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ひとり帰り道
新しい友達も、なかなかできなかった。
行きは近所のお姉さんたちと一緒に登校していたけれど、帰りはいつもひとり。
春の午後の日差しの中を、とぼとぼ歩いた。
ある日、帰り道で同級生を見つけて、思い切って「一緒に帰ろう」と声をかけた。
そのときはうれしかった。やっと“仲間”になれたような気がして。
けれど、途中で別の男の子がやってきて、「ついてくるな」と言った。
空気が一瞬で変わって、胸の奥がぎゅっと締めつけられた。
何も言えず、足元だけを見つめて歩いた。
そのときの夕方の光の色を、今でも覚えている。
淡いオレンジに染まった道が、やけに長く感じられた。
きっとあの頃から、わたしの中に“人との距離”という小さな壁ができはじめていたのだと思う。




