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4人、再び

アイリを助けに部屋へ飛び込んだ桜。


アイリと桜は・・・!?


いなりは、スイリを助けに向かうが、廊下の先で・・・!?


大きく動く、50話開幕。

「わかった・・・本当に、無理しないでよ?」

「それは俺のセリフだよ!」

無理矢理に笑顔を作っている姿が痛々しい。

「・・・わかった。」

もう少し、いなりくんの所にいたい。

だけど、今はアイリちゃんのところへ・・・!

通路に駆け出し、アイリちゃんが入っていった部屋に向かう。

後ろに足音がする。

振り返らなかった。

この足音は・・・魚じゃない。人魚じゃない。きっと、いなりくんのものだから。

そして、理由がもう一つ・・・振り返る間もなかったのだ。

あの部屋の中で、アイリちゃんは無事なのか。

そう思った瞬間、どっと冷や汗が噴き出る。

「・・・アイリちゃん!」

「・・・!?」

アイリちゃんは無事だった。

目を見開き、驚いた様子だった。

嫌な匂いのするスープの前に、ただ立ち尽くしていた。

一安心する。

しかし、すぐに魚の存在に気づく。

「何も・・・・」

と、魚が口を開くとほぼ同時に発砲した。

そして、アイリちゃんに駆け寄って縛られている足の鎖を解く。

「大丈夫、アイリちゃん?怪我は?あーよかった!!」

鎖を解きながら、そう言う。

けど、私の言葉にアイリちゃんは無反応。

洗脳?何?えっ?

助けたはずなのに、再び嫌な汗が背中を伝っていく。

しかし、アイリちゃんは口を開いた。

「どうしてだ?人間。」

掠れた声だった。

けど、紛れもなくアイリちゃんの声だった。

「どうしてって・・・な、何が?」

訳がわからず、首を傾げる。

「いや・・・なぜ、ここに?」

「決まってるじゃん。アイリちゃんたちを、助けに来たんだよ!」

私が迷わずに言うと、さらにアイリちゃんは目を見開いた。

「『助けに』って・・・本当、なのか?吾輩を、助けに来たのか?」

「うん・・・えっダメ・・・だった訳じゃないよね?」

会話が繋がらないのを感じる。

言葉が詰まる。

「どうして助けた?」

「だって!アイリちゃんのこと、私は友達・・・だと思ってるよ!」

一瞬、『友達と言っていいのか?喧嘩して別れたよね・・・怒らないよね?』

と言う考えが浮かんだ。

けど、すぐに言い切った。

すると。

みるみるうちに、アイリちゃんの瞳に涙が浮かんできた。

「えええ!?アイリちゃん、どうしたの!?」

そして、アイリちゃんは小さく飛び跳ねて私に抱きついた。

アイリちゃんは、小さな声で『友達』と言い続けている。

「・・・?」

「謝りたかった。」

泣いているせいなのか、声が震えている。

けど、ちゃんと聞き取れた。

「何を?どうして?」

「あの時だ。吾輩は・・・ひどいことを言った。」

「ああ・・・あの時?」

もしかして・・・アイリちゃんは私たちに『裏切り者』と言ったことを悔しがっている?

「もしかして・・・『裏切り者』のこと?」

『裏切り者』と言う言葉が出てきた瞬間に、アイリちゃんの体が大きく震えた。

そして、小さく頭を縦に振る。

「正直に言えば・・・ちょっとだけ傷ついた。」

それは事実だった。

頭がくらくらして、何も考えられなくなった。

でも・・・

「私は、怒っていない。アイリちゃんが怒った理由、わかるよ。」

それとこれとは話が違うかもだけど・・・

昔、椿とアニメの録画を見た時。

『一緒に見て、感想を話し合おう』って約束してたのに・・・先に椿が見て、挙げ句の果てネタバレをされたのは怒ったな・・・。

「大丈夫、大丈夫だから。ごめんね。」

私はそっとアイリちゃんの頭を撫でた。

跳ねていたオレンジ色の髪の毛が少し落ち着く。

「・・・ごめんなさい。」

相変わらず、掠れた声だった。

けど・・・少し元気を取り戻したような、声だった。

「顔あげて・・・もう大丈夫、私といなりくんが、全て終わらせる。」

「・・・その中に、吾輩とスイリも入れてくれ。」

真っ赤な目をこすりながら、アイリちゃんはそう言った。

「・・・もちろん。絶対、脱出する。服は?アイリちゃん。」

「・・・こいつが持っている。」

アイリちゃんは魚の看守のポーチを探る。

そして、何かを見つけると引っ張り出した。

「少し・・・あっちを向いてくれないか?」

慌てて後ろを振り返る。

数秒後。

「もういいぞ。」

「本当に!?」

嘘をついているのかと思った。

恐る恐る、後ろを振り返ると本当に着替え終わっていた。

「はっや・・・」

「時間は大切だからな。」

そして、アイリちゃんは両手を組む。

そして目を閉じた。

「吾輩を誰だと思っている・・・?

我が手に集い、その力を存分に思い知らせろ・・・

轟鎖ごうさ!!」

文言を唱える時。

アイリちゃんの髪の毛は、神々しく光り輝いた。

雰囲気が一変し、神様を目の前にしているような感じがした。

アイリちゃんは、両手を大きく開く。

すると。


バチバチっっ!!


電気が弾けるような音が鳴り響いた。

その鎖は電気を纏っていた。

持ち手の部分は透明で、ひんやりとした雰囲気を醸し出している。

あれ、これって・・・?

「ヌンチャク?」

「その通りだ。あ、近づきすぎると危ないぞ。鎖の部分は電気が流れている。人間が触ったらただじゃ済まない。」

その言葉に、血の気が引くのを感じる。

「いやいや、大丈夫だ。桜は霊力があるから、これだと・・・気絶くらいか?後遺症は残るかもな。」

「まままま待って!怖いって!」

「だから・・・吾輩を、誰だと思っている?」

アイリちゃんは両手で持ち手を握りしめる。

そして、不敵に笑う。

「ミスで味方に武器を当てると思うか?」

その威厳は、時雨くんと同等だった。

無敵、不敵、最強、敵無・・・そんな言葉が似合う。

そして、安心もした。

もう、完全に元のアイリちゃんだ・・・!

すると、部屋のドアが弾け飛んだ。

「おい!何をしている!抜け出しているじゃないか・・・っておい、まさか!」

魚の看守が5匹飛び込んでくる。

ドアの近くにいた私を見てそう言うが、アイリちゃんを見た瞬間に様子が一変した。

「ふっ・・・」

アイリちゃんは笑いを漏らした。

「桜!しゃがめ!」

「は、はい!」

頭を下げ、最速でしゃがむ。

その瞬間、頭上から風が吹いた。

「ぐ、は・・・」

バタバタと魚が倒れていく。

「まあ、こんなものかな?」

私は立ち上がり、辺りを見回す。

見事に魚たちは・・・焼き魚と化していた。

「桜、今は声をかけたが・・・これからは声をかけないからな。吾輩も気をつけるが、自分の周りにも気を張れ。」

「・・・わかったよ。」

「そういえば・・・いなりはどこなんだ?」

アイリちゃんはキョロキョロと首を振る。

「なんで知ってるの!?」

「さっき自分で言っていたじゃないか。『いなりくんと私が全て終わらせるって。』と。」

「いなりくんは・・・人魚に攻撃されて、体に穴が空いた。けど今は・・・スイリくんを助けに行ってる。」

「そうか・・・あいつにも謝らなきゃな。」

アイリちゃんの声のトーンがひとつ下がった。


バリン


なんの音?と思ったら、アイリちゃんの服のガラス玉が弾けた音だった。

衝撃で崩れたかと思ったけど、アイリちゃんの顔から違うことは感じ取れた。

「・・・スイリ。よし!桜!全ては上手くいっている!」

アイリちゃんの声のトーンが一つ上がった。

___________________________________________________

「とおりゃっ!!」

いなりは大きく振りかぶって剣を振る。

魚は真っ二つになって倒れていく。

ズキっと胸の辺りに痛みが走った。

さっきの傷だ。ほぼ完治している。

「・・・桜は?」

そう口にした時、発砲音がうっすらと聞こえた。

「・・・OK。」

1人でそう言って、再びスイリを探す。

角を曲がる。


ばんっ!!!


「痛っ!!」

「・・・。」

いなりは曲がったところで、何者かとぶつかり合ってしまう。

「・・・何、なんでここにいんの?」

「・・・スイリ!!」

ぶつかった相手は、まさかのスイリだった。

「なんでって・・・逃げてきたに決まってんじゃん。」

「いやっ何をそんなに軽々しく言ってんの!?」

いなりは思わず突っ込んでしまう。

「チャンスを狙っていたんだよ。生贄にされる姉さんと違って、僕は儀式だけだから監視も薄いし。朝に近づくにつれ、注意が薄くなるかな〜ってね。」

そのスイリの観察の深さに、思わずいなりは微笑んだ。

スイリは・・・頭がいいのだ、といなりは悟った。

「で?姉さんは?」

「桜が行ってる。」

「そっか。」

それだけ言って、スイリは立ち上がり、いなりの元から離れようとする。

「待って待って!」

いなりは慌ててスイリを呼び止める。

「何?」

「お礼とかって・・・」

「ない。」

そっけなくスイリは答えた。

「それはないんじゃね?」

いなりはスタスタと歩き始めるスイリの前へ立ちはだかる。

「はあ?だって返事しなくていいでしょ。」

「・・・助けに来たのに。」

「・・・誤解してない?」

いなりの言葉に、スイリはそう言う。

「どういうこと?」

思ってもいなかった発言に、いなりの体から緊張がほぐれていく。

「友達だろ。・・・だから、信じてた。いなり。」

「え・・・?」

いなりはあまりの驚きに、溢れんばかりに目を見開いた。

「信じてたって・・・どうして?あの夜は?」

「姉さんに逆らったら怖いからね。姉さん、脳みそまで筋肉でできているような人だから、頭に血が上ったら何も考えられないんだよね。」

フッと時々笑いを漏らしながら、スイリはそう言った。

それに反して、いなりは『訳がわからない』と顔をしかめる。

「じゃあ・・・行くよ?スイリ。」


(理解は・・・できた。読み取ることは・・・できない。)


と心の中でぼやきながらも、徐々にスイリの言葉を噛み砕いていく。

「もちろん。姉さんと違って、僕には服があるからね。」

「アイリと違って・・・?服が奪われていたのか?」

「うん。姉さんは生贄になる予定だったから・・・武器を呼び出すこともできなかっただろうしね。」

「呼び出す・・・?そうだ、スイリ武器は?」

いなりの言葉を無視して、スイリは手を組む。

目を閉じ、口を開いた。

「眠りを解け。

僕の手に戻れ、冥よりの力。

・・・出でよ、流星鎖りゅうせいさ!」

いなりはその神々しさに一瞬だが、圧倒された。

懐の核が目の前に出てきたような感覚がする。

すると、上に気配を感じる。

慌てて飛び退くと案の定その場所には音を立てて、サッカーボールほどの鉄球が落ちてきた。

「あーよかったよかった。奴らにバレてたら、どうなるかと思ったよ。」

スイリは鉄球を持ち上げる。

棘に気をつけ、手の上で回して何かを探す。

「・・・危ないな!」

その声で、やっとスイリはいなりが危なかったことに気がつく。

「あー、ごめんね。どこに出てくるかは僕もわかんないんだ。」

スイリは一度だけ目を向けると、再び鉄球に目をこらし始める。

その棒読み具合に、いなりは目が点になる。

「おい!あーもう!今の音で、魚が多分集まってくるからやられるなよ!」

いなりは即座に剣を構える。

霊力が集中してくる気配、魚の足音。

すると。

「あー、やっと見つけた。」

スイリは、鉄球の一部に手を当てる。

その部分には小さな穴がついていた。

スイリは数回鉄球を上下に揺らす。

すると、その穴から木の棒とじゃらじゃらと音を立てて長い鎖が落ちてきたのだ。

「っ!?鉄球でどうやって戦うのかと思ったら・・・。」

スイリは、木の棒を手で掴んで、もう片方の手で鉄球を掴む。

「モーニングスター、だよ。あ、姉さんの武器はヌンチャク。電流流れてるから気をつけて。まあ、君は幽霊だから気絶で済むかな?」

「・・・姉弟揃ってすごいな。」

いなりはいろんな意味のこもった、『すごい』を口にした。

すると、スイリの服についたガラス玉が、粉々に砕け散った。


ばりんっ


「・・・いなり、姉さんは救出されたみたい。」

「そっか。さっきの呼び出し、霊力を相当消費したみたいだけど・・・?大丈夫なの?」

いなりは先ほどの神々しさを思い浮かべる。

「そのくらいで、僕らの霊力は尽きない。」

スイリといなりは背中を互いに向けた。

「ガラス玉には何かの仕掛けがあって・・・武器を呼び出す時の霊力に反応するようにしているんでしょ?」

いなりはそう言った。

スイリは全く動じなかった。

「ご名答。ちなみに、姉さんの服についたガラス玉は僕の武器に反応するから・・・今頃笑ってるだろうね。」

背中を向け合い、会話を続ける。

すると、それぞれの見ている廊下の突き当たりから魚の顔がほぼ同時にのぞいた。

「・・・・そっちは任せた。」

いなりの言葉に、スイリは頷いた。

いなりの目は黄金を映していた。



こんにちは!まずは一言!

ごめんなさい!!!!!


いや、言い訳させてください。

急 が し か っ た ん で す ! !


ほんとに!すみません!ユルシテ


まあ、話は変えて・・・

なんと!今話で!50✨


ありがとうございます!!

続けられていたとは・・・本当に、嬉しいです!!

100話行ってみたいので、これからも頑張っていきます!!


いなり、桜、アイリ、スイリ・・・4人は、人魚にどう立ち向かっていくのか・・・!?

多分、あと2話くらいで今編終わりです!!

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