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蓮華先輩は警察です!

その不思議なオルゴールについた人形は、パルフェーンそっくりだった。


ルールとは、殺人犯を見つけ出すこと。


もし、見つけ出せなかったら永遠の眠りにつかされてしまう。


果たして、桜たちは見つけ出せるのか・・・?

「る、ルール説明?」

「そうですわよ♪」

そのオルゴールの人形は、クルクルと回り出す。

人形の顔が一層怖く見える。

「ふーん、何をすんの?」

と、興味津々でいなりくん。

なんの警戒もなし・・・いや、警戒はしてると思う。

人形を覗き込んでいる。

「そこにある、8体のマネキン。そいつらの中に殺人犯が紛れているわ。」

「殺人犯・・・?『この』世界の人間ってことか。」

「世界の末端、ってことですか・・・?」

「なんで知ってんの?世界の末端は、夢の世界ってこと。」

「・・・なんとなく。」

いなりくんが、小さな声で尋ねてきた。

『時雨くんに出会った』なんてことは、言えない。

まだ、言うべきじゃない。

「そうよ。勘がいいわね、幽霊警察。」

先輩が、幽霊警察ということはもうすでに見抜かれていた。

前、いなりくんが教えてくれた。

いなりくんが守護霊とか、先輩が幽霊警察とかを見抜く人たちは霊力で見抜くらしい。

「犯人は1日に1人殺せる権利を持っているわ。」

「殺す!?」

「殺すと言うけど、『目覚めさせる』という意味だわ。」

「じゃ、俺たちここに居候していいのかな?」

いなりくんは、じろっとオルゴールを睨む。

マネキンたちもいつの間にか静かになって、オルゴールの話を聞いている。

「ただし。5人以上『目覚め』させたら・・・あなたたちを永遠の眠りにつけるわ。」

「眠っても目覚めてやるよ。こちとら、神が弟なんだよ。」

「神、ねぇ・・・。ふぅん、目覚めれるならぜひ目覚めてほしいわ。」

「狐っ!そこまでの挑発は危険・・・。」

「言われなくてもやめるつもりだよ。」

すると、急にオルゴールは回転をやめた。

「ねえ。ねえねえ。ねえねえねえってば。」

肘でオルゴールを小突くいなりくん。

しかし、オルゴールはうんともすんとも言わなくなってしまった。

「たくっ・・・。これだけかよ。」

頭をかく先輩。

「とにかく、あなたたちの中から犯人を見つけなきゃいけないんですよね・・・。」

私はマネキンを指差す。

「随分と作り込まれた夢・・・だね。あ、歌の曲練習しなきゃ!」

と、Aさん。

さっきもライブがどうこう言っていたような・・・。

「ランダムに当てる、とかはどう!?いいんじゃない!」

「やめとけ。この雰囲気だとアウトだろ。まずは、自己紹介だな。」

手慣れた様子でマネキンたちを立ち上がらせる先輩。

さすが、『警察』だ。

「Aです。あ、地下アイドルやってます!」

ハキハキと元気のいい声で挨拶をするAさん。

さすがアイドル。天真爛漫って感じだな・・・。

「B。会社員。てか、ここマジでダルいわ仕事残ってんのに冗談じゃない。あ、あたしは犯人じゃないからね。」

気怠げに言うのはBさん。

どことなく、攻撃的な気がする・・・。

でも、犯人ってここまで大きく出るかな普通。

「Cです。医者。一応、死因とかはわかると思います。まあ、マネキンですけどね。」

さっき話しかけてきてくれたCさん。

冷静な雰囲気が、どことなくウルフさんに似ている気がする!

「Dだ。俺は大工をやっている。こんな夢、初めてだな・・・。」

不思議そうに辺りを見回すDさん。

大工さんだから、構造とか気になるのかな・・・?

「Eです!あ、未成年です・・・・。」

気まずそうにするEさん。

未成年っていうことは学生さんかな?

「状況が掴めてないけど・・・Fです。主婦をやっています!」

穏やかで優しい声がする。

お母さん、なのかな?

なんだか、一番この人が心強いかも。

・・・その分、犯人だったらメンタルやばいけどね。

「Gです!レストランの料理人の見習してます!そこそこ美味しいのは作れると思います!」

と、Gさん。

『G』と聞いたらあの虫が浮かんできてしまう・・・。

見てない、見てない・・・。

そして、次が最後の人。

「Hです。警察です。期待はしないでください。」

期待するよ!?警察って聞いたら!普通!

だけど、オーラがすごい。

威厳があってすごく『守ってくれる存在』という感じ。

先輩とはちょっと違う、頼もしさだ。

「これで全員?」

いなりくんは、机の上にあったみかんを手に取る。

「ちょっあんたらも挨拶しなよ。こっちは信用できていないんだし。」

鋭い声が飛んでくる。

それは、Bさんだった。

・・・まあ、信用できないのも事実だよね。

「俺はいなり!夢の中ならではの不思議な生き物!」

何その挨拶!?

確かに、そんな子が出てくる時もあるけどさ!

と思って笑いかけてしまう。

「桜、です。Eさんと同じく学生です。」

「蓮華。警察の下っ端だ。」

「警察・・・?おいおい、冗談はよしてくれよ、坊ちゃん。まだ、未成年だろ?」

諭すようにHさんは言う。

「夢の中だから、そんなのもありなんじゃないですか!」

気づくと、口が勝手にそう言っていた。

隣を見ると、先輩も頷いている。

いなりくんは口いっぱいにみかんを詰め込んでいる。

なんか・・・ハムスターみたい。

「夢の中って、なんでもありなんですね!高級食材とか落ちてないかな・・・。」

屋敷の奥へと歩いて行こうとするGさん。

「勝手な行動はするな。」

その声で、Gさんは足を止める。

「夢の中でも警戒は解くな。」

「子供が何言ってんの?」

Bさんだった。

右手の薬指をちょいちょいと触っている。

「あはは、うへほあははっへ!(訳 だから、夢の中だって!)」

ハムスターと化したいなりくんがそう言う。

「・・・・?」

マネキンたちは一斉に首を傾げた。

「狐、食べ物で遊ぶな。汚い。」

「はんへ!ひひはん!(訳 なんで!いいじゃん!)」

「あ・・・いなりくんは、『だから、夢の中だって!』と言っていました。」

「あれぇ〜?夢についての研究は『そ・こ・ま・で』進んでいないのに、どうしてそこまで理解できるのかな〜?何か、データでも?論文、書いてほしいな〜?」

半笑い気味にそう言ってくるCさん。

完全に、私たちを下に見ている。

幽霊と関わり合う人間はほんの一握り。

そんなこと、言うわけない!

「で、でも・・・!」

「子供は黙っておいたら?相手は医者よ。」

これまた、笑いを含んだBさん。

ここまで、いじめられるなんて。

きっと、この人たちは荒んだ濁った目をしているんだろうな。

そう思った。

「データに頼るな。」

そう言ったのはあの、Hさんだった。

「データに頼りすぎると、知識が限られてくる。この、桜ちゃんや蓮華くんみたいな柔軟な考えはなくなる。」

「データ、論文ほど確立された信頼のおける情報はないんですよ?『柔軟』って。柔軟になりすぎて、嘘を求めたら意味はないですよ。」

「柔軟剤でも飲んでなさい!」

一気に詰めかけるCさんとBさん。

すると。

「むぐぐっ!」

「うぐっ!?」

BさんとCさんの『口』あたりに、何かがあった。

「柔軟な考えができない奴は硬い桃でも食べときな?」

その正体は、いなりくん。

両手に桃の皮を握っている。

みずみずしい、いい匂いがその場一帯にフワッと広がる。

「いなり、ナイス。」

「いなりくん!?いつ、なにで皮剥いたの!?」

「ついさっき、刀で。」


ゴリゴリ


「なんの、音・・・?」

そう言ってBさんとCさんを見る。

すると、その口元に桃が張り付いているのだ。

「ひゃああっ!マネキンが食事してる!」

「なんか、食べれる・・・みたいね。それにしても、この桃硬すぎじゃない?」

「完熟前、だからね。」

いなりくんは胸を張って言う。

よくよく見ると、その皮はまだ赤色が薄い。

「・・・硬いはずだな。」

あの、『ゴリゴリ』と言う音は桃の咀嚼音だったのだ。

「あ!Fさんもバナナ好きなんですか〜?」

「そうなのよ!うちの子も大好きで。遺伝かしらね・・・。」

「じゃあ、私はお子さんと仲良くできそうですね!」

そんな平和な話をしていたのはAさんとFさんだ。

確か・・・アイドルと、主婦だっけ?

2人は、机の上のフルーツを食べている。

特にバナナ。

「最近の子ったら、バナナが苦手な子が多くて・・・。」

「私の友達もそういう子多いんです!バナナソフトとか、クッキーとか食べたいんですけどね。」

「長女が全く食べないのよ・・・。次女は大好きなんだけどね。」

「栄養取れて、お腹にも溜まって一石二鳥なのに・・・なにが悪いんですかね?」

うふふ、と2人は同時に笑う。

あっちとこっちでだいぶ雰囲気が違う。

きっと、犯人以外はランダムに集められたんだろうな・・・。


ピロピロンピロピロン


・・・この音は!

さっきのオルゴールの方を振り返る。

やっぱり、人形がくるくると回っている。

「言い忘れていたわ。」

「なにを、だ。」

堂々と前に出たのはHさん。

その隣に先輩。

さすが、警察コンビ。

雰囲気がすごい。

「この屋敷内は、自由に歩き回ってもらって良いわ。庭も、よ。水は井戸から取ってちょうだい。あと、それぞれに部屋が用意してあるわ。解決までは、そこで過ごしてちょうだい。」

「キッチンは!?」

食いつき気味にそう聞いたのは、Gさん。

きっと、料理がしたくてたまんないんだろうな。

「ある、わよ。部屋は一階、そして二階にあるわ。行ってみたら、誰がどの部屋かはすぐにわかるわ。」

そう言うと、オルゴールは回る速度をどんどんと緩めていく。

ああ、なにも聞けない!!

「待て!」

空気が震えた。

そんな大きな声を出したのは、いなりくん。

ビリビリっと振動がして、テーブルの上の皿がカチャ、と小さく音を立てる。

その剣幕に、誰もなにも言えなかった。

「名前は?」

「・・・純情じゅんじょう、よ。」



27話目!

ここまで読んでくれている人、感謝すぎます( ; ; )

お礼は言っても行っても足りないくらいです!

今回はルール説明回となりましたね・・・。

なんと、名前は『純情』。

『あれ、パルフェーンじゃないの?』

となったあなた!

大正解です!

ちゃんと読んでる証拠なので、これからもお願いします(((圧

面白い、と思っていただけたら、ブクマ・評価・感想ドシドシお願いします!

ブクマ2件・評価感謝です!

次話もよければお読みください!

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