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心臓捜索大作戦!

ボコボコ、という嫌な音を立てながらシャボン玉が湧いてくる。この量、さっきの二倍はある・・・。

銃を撃ちまくるが、いなりくんを抱えながらだと無理だ。下すと、この子に殺される!!

いくら軽いと言ってもあるもんはあるから足手纏いと言ったらダメだけど邪魔だ!!

いなりくんにも当たらないように、私も当たらないように避ける、だなんて無理だよ!!

「・・・やっぱり、だめだぁぁぁぁ」

放課後。私は今日もまた授業中にメモを量産していた。

「・・あ、メモなくなった。」

原因は絶対に毎日毎日授業中にメモを書いていたから。書いては消して、書いては消す。しわしわになったら捨てる。を繰り返した。

「それ、いつまでやる気?』

窓際から声がする。見なくてもわかるくらい、聞いたことのある声。

「やる気とか関係なくやるしかなくない??」

「成果は?」

「ないけど。」

「そんな堂々と言うなよ〜〜。悲しくなる。」

必要ないメモを捨てて、顔を上げると、いなりくんが呆れ顔でこっちを見ている。いつの間にか、ドアが開いている。さては気配を消して入ってきたな。私がメモに夢中になっていたのも気づかなかった原因かもしれないけど。

いなりくんは窓枠に乗っている。ベランダはないから、窓枠に乗ってバランスを崩しでもすれば終わりだ。

幽霊だからこそ、できる遊びなんだろうな。

「だってさ、ヒントがないんだよ!!山は違う、商店街も違う。」

「でも小学校にはオウタがあったじゃん。」

「だから、オウタと心くんが関係あるかもわかんないの!偶然かもしれないし・・・。」

「それにしても、ヒントがないのは全部外して言えるからじゃん・・・。闇雲に捜索しても見つからないよ?」

「そうだよ!それに困ってるんだよ!」

ちょっとむかつく。消しゴムを投げつけると避けられた。ゴミ箱を漁っているのに。こっちを見ていないのに。もっとイラつく。

イラつくような、悲しいような気持ちでなにも考えずに机に額をぶつける。

「・・・痛い?」

「痛いよ・・・。」

思った以上に痛くてもっと悲しくなる。

ちょっとむかつくけどいなりくんのいう通り、全部外しているからヒントがない。どこかで私は間違えたのかなぁ・・・。

「ねぇ。」

「何?」

「その前提、間違ってない?」

「前提って・・・。どの前提?」

「これ見てよ。」

いなりくんはそういうと、さっき捨てたメモを私に見せる。

そのメモは、他のメモと大して変わらないメモだ。場所が書いてあって、赤いボールペンでバツがたくさんつけられている。丸もあるが、後々バツになったものだ。

「それがどうしたの。」

「これ、場所しか書いてないじゃん。」

「そう、だけど・・・。まさか、場所じゃないの??』

「そうだよ!前心くんが言ってたじゃん!『殺された』って。殺されたならさ、場所以外にも『人』や『幽霊』の可能性もあるよ。心くんの服装からして、心くんが死んだのは1990年くらい。心くんを殺した人が生きていてもおかしくない!」

「じゃあ、私は場所と人と幽霊を探さなきゃいけないの。」

「そう!」

いなりくんはまたゴミ箱を漁っている。そのいなりくんを横目に私は片付けを終え、カバンを背負う。

「帰るからね。」

「待って待って!」

いなりくんがバタバタと追いかけてくる。

今日は結局、可能性が広くなっただけで、何もできなかった。

『佐藤』『幽霊』『心臓』『田中』『場所』『公園』・・・。色々な単語が頭の中をぐるぐると回っている。

___________________________________________________

「・・・桜、顔が死んでるよ?すごく眠そうだよ?」

「うるさい。」

ごめんけど、話しかけないでほしい。昨日は単語が頭をずっとぐるぐるしていて、なかなか寝付けなかった。

「一回辞めれば?』

「無理。」

「なんで。」

「心臓、気になるから。どこにあるのか、とか。」

いなりくんは小さくクスッと笑った。

「まぁ、桜らしいや。でもさ、その『やるならやる!』精神?は良いんだけど方向が間違っていたらおわんないよ?」

「その心配があるから悩んでんの!」

そして放課後。珍しく窓から声が聞こえてこない。カラスがカァカァと鳴いている。

メモの整理整頓をしようとしたけど、今日はメモを書い忘れていてメモは書いていないんだ、と思い出した。

「珍しいな。今日はメモ広げないのか?」

後ろから声。気配は感じなかった。そして、ちょっとびっくりした。

「蓮華先輩・・・。びっくりするんで気配消すのやめてください。心臓に悪いです・・・。」

「気配を消しているわけじゃないんだけど・・・。佐倉さん?」

「はい。」

「何、してんの?」

「蓮華先輩のファンがいたらすごく気まずいんで目視で確認していました。」

「ファンなんて。いないよ〜。」

蓮華先輩はわかっていないけど、すでに蓮華先輩は超モテ男になっているらしい。先生も大好きって噂も流れているくらい。

「で、佐倉さんは今何を?」

「いつも通りメモを整理整頓して考えよう、と思っていたんですけど・・・。メモ、買ってなくて。」

「で、進展は?」

「ないです。」

「清々しい返事だな。」

褒めてない、それ。

「でも、進展ではない・・・あるかもしれないですけど、昨日いなりくんに言われたんです。

『前提が間違っているかもしれない。心臓のあるところは場所だけではなく人や、幽霊の可能性もある。』って。」

「ふぅん。たまには狐もいいことを言うんだな。」

「良いことって・・・?」

「『前提』だ。佐倉さんのメモ見て違和感があったんだがそう言うことだったのか。」

「メモを見た・・・?先輩、まさかとは思いますけど私のカバン、漁ってりしていませんよね。」

「もちろん。朝、狐が持ってきた。まだある。」

そう言い、蓮華先輩はブレザーのポケットから5枚ほど私のメモを取り出した。全部、昨日捨てたものだ。

いなりくん、ゴミ箱漁りながらこっそり何枚か持って帰ったな・・・。

「これは、関係あるの?」

「どれですか?」

「これ。」

蓮華先輩は一つのメモを指差す。うっそれは私がお腹空きすぎて『オムライス』とか『ハンバーグ』とか書いたやつだ・・・。

「な、なんでもありません!!」

私はメモをひったくり、恥ずかしさと一緒に家へ帰った。

___________________________________________________

次の日。進展らしい進展がない中、放課後に稲荷神社でいなりくんはいってた。

「これさ、絶対幽霊の犯行、だと思う。」

「どうして?」

「だってさ、『殺している』し、『オウタ』を使ってるんだよ?場所はそんなことできないし、霊力のない人間はオウタを使えない?」

「と言うことは?」

「霊力を持ったほんの一部の人間か、幽霊か。」

「じゃあ、今までの場所は意味なかったことなの!?」

「俺はあえて、意味がない、とは言わない。」

「ええ〜〜」

___________________________________________________

そして土曜日。小学生たち(特に椿)が家でゴロゴロしているのをいいことに3人で稲荷神社のど真ん中にいた。通るのは近所のおじいちゃんおばあちゃんぐらいだから、『彼氏発言』小学生がいないのはラッキー!!

「それにしてもなんの目的で心くんの心臓を取ったんだろう・・。」

「食べたとか!」

「「それはない。」」

私と先輩は口を揃えていった。

「だって、悪役ってなんか食べちゃいそうじゃん!なんでも!」

「悪役だって人間だろ!!」

「いなりくん・・・。心臓はまずいと思うよ。」

「冗談だってば。」

いなりくんはケラケラと笑う。

楽しい。そう思っていた。すると急に、いなりくんが倒れた。反射的に私はいなりくんの手を持つ。

「どうしたんだ。狐っ」

蓮華先輩もそう言ってから耳を塞ぎ、苦しそうにする。いなりくんの顔を見ると目が閉じている。

「佐倉さんっ狐は、生きてる・・・・」

いなりくんは完全に力が抜けた状態。その力の入っていない手がブラブラと振り子のように揺れる。さっきまで普通に、心くんのことについて話して、冗談言って、笑い合っていたのに。

「う、嘘でしょ・・・。」

「佐倉さんは離れて。」

ど、どうして??蓮華先輩は立っているが、耳を塞ぎ、苦しそう・・・というか、痛そうだ。

「聞こえて、ないのか・・・。」

「な、何がですか!?」

「音だ。佐倉さんには何も、聞こ、えない・・・?」

顔が歪んでいる。蓮華先輩、こんな顔するんだ・・・。

「き、聞こえません・・・。」

「霊力の、問題、か。」

そういうと、蓮華先輩は耳から手を離して何もいない・・・私には見えない『何か』を見て言った。

「趣味、悪いな。こんなので、引き摺り出して。」

「蓮華先輩・・・?」

すると、急に蓮華先輩は私の方を振り返った。

「佐倉さん!!こいつの狙いは、狐だ!!逃げろ!!」

「どこまでですか!?」

「いいから、どこまでも!!」

全く、無茶苦茶だ。私はいなりくんを抱えて稲荷神社から出た。いなりくんは驚くほど軽かった。何も持っていないかのように。体重が1円玉だ。

ドンっ

さっき私がいた方から爆発音のようなものが聞こえてくる。蓮華先輩、すごく辛そうな表情だった。

・・・まさか、死んじゃったりなんかしないよね??

ふとそんな不安が私を襲った。

「ねぇねぇ。」

気づくと、前に女の子がいた。

「すみません!!急いでいるんで!!」

「急いでるの??足止めしてあげる!

!?

その女の子はどこにでもいそうな子だった。三つ編みにメガネ。うちの制服を着て、私とおんなじカバンを背負っている。

シャボンダマ、トンダ

「オウタ・・・・!」

「あなたはいつくたばるかな??」

にいっとその子は笑った。ぐるっと世界が反転し、裏世界へ連れてこられる。これがおそらく心くんの心臓を奪った犯人なんだろう。

そして、その子はカバンを開く。すると、その中からシャボン玉が溢れ出してきた。

シャボン玉。普通だったら全く警戒しないが、これは明らかに色がおかしい。毒々しい。とにかく、毒々しい。

・・・恐ろしい、逃げなきゃ。

「ち、近づかないで!!」

「あの幽霊警察もすぐくたばったわよ。でも、あなたは音が聞こえないからシャボン玉を出すしかなさそうね。」

蓮華先輩・・・!

「死んだかは知らないわ。あなたは気絶で済ませてあげましょう。」

そして、とその子は言った。

「その狐は殺す。」

「だ、だめ!!」

襲いかかってくるシャボン玉を銃で割りながらとにかく避ける。

大小さまざまな大きさの泡が私に磁石のように吸い付いてくる。

「すばしっこいわねぇ。まだ序の口よ?」

ボコボコ、という嫌な音を立てながらシャボン玉が湧いてくる。この量、さっきの二倍はある・・・。

銃を撃ちまくるが、いなりくんを抱えながらだと無理だ。下すと、この子に殺される!!

いくら軽いと言ってもあるもんはあるから足手纏いと言ったらダメだけど邪魔だ!!

いなりくんにも当たらないように、私も当たらないように避ける、だなんて無理だよ!!

すると、急にシャボン玉はいなりくんの方へ方向転換した。私はもう無我夢中で泡の中へ突っ込んだ。

ばり、ばり。

肌にシャボン玉が刺さる。ちくっと痛い。

一つ一つは大したことがないけど、こんなに多くくらったら・・!!

腕に少しだけ傷がついた。

「あはははっ!食らっちゃってるわよ??守るどころか、避けないでどうするの??」

早くいなりくんをおいていけ、とその子は急かす。

いやだ、いなりくんは守る。私も生きる。蓮華先輩も絶対に助ける。

・・・そんなことできるかな

「いや、できるっ」

「何もできないわよ?」

「いなりくん!守護霊さん!お願いします、守ってください!」

いなりくんは私を使いにする時、約束してくれた。

『守る』

と。

毎日投稿3日目!!

なんだか書くのが上手くなって気がする・・・。

一話とか二話とかちょっとまだ下手だったから、いつか修正したいな・・・!!

読んでくれる人増えますように!

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