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朝日までの命

人間界から地界への通路まで辿り着いたいなりと桜。


そこで2人は作戦を立て、単独行動に・・・!?


その頃、アイリは場所を移動していて・・・?


動き出す第48話、開幕。

「よっと!着いたついた!」

カツン、と靴とコンクリートの床が当たる音が鳴る。

「着いたついたじゃなくて・・・髪の毛!どうしてくれんの!」

服は濡れていないのに・・・髪の毛だけぐっしょり!!

「あ〜それは・・・まあ、いいとして・・・。」

「いいとしてじゃないでしょ!もー!」

すると。

近くにある曲がり角から、声が聞こえてきた。

「やっば!」

いなりくんは小さくそういうと、私の手を引いて狭い隙間へ。

「あれ・・・今、何か声が聞こえなかったか?」

見えてきた姿に、私は思わず叫びそうになってしまった。

魚がっ槍を持って・・・話して歩いてる!!

尾鰭の部分でひょこひょこと、跳び歩き?をしている魚っ!!が×2っ!

「気色悪い・・・水中じゃないのに、どうして魚がいるのっ!」

「なんでもアリだからね・・・。」

いなりくんも顔を顰める。

二匹は曲がり角を曲がる。

「なんとか切り抜けたね・・・。」

いなりくんは濡れた髪の毛を触る。

前髪がペターっとおでこに張り付いている。

「あれは霊力の化身・・・純情、みたいなもんだね。」

「え!?じゃあ、それぞれがすごく強くて・・・」

「いやいや、そんなわけじゃない。」

いなりくんは辺りを確認すると、そっと歩き始める。

「純情はあれは強すぎ。もっと弱い。」

『魚だけに、『雑魚』ってね⭐︎』と空気が冷えるようなことを言ういなりくん。

「ひっ・・・人間?」

思わず銃を構えてしまう。

一つの牢屋の中にいたのは、目を閉じた人間。

「あっちも、こっちもだね・・・俺たちが見ていったのは使われてない部屋だったのか。」

確かに・・・降り立った場所にあった牢屋には、誰もいなかった。

「発砲しちゃうところだった・・・危ない、危ない。」

冷や汗がどっと噴き出る。

この銃は、一応人間には害がないけど・・・ここだったらどうなっちゃうのかな?

「とにかく。今からやることを説明する。」

いなりくんはふと止まり、話し始める。

「俺たちは今から二手に分かれて、アイリを探し出す。」

「待って待って!スイリくんは?」

「後でいい。」

「よくないでしょっ!」

いなりくんの言葉に、驚く。

「どうして・・・?」

「ウルフのとこにちょくちょく行ってたから、色々知ってんだよ。2人の戦い方。アイリが指示を出して、スイリがサポートする。スイリ1人だと、なれていないこともあるだろうから・・・でも、見つけたら助けておいて。腕は確かだから。」

「ええ・・・アイリちゃん目当てで行くって言うのは、なんだか気が引けるな・・・。」

でも、渋々頷いた。

「牢屋の鍵は・・・なんとかしておいて。」

「なんとかって・・・まあいいや。そのあとは?」

「アイリを見つけた時は、そのまま行動。スイリを見つけた時は、移動のお稲荷さんを食べて。手を繋いでいる相手だったら、一緒に俺のところへ来れるから。」

「わかった。2人が、地界に連れて行かれる前に・・・絶対に助ける。」

ポケットを触ると、缶の感触がする。

移動のお稲荷さんだ。

基本いつも持っている。

「あと・・・俺の勘なんだけどね。この通路の中で最も強いのは主であり、落神である人魚。それ以外は・・・ただの雑魚だ。でも、油断禁物。桜まで持って行かれたら・・・うつ手が無くなる。」

「わかった!」

いなりくんの真剣な瞳に、緊張が高まってくる。

・・・今から、本当に単独行動でできるのかな?

「・・・いなりくんも。気をつけて。」

「もちろん!じゃ、手立て通りに。」

いなりくんは、チャームをむしり取る。

即座にそれは剣へと姿を変える。

「作戦開始!」

いなりくんの言葉で、私はいなりくんに背を向けてきた道を戻る。

足音を立てぬよう、気配を悟られぬように!

___________________________________________________

「早く着替えろのろま!」

「黙れ腐った魚めが。」

アイリがそう言うと、魚の看守は槍でアイリの背中を突く。

「乙女の着替えを見る魚がどこにいる!せめて目を閉じろ!」

「バケモノめが。羞恥心を持つとは珍しいな!」

アイリの呼びかけを無視して、魚は急かし続ける。

アイリはやれやれ、と着ていた服を脱ぎ、白装束に腕を通す。

「それでいい。しばらく待っとけ!」

アイリは再び拘束をされる。

抵抗する気もなかった。

「人間界で朝日が昇るまでだ、お前がここにいるのは。」

そう言い残し、魚の看守は牢屋を出て行った。

「めんどくさ・・・。」

強がるが、本当は相当弱気だ。

「ぐぬぬ・・・ついに服まで取られてしまったか。」

“あの武器“さえあれば・・・一発逆転もあり得る。

しかし、呼び寄せる時に必要なもの。

アイリの服だ。

しかし・・・チャンスがなかった。

縛られていれば、手にすることができない。

着替えの時は、周りを囲まれており、呼び寄せた瞬間に即縛られてしまう。

「なんと状況が悪いことか・・・。」

・・・やっぱり、一生冥界にいればよかった。

オウタカクシを追い出されたとしても、冥界にいれば。

不自由することはないのに。

「しかし・・・本当に、ここはどこなんだ?」

人間界と冥界をつなぐ通路というのは知っている。

しかし・・・捕まった時の部屋とは別の部屋だ。

着替えるから、と言って連れてこられた部屋。

目隠しをされて、階段を上がったり下がったり、右に曲がって左に曲がったりしたから、もはや自分が上らへんにいるかしたらへんにいるかもわからない。

「せめてスイリだけは・・・生き残っていないかな?」

自分は生贄。

そして、スイリは恐らく霊力を絞られるのだろう。

「・・・助けて。」

その微かな悲鳴は、誰にも届くことはなかった。

___________________________________________________

「はあ・・・」

私は両膝に、両手をかけて息を切らす。

どこを探しても、2人の気配はぜろ。

だんだん、銃が重く感じてきた。

・・・でも!諦めちゃいけない!

その時だった。

「おい!そこでなにをしている!」

振り返ると、あの気持ちの悪い魚が二匹。

でも・・・最初に見た個体じゃない。

装具の模様が微妙に違う。

片方の魚が、槍を構えて突進してくる。

「あーあ、・・・やるっきゃないですか。」

あんまり、銃を使うのは控えていたかったけど!

即座に構えて、一発。

銃弾は魚の目玉部分を正確に撃ち抜いた。

「・・・腕上がった?私。」

ここ最近、影が少なくってあんまり使うことがなかったけど・・・。

あっ待って!魚が逃げちゃう!

特に構えずに、銃弾を放つ。

空気を裂くように銃弾は凄まじいスピードで飛んでいく。


ずばっ


魚の体を、銃弾が撃ち抜く。

「片付けるわけには行かないし・・・早く、逃げよう。」

銃は強い。

うまく当たるとほぼ相手を正確に死なせる道具。

だけど・・大きな弱点が一つ。

音がでかい!!!!!

多分・・・聞こえちゃった、かな?

慌てて使われていない牢屋の中に滑り込んで、出っ張った部分に身を潜める。

予想通りに、銃の音を聞きつけた魚が数匹集まってきた。

「おい・・・死んでるぞ!」

「今すぐ人魚様に!」

「銃か?銃なのか?」

「とにかく・・・気をつけろ、殺傷能力を持つ道具を使う敵がこの場所にいるから。」

様々な声が聞こえてくる。

・・・でも、本当にあっけなかったな。

本当に、『雑魚』だ。

「待て!奥にも死んでるぞ!」

「これは、あの捕まった子供の仕業なのか?」

「いや・・・確か上で縛っているはず。」

もう一匹の死骸に気付いたのか、ビチビチと尾鰭の音が聞こえてくる。

そして・・・気になることも聞いた。

今の隙だ!

魚が惹きつけられている隙に、こっそりと窪みから抜け出して、右に曲がる。

そこで、階段を目にした。

「この場所・・・本当に階段、あるの・・・?」

探す幅が広がることで、私は少し落ち込んだ。

このフロアだけでもかなり広いし、捜索しきれていない。

・・・でも。

アイリちゃんは、上にいる。

それは確定だ。

いなりくんに伝える?

ポッケに目をやる。

そして、1人で首を振る。

・・・ここは、自分で行くべきだ。

そう思って、階段の一段目に足をかけた。


こんにちは!みりぐらむです!!

今回、どうでしたか・・・?

アイリを救うまでのタイムリミットは、朝日が昇るまで。

そして、桜はアイリの場所まで辿り着けるのでしょうか・・・?


ブクマ・評価・感想・レビューよければお願いします!

次話も読んでいただけたら、とても嬉しいです✨

明日の18時、49話投稿予定です!!

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