54話 大天才
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⑦『』+間2行は過去の誰かが話した内容を示します
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現在3箇所でそれぞれ戦いが起きている。
病室前の長い廊下では服部くん達3人がモネさんを追って猛進中。
そしてそのモネさんがルサールカと名乗る悪魔と接敵。
道場の外にある横に長い広場では冷泉君が無名の悪魔と対峙。
秘書室ではイフリートと名乗る悪魔により自身の世界に引きずり込まれている。
そして敵は全て悪魔、しかも『大臣』。
ラスボスクラスの悪魔が現在3箇所で戦いをしかけている。
多くね。
だが起きたことは接敵だけではない。
陶くんと原さんはどデカい悪魔を二人で討伐に成功している。
こうして対峙だけではなく勝利報告も来ている。
決して接敵だけではないようた。
しかしここからまた接敵がまだ2回起きる。
順に追おう。
"どこにいるのよ..."
こちらは訳の分からないこと「場所」、と言っていいのか分からない空間から世界を見渡していた。
伊藤先生のいる場所からは数多の立体が宙を舞い、急激に出現しては急激に消失したりしていた。
しかもその出現と消失の頻度は規則的ではなければ、動く向き、移動速度、サイズ、形すらもバラバラでまるで異空間だった。
そんな場所から見ていた伊藤先生だったが残念ながら「見る」ことしか出来ないので手のひらサイズの檻に閉じ込められたみつおくんを見つけることをできてなかった。
まあこればかりは仕方がない。
そんな時、
"...?"
何か引力を感じた伊藤先生。
"え...?"
と思って引っ張られた先は、
「見つけましたよ、『伊藤幸恵』さん」
なんと地獄に居た。
そして目の前には大翼を持ったライオンがいた。
「...あなたは?」
と聞きつつ周りを確認したが、
「周りを確認しても無駄ですよ、ここは私の『世界』です」
つまり伊藤先生も推古さん同様誘拐されたようだ。
「...そうなの。でも私忙しいから帰るわね」
といつものテレポートをしようとしたら、
「...」
何も起きなかった。
「残念ですよ、その程度の技を対策してないと思われていたことが」
どうやらテレポートを無効化されているようだ。
...え技を無効化してるの。
グロすぎる...。
「そうなの...」
と困り気味の伊藤先生。
「じゃあ今ここであなたを弔るわ」
と言った瞬間テレポートで近くまで行きアッパーを入れようとしたが、背中の翼でに空中に舞い避けられてしまった。
"避けられはしたけど空間内なら移動は可能のようね..."
とさすがに完全封鎖されている訳ではなくて安心していた。
「その程度ですか?」
と空を飛んだライオンが聞いた。
「私もよ」
と言いつつライオンに向けて掌を向ける伊藤先生。
そして、
「【範囲攻撃】」
と言った。
すると、
「くっ、」
とすこしダメージを負った宙を舞うライオン。
「...ふっ、その程度ですか?」
とくっ、とは言ったものの不敵な笑みを浮かべ強がるライオン。
「あら腹に赤い滲みをつける程度じゃ効かなかったかしら?」
と指をさしながら言う伊藤先生。
「確かに痛いですよ。でもこれ以上はダメージを与えれないですよ?」
と翼をバサバサと振りながら言うライオン。
「そうかしらね?【範囲攻撃】」
ともう一度攻撃をした伊藤先生。
瞬間的な攻撃だったからか無防備なライオン。
"防御をしない...。少し怪しいわね.."
と怪しんだのも正解のようで、ライオンにはノックバックは愚か一切の攻撃が入ってなかった。
「...へえ( •_•)」
とすこし凹む伊藤先生。
「あなたも見たと思いますよ、この『魔術』」
との事。
そんな事教えていいのだろうか。
「見たことあるね..」
と少し考える伊藤先生。
"誰のことかしら。悪魔なんか数えるのも億劫なくらい倒したからよく覚えてないのよね.."
と恐ろしいことを考えている伊藤先生。
数えるのも億劫って何。
「...あっ」
とよく覚えてないとか言っていたのにすこし心当たりを見つける伊藤先生。
「だとしたら面倒だわね...」
気づいたところで億劫そうな伊藤先生。
「何か見つけたのですか?」
と聞いてくるライオン。
「まあ一応ね。正直気づいたところでだけどね」
と掌をライオンの方に向けた。
「まあだよね」
と確信した伊藤先生。
「...あなた『詠唱破棄』を使いましね」
え、アビリティって『詠唱破棄』できるっけ。
イメージ無いな...。
いやでも実際伊藤先生はライオンに向けて掌を向けた時【範囲攻撃】を使っていた。
...まじか。
「あら?『詠唱破棄』ごときで驚くなんて、そんなんじゃ私には勝てないわよ?笑笑」
と楽しくなって来てそうな伊藤先生。
「さすがですよ、聖職者史上『初代閻魔大王』を省いて最強クラスと呼ばれるだけありますね」
まあこの強さを見ていたから当然か、とわかる話だし、以前言ったと思うが伊藤先生は聖職者史上最強の名を自分のものにしている。
まあこの人は功績からもわかる話だが。
だって最上級道場の突破の最年少記録を持ち、現在そこの道場主になっている。
強さの桁が違うのも当然と言えば当然だろう。
むしろその伊藤先生に対抗出来るこのライオンがおかしすぎると言える。
彼女曰く苦戦した悪魔はこれまで1人もいなかったそうだ。
いや正確には本気で追い詰められたことはないということだそうだ。
なんでも戦った悪魔全員、苦戦は超稀にあったものの追い詰められたことはないそうだ。
なんと言っても彼女には強すぎる移動技が2種類も持っている点が大きいだろう。
ひとつはテレポート、もうひとつは立体が出現と消失を繰り返す不思議な世界への侵入。
前者は一応対応しようと思えばできるそうだ。
実際何度か対応されたことがあったそうだ。
しかし後者を対応されたことは一度も無い。
つまり今回が初めて不思議な世界から引きずり出されたそうだ。
まじか。
本格的に今回の敵は強さがおかしなことになってそうだな。
「そうね、あとあなたのこともわかったわ。全てを拒絶»の2つ名をもつ『ヴァプラ』だったかしら?あなたも悪魔の中では『サタン』を省いて史上最強とでも言われているじゃない?」
との事。
『ヴァプラ』、伊藤先生の言ったように全てを拒絶»の2つ名をもつ史上最強の悪魔と言われているやつだ。
以前登場した『ステンノー』という悪魔がいたと思う。
よくそいつとどっちが最強か論争になる相手だ。
ステンノーは無敵だ。
それに加えてマルチな攻撃パターン。
多彩な技を持っているというのは最強になるための条件のひとつと言っても過言では無いだろう。
それに加えて無敵と。
強くね。
てか倒せるの。
いや以前三浦さんが追い詰めていたか。
よくやったな。
「よく知っているな。そう吾はヴァプラ。全てを拒絶»は吾の世界の名から冠されたのでしょう」
と自己紹介をするヴァプラ。
「へえ。そんなかっこいい2つ名を持っていて見た目がライオンに翼を付けただけって、名前が泣いて見えるわね笑笑」
と何故か煽る伊藤先生。
というかこんな状況でも体裁を崩さない伊藤先生すごいな。
「ほぉ?( *´˘`*ꐦ)言ってくれるじゃないか?」
と空を飛んでいる状態から急降下をして噛み付いてきたライオン改めてヴァプラ。
「あらあら急にライオンと同じ動きをするなんて笑野生帰りでもしたかしら?笑笑」
とこの攻撃に対してはテレポートで避ける伊藤先生。
「そう見えていたあなたがお笑いだが」
「!?」
と伊藤先生がテレポートした先は泥沼になっていた。
「くっ、やるじゃない」
となかなか抜けなさそうな伊藤先生。
「『土系統魔術【土埜槍】』」
と言うと口から土の槍が飛んできた。
が何事も無かったように消える伊藤先生。
「またか、『空間系統魔術【引出】』
」
と少しため息をついた後伊藤先生を異次元から引きずり出した技を使ったが何も起きなかった。
「何?」
と少し戸惑うヴァプラ。
「【範囲攻撃】」
と言うとバリアが壊れた音がした。
それと同時に消えるヴァプラ。
「そうか、次元を下げて高さの概念を消しましたね」
と訳の分からないこと言うヴァプラ。
何を言ってらっしゃるのだろうか。
「あなたもよ。あなた多分ステンノーがつけてたバリアを身につけてるでしょ。でそれが壊れた瞬間ランダムな私から離れた位置にテレポートするように魔法を仕込んだわね?」
とこちらも何か言う伊藤先生。
これは多分トリガー魔法の1種だろう。
かっこよくトリガー魔法とか言っているが、特定の何かが起きたら発生する魔法のことだな。
「ご明察。だがそれがわかったところでどうするというのかね?」
と認めてくれたヴァプラ。
それは認めてくれるんだ。
それよりもステンノーのバリアを貼っているって何。
あのバリアは以前説明があったと思うがあらゆる攻撃を防ぐが微細な攻撃で壊れるというバリアのことだが。
それをつけてる、つまり無敵と。
ずるくね。
というか、
「あなたステンノーの無敵バリアをつけているのにステンノーとあなた、どっちが強いか論争になるって何」
言いたいことを言われてしまった。
普通これを持っていら論争にするならそうなのに。
「それは彼の『特性』のせいでしょう」
「『特性』?」
「そうだ。あまり言ったら怒られるから言わないでおくが彼の盾が強すぎる理由は彼の『特性』から来ている」
初耳だ。
「初耳だわね」
どうやら伊藤先生も初耳だったようだ。
つまりステンノーには何か裏があるということだろう。
「それに比べ吾は攻撃面では最強。このようにな」
と言うと伊藤先生の地面から土の槍が数本出てきた。
「『詠唱破棄』ね〜。私そのタイプ嫌いなのよね〜」
といいながら右側にテレポートして対応した。
「ほう、なら吾は最高に嫌いであろう」
と言っている間に地面から土の槍はもちろん、炎が巻き起こったり、波が襲ってきたりと多彩な攻撃を仕掛けてきた。
「吾は『詠唱破棄』をしようとも一切の制限を受けない」
と攻撃しながら言うヴァプラ。
「てことは私はこんな感じに一生動かないと行けないわけ?」
と聞いていると、
「いや、そんなことは無い」
と言うと攻撃が止まった。
"何か来るわね..."
と身構えていた時、
「『炎系統魔術【豪炎】』、『雷系統魔術【電撃】』...」
と言うと右側には赤色の魔法陣、左側には黄色の魔法陣が現れた。
そして赤色の魔法陣は火花を散らしながら、黄色の魔法陣は電気を放ちつつ重なり合いオレンジ色より黄色ぽい色になった。
"魔法陣を合成...?"
と伊藤先生が疑問に思っている時、
「『多重詠唱【雷鳴炎舞】』!」
と言うとその魔法陣からは炎の太いビームが飛んできてそれと共にバチバチと電気を周りに放った。
"まじ..."
と少し焦る伊藤先生。
それもそうだ。
この«世界»は非常に狭い。
その狭い範囲内でこんな超広範囲攻撃を避けないと行けない。
テレポートで避けようか。
でも避けたところでそこは攻撃範囲となる。
圧倒的な火力と範囲。
恐ろしい技だ。
自爆すら見えてくる勢いだ。
「どうかね、吾の『多重詠唱』は」
と誇らしげなヴァプラ。
Bad Killer 54話 最強の魔法使いと最強の聖職者
fin.
次回
「なるほど、これが噂に聞いていた『フラクタル次元』ですか」
と伊藤先生からみて無限の幾何学模様の霧のようになりながら言った。
「あなた、普通に天才だわね...」
8月11日投稿予定
お楽しみに!




