#20 謎の襲撃Ⅴと呪具
奏多たち3人はすぐに作戦を実行した。
まず、奏多が細剣 を持っている男のほうに突進していき、花蓮はもう一人の
男を足止めしてくれていた。
だが勿論男は細剣 を構えその突進に備えていて、細剣 の間合い
に入ってくると容赦なく"心臓"を狙ってきた。
それを時間を止めることなくその攻撃を防御結界を張って防いだ。
それでも細剣 の威力が収まる事は無く、次第に結界が音を立て砕けっちった。
だが、防御結界が壊れる前に後ろへ飛んでいたので、細剣 の攻撃が当たる事
はなかった。
(さっきも思ったけど、まさかこの武器って致命傷を与えるところか一撃
ができる位置にしか攻撃ができないのか? 防御結界を張ってもすぐに破られるか・・・)
と思いもう一度試してみることにした。
でも、その意味はなかった。
奏多が先ほどのように突進していると、後ろから聖夜の声がした。
「奏多ー! 先生をというか理事長先生を連れてきた・・・」
それを聞くと男たちは聖夜の方をみて、
「あのチビじゃないか? 姉さんから言われてる目標 って」
「あぁ、多分そうだな。 だが、殺すにはもったいないくらい可愛いな」
「そうだな。 まぁ、姉さんには逆らえねぇ。 さっさと仕事を終わらせて帰るぞ!」
その会話を聞き理事長に
「理事長! あぶない!」
と言うが、一足遅く理事長の前にはもう男たちが立ち、理事長の胸に細剣 を
突き刺していた。 それを見た聖夜と奏多は
『『理事長ーーーー!!!!!!』』
といったが、理事長は笑いながら
「あらあらあら、私が死ぬわけ無いでしょう?」
と言い理事長は細剣 を持っている男のほうを"軽く"押すと、その男は
吹っ飛んで行きすぐそばにあった壁にめり込み、動かなくなっていた。
一方理事長は細剣 で刺された部分が一瞬で回復し、もう一方の男目掛けて
強烈な蹴りを入れていた。
それに男は剣で防ごうとしたが、剣で防いだ瞬間に理事長の蹴りで粉々に粉砕されて
そのまま直撃してしまった。
その男も壁にめり込み謎の襲撃者2人組は理事長の圧倒的な力で
ねじ伏せられていた。 その時俺たちは思った『完全に格が違いすぎる』 と。
戦闘が終わると愛梨が
「やっほー! かなちゃん~久しぶりだね~♪」
「え・・・? 愛梨、理事長の事を知っているのか?」と奏多
「うん。 知ってるも何もかなちゃんが小さいころに何度か会ってるからね~♪」
「そ、そうなんですか?! 理事長?!」
「そうだ。 っと。 そんなことはどうでもいい。 こいつらを早く治療して結界の
牢屋に入れてくれ。」
というと、理事長の精霊が出てきて男たち2人を連行していった。
男たちは完全に気を失っていて腕があり得ない方向に折れ曲がっていた。
それを見た聖夜は「ちょっとトイレに行ってくる・・・」 と言い走っていった。
聖夜がどこかへ行くのを確認した理事長は
「君(精霊) がいるってことは如月奏多の精霊になったのか?」
「うん♪ そうだよ~」
「・・・・・・まさか君ほどの精霊が人間と契約するとはな・・・」
「まぁね~ ちと花蓮ちゃんが気になったし、個人的に奏多君にも興味があったし~♪」
「そうか。 ところで如月奏多。」
と理事長はいきなり奏多の名前を呼んでき、
「お前はこの精霊。 今は愛梨といったな?」
「はい。」
「愛梨は第零位階精霊ってことは知っているな?」
「・・・はい。」
「このことは軍事機密情報。 そして、この情報を知っている如月奏多に話すぞ。
今年始まる大会のことは知っているな?」
「えぇ、まぁ。」
「それの優勝賞景品が君の契約している第零位階精霊なんだよ。」
そこから理事長は少し長い話を始めた。
だが、その話は途中で終わった。 なぜなら聖夜が戻ってきたからだ。
そして小声で、
「後で理事長室へこい。 話はそこでする。」
と言い理事長は魔法で、自分が空けた穴を修復していた。
そこで、気になっていたことを直接聞いた。
「理事長。」
「なんだ?」
「男たちが使っていたこの武具はなんなんですか?」
「あぁ、これか・・・・・・ これはな、呪具だ。」
『呪具?』と俺と聖夜はハモって言った。
「そうだ。 呪具はその名の通り呪いで作った武器のことだ。」
「どんな効果があるんですか?」と聖夜
「呪具にはいろいろあるが、この細剣 は特定位置に確実に当てる。
という呪いだろう。 これはこれで厄介でな。 君も戦ったのだったらわかるだろ?」
と理事長は言い、奏多は小さく頷き
「はい。 細剣 の範囲外に出るしか逃れる方法はないんですよね?」
「あぁ、そうだ。 たとえ魔法で防御結界を張ったところで細剣 の
間合いに居たなら、それをすぐに突き破って攻撃を当ててくる。 勿論当たればすべて
致命傷になる位置か確実に死ぬところしか狙ってこない。
そして、もう一人の男が持っていた武器だ。 これは君もその身で味わっているだろう?」
「はい。 一度当たればその傷は塞がることはないんですよね?」
「あぁ、そうだ。 だが、どの武器にも例外はあってな・・・・・・ まぁ、これ以上は
授業で習うといい。 もうそろそろ習う頃だろう。」
と言い、理事長は「忙しいからそろそろ戻らせてもらう」 そういい、歩いて去って
行った。 去ったのを確認すると聖夜が
「大丈夫?! 奏多!」
「あぁ、心配は・・・・・・」
「奏多?! 奏多!」
と聖夜の声は微かに聞こえるが視界は真っ暗だった。
そう。 奏多は一気に魔力を使ったせいでその負荷に耐え切れず気絶してしまったのだ。
目覚めると、寮の部屋のベットに寝ていた。
起きると花蓮が心配そうにこちらを見てき
「大丈夫ですか・・・? 主 」
「あぁ、問題はない・・・と思う。」
「大丈夫だよ~花蓮ちゃん主 はただいきなり私の特殊能力、時を止める
やつを使い、魔力が極端に消耗して初めてのことに体が耐え切らなかっただ・け♪」
「そうだな・・・今の魔力結構減ってるからな・・・」
と言い、立とうとしたがその場で崩れ落ち、立ち上がることさえできなかった。
(はは・・・まだまだ俺は未熟者・・・よわいな・・・)
そう思い、花蓮と愛梨の肩を借りリビングへ向かっていった。




