#26 奏多の過去Ⅲ
今回は少しではなく、結構短めです。
後2話で戦闘に戻ります。
奏多は奥にある部屋に向けて歩いていた。
そう。 そこにはまさしく妹のこよみがいる場所だ。
「だめだ! そっちにいったら!!」
奏多の肩に触れようとしたがその手は虚しく空を切り、やはり俺の声は届かない。
そして奏多はドアを開けてしまった・・・
(俺の記憶が正しければここで・・・)
記憶は正しかった。 奏多は魔法で串刺しにされ、あらゆるところに風穴が空いていて、
地面に倒れて動かなくなっていた。
『ふはは・・・ふははははははは!』
『お兄・・・ちゃん・・・?』
『ふはははははははははははっはっはははははははっはははははははは』
『いやだ・・・お兄ちゃん・・・お兄ちゃん!!!!!!』
こよみは奏多に近寄り体を揺らして『お兄ちゃん起きて』と何度も言っているが
心臓を貫かれている以上勿論起き上がるはずはない・・・・・・
けれども今の奏多は違った。
『痛いな~』
『お兄ちゃん・・・・・・?』
『ど・どうしてだ! な、なぜ生きている?!』
そういった男がその瞬間凍り付いたように止まった。
その男が見た物は、奏多の貫かれた場所が徐々に回復・・・・・・
いや、復元しているかのように傷がなくなっていっている。
その場で硬直していた男が一瞬で我に返り魔法を詠唱して、奏多に向けて
放っていた。
だが、どれだけ当てても奏多は倒れることは無い。
『どう・・・して・・・・・・死なない?!』
『ただ単に君の攻撃が弱いだけだろう? こんな攻撃痛くもかゆくもないよ』
(やはり、これは俺の口調とは全く違う・・・・・・)
ここら辺の記憶がほとんどない。
『そろそろうざいから・・・・・・消えろ』
『待って! いや、待ってくだ・・・』
奏多はその場で男の首を何もせずに切り落とした。
隣にいたこよみは奏多の行動に震えあがっていて、その場でうずくまっていた。
そして、男の人の首を切り落とすと同時に奏多の意識が飛んで行った・・・
***********************************
奏多の意識が飛んでいくと同時に俺の意識も闇に消えていった。
目覚めると、奏多の視線で見ていた。
目線の先にいたのは奏多の母。
『お前は強い。 だけど、その強さはお前自身を壊す力でもある。
だから、お前の力を封印して、この一部の記憶を消すことにする・・・』
『僕の力・・・・・・? なぁに、それ・・・』
『悪魔の力だよ。 その力を封印して、奏多が十分にその力に抗えるようになったら
封印は解けるようになっている。 その時は・・・・・・こういうんだ』
『うん・・・・・・』
母から聞く前に、俺の意識は完全に消えてしまった。
だが、解除方法はなぜか頭に入っている。
*********************************
「能力開放 」




