#27 悪魔との契約。
「能力開放 」
そういったと同時に、奏多以外のすべてが一瞬にして止まった。
(なんだ・・・? この異様な雰囲気は・・・)
この時間を止めているのは愛梨ではないことがすぐに判った。
なぜなら、愛梨も完全に時間と共に止まっているからだ。
この時間の止まり方は、まるで・・・・・・・・・・
『やぁ。 久しぶりだね♪ 奏多君』
声の発生源へと目をやると、そこには黒髪ツインテールの女が立っていた。
年齢は18くらいに見える。 だが、子供の頃の記憶と今目の前に立っている女を
比較してみても、まったく外見が変わった様子はなく、年齢はずっと年上だ。
『酷いよ。 まさか僕を封印するなんて・・・・・・ でも、封印するために奏多君の
お母さんはこの僕に殺されちゃったけどね♪』
「五月蠅い。 少しは黙ってろよ。」
『酷いじゃないか! 折角の再会だと言うのに。昔話に花を咲かせようよ 』
「黙れ。 そんなお前との糞みたいな昔話をしに来たわけではない。」
『じゃあ、何しに来たの?』
少し返答に困ったが息を吸いなおし、
「俺の物になれ。」
『大胆な発言だね☆』
「そういう意味じゃない! ほんとどいつもこいつも頭が明後日の方向に行きすぎだろ・・・」
『奏多君の言い方が紛らわしいと思うよ。 後、僕は君の物になるつもりは一切ないよ』
「なぜだ? その理由を教えてくれ」
『君は僕よりも弱い。 ただそれだけ。 僕より弱い者に力を貸すつもりはないよ』
「どうしてそう言い切れる。 俺は前よりもはるかに強くなった。 お前の力も
十分に扱える・・・・・・」
そういっている最中に、悪魔はやれやれ、と言った表情を浮かべながら
周りに漆黒色のオーラに包まれて、威圧していた。
威圧が奏多を襲うと、体が急に動かなくなり口も開くことが出来なかった。
『この程度の威圧でひれ伏すなんて・・・ まだまだ未熟だね。』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『その力で本当に僕に勝てるとでも? そんな無謀な望みがあったなら捨てた
方がいいよ。 この程度の殺気に押しやられてしまっている時点で、奏多君
は負けたも同然。 僕はこの場から動かなくても君の意識を刈り取ることなんて
なんの造作もない。 だからこそ、君は受け入れるべきだ。 この僕を。』
「う・・・るさい・・・」
『何だって?』
「うるさいって・・・言ってんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
渾身の力を使い威圧に抗った。
抗えば抗おうとするほどに重たくなっていく。
(こんなくらいで負けていたら・・・姉ちゃんにだって絶対に敵わねぇ・・・)
両足に思い切り力を入れ倒れることを何とか防いでいる。 と言ったところが限界
だった。
『がんばるねぇ。 でも、奏多君は限界寸前だね☆
まだ半分の殺気も出していないけど、成長したね♪』
「そりゃぁ・・・・・・なぁ・・・」
『アハハ♪ もう意識が途切れそうだね♪ ほらほら♪ もっと頑張らないと気絶しちゃう
よぉ~♪』
「余計なお世話だ・・・・・・ 」
『まさかとは思うけど、まだ"勝てる"なんて思ってはいないよね?』
「冗談抜かせ。 俺はお前に勝てる。」
『・・・・・・』
「いや・・・勝って見せる・・・」
『・・・つまらないの・・・』
悪魔はそういうと威圧を完全に消し
『つまらない・・・ 前にとりついた人は"ごめんなさい。 あなた様に勝てるわけなど
ありませんでした!" と泣いていたのに・・・・・・ あーあ。 興ざめしてしまった
わ・・・』
「そりゃぁ、悪かったな。 だが、俺の進む道は自分で切り開く。 それが今までで
教わったことだ。」
『そうなんだ・・・ まぁ、奏多君の物になったあげるよ。』
「本当かっ?!」
『うん。 ただし・・・ 奏多君の心が少しでも乱れれば、いつでも僕は君の体を乗っ取
らせてもらうよ? それが了解の上でなら力を君に授ける。』
「あぁ、構わんぜ。 なんせ、俺はこころを乱さない。」
『そうなんだ。 期待してるね。 でも、いきなりこの力を使おうとすると、体が
壊れてしまう可能性があるよ・・・』
「そんなのはかまわない。 俺の体は丈夫でもあるからな!」
『フフ・・・君はいつでも僕を楽しませてくれる。 いいよ。 僕の力君に授ける!』
悪魔がそういうと
(ぐはっ! 体が熱い・・・・・・)
奏多の体は異常な熱さに襲われていて、意識がその熱さに刈り取られないように必死に
踏ん張った。
やがて、体を襲った謎の熱さは消えていき
「何をした・・・?」
『アハハ。 いやだな僕を疑うなんて。 ただ、僕の力を君でも使えるようにしただけ
だよ♪』
「そうか。 ならいい。 これで本当にお前の力を使えるようになっているんだな?」
『勿論。けど、あまり使いすぎちゃだめだよ?』
「どうしてだ・・・?」
『僕の力は強大過ぎて、精霊騎士だっけ?「あぁ」 いくら精霊騎士が相手だからって
この力を本気で使うと、もしかしたら、ううん・・・ もしかしなくても、確実に
相手を死においやってしまう。 まぁ、僕が知ったこっちゃないけどね♪
注意はしておいたからね♪ 後からの文句は一切受け付けないからね♪』
「それくらいわかってるさ。」
『うんうん♪ 後覚えておくこと。 絶対に心を乱さないでよ? 乱した瞬間に
僕が君の体を乗っ取っちゃうからね♪』
「言われなくてもそうするつもりだ。」
そう答えると悪魔は満足したような笑みを浮かべ、視界からは見えなくなった。
次回からいよいよ奏多と神無月のトーナメント戦が再会します!
今まで見てくださっている方ありがとうございます。




