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親の本棚。  作者: 萬田ぷぷっぴどぅ


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私の本棚。


 漫画やイラスト集や写真集。装丁が素敵なアリスの本やマザーグースの絵本。勉強したかった脳科学や江戸吉原の本。


 最初に全部売り払ったのは、死のうとしたとき。


 親に迷惑かけるのもあれだし、これらが残ってると未練があって死ねないかもと思って全部売った。


 結局死ねなかったけれども。


 生き残っちゃったらまた欲が出ちゃって、まったく同じ本はもう手に入らなかったから似たような本をぽつぽつと集めてたけど、母が亡くなったとき、やっぱり死のうと思ってまた売り払った。


 結局死ねなかったけれども。


 生きてると同じことを結局繰り返す。


 似たような本を買って、これって巣作りに似てるなあなんて思って。自分の居場所をせっせと作って。


 でも、今度は結婚するとき、売りはしなかったけど実家に置き去りにした。


 子供が生まれるし、もう、忘れるだろうと思った。


 生まれて来た子供たちに、私が興味を持っていた本など見せたら教育に悪いかもと思った。


 父が亡くなると同時に実家の処分は姉に頼んだ。家の中にあったものはそのまま処分されたから、私の本も一緒に捨てられたのだろう。



 結婚しても、子供が生まれても、あの時の興味は今も薄れていない。


 あの時好きだったものたちは、今も好きだし、会えるものなら今もあの本たちに会いたい。読みたい。


 あの時好きだったものたちを再び集めるかの如く、似たような本たちをどんどん部屋に積み上げている。


 配偶者にも子供たちにも、読みたかったら読んでいいのよと見せつけるように、高く高く積み上げている。


 でも家族の誰も私の本には興味を持たない。


 趣味が違うとあっさり足蹴にされる。


 あっさり足蹴にされるけど、本当に蹴ったりしないしバカにもしない。だからどんどん積みあがる。



 積読は巣かもしれない。

 

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