・・・たさん・・・」
「お疲れ様、おにいちゃん♪」
と三人の声が重なり同じことを言っていた。
「あぁ、ありがとう」
そういい奏多は聖夜の一個となりに座り、右には花蓮左には愛梨という何とも
周り(男子)から見るととても妬ましい存在であった。
美少女二人にちやほやされている奏多に『死ね。』などと小声で罵声を
浴びせている者もいる。 勿論奏多には聞こえてはいないが、妙に周りの
視線が集まっているので、奏多は無性に恥ずかしさもあった。
そんな中、トーナメント戦2試合目が今まさに始まろうとしていた。
『先ほどの戦いは実によかったですよ会長!』
『ありがとうございます。 負けてしまいましたが、如月君とはいい勝負を
させて頂きました♪ 悔しいですが、またリベンジしたいと思います。』
『そうですね~。 こちら側も見ていてハラハラしましたよ♪』
『あ、そういえば、今回から私こと生徒会長も実況させていただきますので♪』
『『『『『おぉぉぉぉ!!!』』』』』
生徒会長のファンたちが熱狂の声を上げた。
それに少し引いたものもいる。
(うわー・・・・・・ こんなのにはなりたくないな・・・)
奏多はそう思うのであった。
『それでは、第二回戦を始めていきたいと思います♪
東ゲートより、生徒会役員書記の天森 凛 選手!
第2学生で学園ランキング3位と言う正真正銘の実力派騎士。
今宵はどんな戦いを見せてくれるのかぁぁ?!』
『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!』
『りんちゃぁぁぁぁぁぁぁぁんっっっ!!! 頑張れ―――――!!!!!』
『男子たちにとても人気がありますね♪
気を取り直して続いては西ゲートより岸田 奈保選手!!
第一回戦同様相手は格上! 第一回戦のように勝ってしまうのかぁぁぁ?!』
『・・・・・・』
この時だけ、謎に静寂が支配していた・・・・・・
それには生徒会長も苦笑いをしていて
『えーと・・・それじゃあ、気を取り直して・・・・・・
第二回戦を始めたいと思います!!』
生徒会長がそういうと、大きな鐘の音が鳴った。 試合開始の合図だ。
『おっと?! 先制攻撃を仕掛けたのは・・・なんと! 岸田選手だ――!』
実況が言った通り岸田が先制攻撃を打っていた。
だが奏多たちの周りでは
『あれは無謀すぎるだろ・・・・・・』
などとそういう言葉が飛び交っていた。
だがその無謀と言っている者たちは信じられない光景を目にすることになる。
それは・・・・・・
岸田の振った剣を天森は弾こうとしたのだが・・・
(なにこれ?! 相手の剣がすり抜けた?!)
そう。 岸田の振った剣は天森の剣を"すり抜けて"攻撃してきた。
それには反応が遅れ、見事に天森の心臓を切り裂き天森は力尽きた・・・・・・
『『『『なぁっっ?!』』』
周りの人は何が起こたのか理解が出来なかった。
防いだはずの剣はそのまま防御を無視して、そのまま決着が付いた。
『し、試合終了!! 何が起こったのでしょうか?! 私の目でも捉えきれなかったです・・・
今の一瞬の攻防で一体何が起こったのかは本人たち・・・いえ、もしかしたら剣を
振るった張本人でないと判らないかもしれません!』
「奏多今の見た?」
「あぁ、剣が非実体化してたな・・・ なんつぅチート攻撃だよ・・・」
(いや、それは奏多も同じだからね(笑))
と聖夜が思ったのは秘密で・・・
「どういう仕組みなんだろう・・・」
「・・・・・・判らん・・・」
奏多と聖夜・・・いや、この試合を見ていた全員がそう思っているだろう。
『勝者の岸田選手と言い、如月選手・・・・・・ どちらも化け物じみた強さです!
今年の第一学年は強い! このまま如月選手と岸田選手は騎士祭に出ることが叶うのか?!』
岸田はリングを早々と去っていた。
奏多と聖夜は要注意人物として岸田を見るようになる・・・・・・
それだけではない、多分ここにいる全員がそう思っただろう・・・・・・




