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悪魔!

一年、二年合同の体育があることを知った桜。


やることはバスケ。


だが、いざやるとチームメイトは不動で・・・・!?

「おはよう!」

朝、学校へ行くなり迷が飛びついてた。

「お、おはよ・・・!あれ、なんかいい匂いしない?」

迷の体から、レモンのような匂いがする。

「あ、そうなの!気づいた?シャンプー変えたの!」

迷は嬉しそうな表情をする。

・・・いい匂いだし、私も欲しいかも。

「今日の5時間目ってなんだっけ?」

「2年と合同体育。」

・・・げっっっっ!!!!

先輩がいるってことじゃん!!

ヤダヤダ!!

「・・・何するの?体育って。」

「そりゃもう、男女混合のバスケですよ!」

目に段々と♡マークが見えてきた気がする・・・。

「バスケて。そりゃまたなんで?合同なんて、ほとんどないのに・・・。」

「転校生祝いだってさ!天羽先輩!」

なんだそりゃ・・・・。

「ま、とにかく5人で2年1年ごちゃ混ぜでやるのね。」

チームはくじ引き。

・・・ま、当たらないでしょ。

そう思ったけど・・・。

人数が少ないから不安は一ミリも消えていない!

「数学の準備しなきゃ・・・。」

♡のついた迷を引き剥がして教科書を取り出す。

・・・どうか宵様!!一生に一度のお願いです!!先輩とは別チームにしてください!

___________________________________________________

「よし!!!!」

昼休みの間に、黒板にチーム分けの紙が貼られていた。

私のチームは、私・男子・男子・2年女子・2年女子だった!!

「あ〜〜!先輩と別れちゃった・・・。桜、なんで嬉しそうなの?」

相当肩を落とす迷。

見事に、迷は先輩とチームが離れていた。

対戦すらしない感じだ。

「・・・どんまい。」

先輩は・・・。

女子・女子・男子・先輩・2年女子。

「わぁ、ハーレム状態。」

隣から、チームメイトの男子の声が聞こえてくる。

「・・・文句でも?」

「桜、そんな顔するなよ!!怖いって!!」

・・・そんなおびえんなよ、膝蹴り行くぞ。

そう感じた。



それから、私たちは着替えて体育館へ向かう。

私のチームはDチーム。先輩は、Gチーム。

一番最後に、私と先輩は戦うこととなる。

そして、完全に忘れていた・・・。

私は、ボールを使う体育の授業だと必ず、顔にボールが当たるのだ。

宵様!!一生に一度のお願いです!!ボールの呪いを解除してください!!

と、私は二回目の一生に一度の願いをしたのだった。


「Aチーム、Bチームは1コートへ!」

先生の声が飛び交う。

「Cチーム、Dチームは2コートへ!」

あ・・・!迷のチームと対戦だ。

「迷〜〜!負けないよ〜〜!」

「え〜負けそうで怖いな〜。」

項垂れる迷。

先輩とチームが違うと知ってからというもの、様子がとってもおかしい。

「・・・体調悪いなら保健室行ったら?」

「無理!見れなくなっちゃう!」

・・・素直だな。

でも、幼稚園来の幼馴染でも、手加減はしないぞ!!

影や、マツリと戦った実力見せてやる!!



「負けた〜〜!!」

負けてしまった・・・。

あれだけ強気でいたのがお恥ずかしい・・・。

泣きそうになりながら、俯く。

「大丈夫だって!私のチームが強かったの!」

と、満面の笑みで励ましてくれる迷。

私のチームの2年女子は、先輩に釘付けで全く動かない!!不動!!

男子二人はボールから避ける!!


何してんねん!!

そう、私は言いかけた。

___________________________________________________

「Bチーム、Cチームは2コート!Dチーム、Gチームは1コート!Aは休み!」

とてつもない負け試合から十数分。

いよいよ、先輩との正面対決だ・・・。

わ・・・。

2年女子の顔が真っ赤っかだよ。

先輩のチームの女子はもう嬉しさで昇天している見たい・・・。

「気をつけ、礼。」

いつもの何百倍もぶっきらぼうな声で先輩はそう言った。

さては、リーダーを任されたな?

2年女子がうちは引き受けてくれたけど・・・。

先輩、目立つの嫌いなのに・・・。

そして、礼をしてそれぞれバラバラにコートに散る。

先行は、先輩たちチームだ。

そして、私たちはボールを取る。

・・・運動神経いいからな、先輩。

運のいいことに、ボールの呪いはまだきていない!!

「やれる、やれるぞ・・。やれます・・・・。」

そうボソボソと呟いていると、

「佐倉さん?どうかした?体調でも悪いの?」

気づくと横に先輩。

「・・・悪くありません。」

「だったら、何言ってたの?」

やけに怖い笑顔で尋ねてくる。

敬語が気持ち悪すぎる・・・・。

何も知らない私だったら喜びの舞をしていたことだろうけど、『知っている』私だから・・・。

「だから、なんでもありません!先輩!先行ですよ!」

周りの女子の目が怖いことになってきた。

さっさと引き上げてもらわなきゃ・・・!

でも、なかなかこの人離れてくれない!

なので、私は自らそそくさとコートの角っちょに向かった。

すると、先輩は急に

『勝ったな。』

という、相手を挑発している時によくする顔をしてきた!!

・・・待って。

先輩の右にいた私。

そして、私の後ろには、チームメイト!!

心を読まれた最悪だ!

即座に先輩は、ボールをパスする。

パスの先には、私のクラスメイト。

無駄に背が高くて運動神経がいいから・・・。

そう思っていた時にはすでに、ゴールの網が揺れ、ボールが床に落ちる音が体育館に響いた。

・・・一点取られた!!

相変わらず、不動のチームメイト。

「先輩♡すごいですね♡」

「いつか、バスケを教えてください!」

そしてすり寄る女子たち。

・・・本当の先輩は怖いぞ〜〜。

そう思っていたけど。

先輩に素直にすり寄れていくあの子達がなんだか

・・・羨ましい。

いやいや、なんでそんなことを・・・。

先輩は見飽きるほど見たはずなのに・・・。

「Gチーム1点!」

射撃部の部長さんが言う。

・・・やっぱメロメロだな。

『羨ましい』と、『羨ましくない!そんな分けない!』と言う自分が争っている。

ずっと、ずっと考えていると私もいつの間にか棒立ちになってきている気がする。

試合途中で、3分の休憩が始まった。

「勝つ!!!!!」

自分を奮い立たせるために言ったつもりが思ったより大きい声になってしまった。

休憩のチームも、隣のコートのチームもGチームもチームメイトもこっちを振り向いた。

どうしようもない恥ずかしさが襲ってくる。

・・・小さく言ったつもりなのに!!

「桜、ちゃんだっけ?」

チームメイトの先輩が近づいてくる。

「すみません!!小さな声で言ったつもりなんです!」

全力で、頭を下げる。

恥ずかしさと羨ましさのせいで、頭がすごく重い。

だから、頭を振り下げたせいで頭がすっこ抜けたような気もする。

「いやさ、そうじゃなくて・・・。」

その声で、私は顔をあげる。

「桜ちゃんのおかげで思い出した。これ、授業だ。」

そう言って、ケラケラと笑う先輩。

「真面目にやってなくてごめんっ!評価下げられなくてよかったわ〜〜!」

と、先輩は言う。

・・・何も、いいことしていないのに。

優越感にヒタヒタと、足が使っていくような感触がする。

「・・・あの先輩は?」

「あいつはしのぶ。」

「忍先輩、ですか?」

「うん。あ、男だよ。髪の毛伸ばしてるんだってさ。」

・・・てっきり、女子だと思っていた。

すると、休憩終了を知らせるタイマーがなった。

「試合開始!」

今、5対0。

先輩たちから、5点を取る。

それだけでも、すごいと思うけど。

・・・なんだったら。6点。

追い抜かしてやる!!


「よし!やってやる!」

目から炎が燃え出している『可奈かな』先輩。

真面目にやってくれるのはありがたいんだけど・・・。

なんか逆に怖いな。

すると、可奈先輩は勢いよく先輩の横を突っ切る。

その勢いに、誰も近づけない。

なんとか、蓮華先輩がボールを取ろうとするけど、可奈先輩はフェイントをかける。

「・・・可奈、バレー部。」

気づくと隣に、忍先輩がいた。

「だから、あんなに運動神経が・・・。」

「負けず嫌いだからね。」

淡々と説明する忍先輩。

長い前髪をかきあげてそれをヘアピンで止める。

「そろそろ僕もやろっかな・・・?」

「Cチーム、一点!」

その声に、拍手が巻き起こる。

隣のコートはもう試合は終わっていた。

ボールを避けていた男子も、先輩たちを見て真剣にやろうとしている。

「・・・負けません。」

今度は、しっかりと小さく呟く。

のらりくらりとしている先輩。



「Cチーム一点!」

「Cチーム一点!」

「Cチーム三点!」


一度。一度だけだけど、忍先輩が三ポイントシュートを決めた。

私も、点を決めることができた。

忍先輩、なんとバスケチームらしい。

全国大会に出ているほどの強者。

途中まで蓮華先輩のことを見ていたのは、相手リーダーの戦法を学習するため。

・・・強者の、戦い方。

すると。


バシッ


可奈先輩のパスボールが、カットされてしまう。

「わっ最悪!」

苦いものを食べたかのような表情をする。

「大丈夫・・・。巻き返せればね。」

励ましているけど、忍先輩は厳しい表情を緩めない。


「Gチーム2点!」

「Cチーム1点!」

「Gチーム1点!」


ダンクシュートを蓮華先輩に決められてしまった・・・。

なんとか、かじりつくけど。

相手も手抜きでやっている訳じゃない。


「桜!」

声の方を向くと、ボールが飛んできていた。

・・・ボールの呪い。

忘れかけていたのに・・・!

けど、私は落ち着いて冷静に受け取る。

こうやっていれば、きっと当たらない・・・はず。

誰にパスしようかな〜〜。

と思っていたら、まさかの守りの人がいない。

慌てて、私はゴール下に動く。

・・・世界の末端のように!

足をしっかりと動かして、ジャンプする。

海の中の重力のなさ。

あのように、ゴールまでボールを届けたい!!


スコン



私の手が、ゴールの枠に触れる。

小さな音を立てながら、ボールは網をくぐった。

「C組、2点!」

その声の瞬間、可奈先輩が抱きついてきた。

「わ・・・・なんで、すか?」

「桜ちゃんっ!すごいよっ!」

可奈先輩は満面の笑みを見せる。

忍先輩も、わずかにだけど微笑んでいる。

「あ、ありがとうございます・・・。」

「あと、1分。1点は取ろう。」

「はい!」

そして、ボールは先輩の元へと渡る。


ピッ


先生の笛の音と共に、蓮華先輩はパスをする。

そして、パスされた人はしっかりと受け取ると、高くボールを投げた。

その落下点には、背の高いクラスメイト。

すると。

こっちを向いて急にボールを投げてきた!?

「え!?」

投げた子も、びっくりした顔をする。

・・・呪い!

真っ先に、その言葉が思い浮かんだ。

どうしよ、避けられない!!

思わず、目をつぶってしまう。

バスケのボールって・・・かなり、重いんだよね。


バシっ


目の前からボールを持つ音が聞こえた。

「・・・先輩!?」

見ると、蓮華先輩がいつの間にかキャッチしていた。

「危なかったですね。」

あの、気持ち悪い敬語で言ってくれる。

・・・でも。

「ありがとう・・・ございます。」

守ってくれた。

女子たちが私を見て、何かコソコソと言っているのが横目で見える。

でも、今ばっかしは話してもいいよね。

さっきみたいに、私は逃げない!

「・・・うん。」

先輩は、ニッと笑う。

・・・ありがとう。

その言葉で、いっぱいだった。

そして、先輩は片手でボールを投げる。

驚くほど綺麗にゴールが決まる。

「俺の勝ちな。」

いつもよりちょっと子供っぽくなっている先輩。

そして、タイマーが試合の終わりを告げた。

「桜ちゃん!羨ましいよ〜〜。」

放課後の玄関、可奈先輩がむうっとほっぺを膨らましながら言った。

「何が、ですか?」

「蓮華くんに守ってもらえるなんてほんと羨ましい!」

「・・・そう、ですか?」

すると、急に後ろから迷が飛びついてきた。

「そうだよ羨ましいよっ!」

「あ、迷・・・。」

可奈先輩は、忍先輩を見つけて手を振って去っていった。

「一緒、帰る?桜!」

「もちろんだよっ!」

と、逆に飛びつかせてもらう。



「今日のバスケ、楽しかったね。」

「先輩に守ってもらって羨ましいよっ!うらみっ!」

「恨まないでよ・・・。」

と、私は言う。

思った以上に、声が出なかった。

『まぁ、迷も進展あると思う!』

と言おうとしたところで、隣に迷がいないのに気がついた。

「・・・迷?」

「眠ってください!桜!」

「迷!?」

迷は、私にスプレー缶のようなのを向けていた。


プシュウウウウゥゥ


不気味な音を立てながら、白いモヤが出てくる。

そして、とてつもなく眠くなってきた。

・・・この、迷の声。

末端から戻って、眠った時に聞いた声だ。

・・・なんで?

虚しさ、悲しさ、悔しさで涙が滲んでくる。

下はコンクリート。

ああ、頭ぶつけたら死んじゃうな・・・。

眠くて、目を開くことすらできない。


カクン


誰かが、私の背中を支えてくれた。

・・・死は、免れた?

でも、迷にこれから何をされるのかわからない。

・・・どうして?

その疑問しか、頭に浮かばなかった。

___________________________________________________

「・・・どういうつもり?水凪迷さん。」

桜の体を支えたのは、蓮華だった。

迷は、変わらずスプレー缶を握っている。

その缶には、赤い文字で

『眠り毒』

と書かれていた。

「見た通りですよ。幽霊警察。」

いつものポヤポヤした声とはうって変わって、低い、悪に包まれた声が発せられた。

背中から、真っ黒な翼が生えている。

「どうする、つもりだ?」

蓮華がそう言って、顔を上げた時にはすでにスプレー缶が目の前にあった。

「っっ・・・・!?」

蓮華は、なんとか直撃を免れた。

それでも、眠気は変わらない。

どんどんと追いかけてくる迷から、蓮華は避けられない。


プシュウウウ


蓮華は、目を瞑ったまま言った。

「なんなん、だよ・・・。」

「悪魔、です。」

迷がそう言った時にはもう、蓮華の意識はなかった。

迷は、冷酷な視線を、蓮華と桜に向けた。

そして雑に、大きな白い袋に二人を詰め込んだ。

どうでしたか!?


迷の正体、気になりますよね・・・!


バスケには詳しくないですが・・・頑張って書きました∩^ω^∩


ここまで読んでくれてありがとうございました!

ほんとのほんとに感謝です!

励みです!

面白い、と思っていただけたらブクマ・評価・感想お願いします!

次話も良ければ、お読みください!

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