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苺大福と少年

大きな陶器の魚の急所は口と判明。


果たして、三人は倒せるのか・・・。


そして、桜が見てしまったものとは?

「真正面から行っても食われるだけだもんな。」

「じゃあどう行ったらいいんだよ!ウルフ!」

いなりくんは顔を顰める。

「でも、口は正面ですよね・・・。」

後ろから行ったら、バレないけど・・・。

「桜!両方から挟むぞ!」

いなりくんが魚の背後に回り込みながら言う。

「わかった!」

私は魚の正面に移動し、撃ちまくる。

すると。

魚は大口を開け、私に突っ込んできた。

「なんで!?」

「桜っよけろ!」

いなりくんの声が飛んでくる。

私は、回復のできない『人間』・・・。

足が硬直して動かない・・・!

「あ・・・。」

その牙には、絶望した私の顔が映っていた。

飲まれる!!

思わず、目を瞑ってしまう。

すると


ガッ



何かと何かがぶつかり合う音がした。

でも、痛みを感じない。

恐る恐る目を開けると・・・。

魚の口の中に、ウルフさんが飛び込んでいた。

「ウルフさん!?」

魚は、『これではない』と言うかのようにウルフさんを放り投げる。


ドサッ


ウルフさんが地面へと落ちる音がする。

「す、すみません!」

「俺はどうせ回復する!」

パーカーには牙に貫かれた位置に、穴が空いている。

・・・傷つけちゃった。

厄介な敵。

「ウルフ!ナイス!」

いなりくんは親指を立ててグッドサインを出す。

「お前はとにかく集中しろいなり!」

ウルフさんは噛まれた右腕を押さえている。

灰色に、赤色が滲んでくる。

「とにかく!桜は前も後ろもダメ!」

「なんで!?」

「きっと・・・・尾鰭でやられる!」

いなりくんは後ろを振り返る。

魚はそのたくましい尾鰭をゆらりゆらりと揺らしている。

「桜!」

気づくと隣にいなりくんがいた。

「何!?」

すると急に私を肩に担ぎ上げた。

「いなりくん!?なんのつもり!?」

バタバタと暴れるが、全く腕を緩める気配はない。

なになになに!?

パニック状態だ。

「行ってこおおおおい!!」

その言葉と共に、いなりくんは私を魚に向かって投げた。

・・・投げた!?

「待っってええええ!?!?」

心の準備なんてできてないよ!!

魚は、

『ラッキー』

と言うかのように大口を開ける。

「待って待って食べられちゃうう!!」

「ま、食べられはしないよ。」

何が、『食べられはしない』だよ!!

でも、さっきみたいに怖くはない。

きっと、いなりくんは考えがあって・・・。


ガブリ


「痛い痛い痛い!」

考えはないのかよ!!

魚の牙で軽く噛まれる。

軽いけど・・・かなり痛い!!

考えはないの!?死ぬよ!?

暗くて、狭くて湿っている口の中は・・・かなり居心地が悪い!!

早く・・・抜け出したい!

魚は、口をもう一度開く。

すると、

「やっと口を開いてくれたね。」

外からそんな声が聞こえてきた。


ズサっ


魚の口の中に、銀色の刃が飛び込んでくる。

いなりくんの剣だ!

斬撃が走って魚はみるみるうちにバラバラになる。

口の中から解放される私。

「いなりくん!?」

「ほら!できたでしょ?」

得意げに言ういなりくん。

・・・怖かったけど、なんだか怒りが込み上げてきたぞ。

私は、いなりくんの両肩を掴んでぐるぐると回しまくる。

「ねぇ!?どう言うつもりなの??こっちは辛かったんですけど!!」

「いや、助かったからよかった・・・」

「囮にされた方の気持ちも考えろいなり。」

そう言って、大きなため息をつくウルフさん。

いなりくんの目がすっかり回ってしまった頃。

一つの大きな破片が消えずに、残っている。

「なんで残ってるの・・??」

「普通、砂のように水に溶けていったよな・・・。」

「うぅ、目が回った・・・気持ち悪い。」

恐る恐る、ウルフさんは破片に近づいていく。

「・・・出口。」

「何が、ですか!?」

私の聞き間違いでなければ、『出口』と聞こえた。

人一人分ぐらいある大きさの破片。

その中央部分は、明るく光っていた。

まるで、中に続いていそうに。

「なんで隠されていたんだ・・・?今度蓮華に報告だな。」

「ウルフさんは言わないんですか?」

「俺一応ハッカー。犯罪者。無理無理。」

と、首を振るウルフさん。

「じゃ、入る?」

いつの間にか気持ち悪さから解放されていたいなりくん。

「・・・入らないわけ、ないでしょ!」

そう言って、私は光のなかへ足を一歩踏み出す。

その瞬間、意識が遠く飛ばされるような感覚がした。

・・・なんで、私はこんなことしてるんだろ。

ふとそんなことを思った。

私の意識が、私の体の中にない。

直感的にそう感じた。

後ろを振り向けない。

けど、いなりくんとウルフさんが足を踏み入れた気配がした。

___________________________________________________

「見つけたよ♪」

「っ・・・!」

明治後期。

とある路地裏にて、イチゴ大福の袋を持った少年が尻餅をついていた。

寒いのに、あちこちから汗をかいている少年。

そして、その少年に近づいていくのは16歳くらいの青年。

「ねぇ・・・どうして?」

その青年の右手には・・・包丁。

茶色く錆びついた刃が気味悪く光っている。

「な、なんだよっ!」

少年はなんとか逃げようとするも、立ち上がれない。

尻餅をついたまま、じりじりと後ろへ下がっていくうちに背中が壁に当たった。

「くっっ・・・。」

一気に汗の量が増えた。

ゆっくりと近づいてくる包丁から、少年は逃げることができなかった・・・。


享年12歳。1月7日、四葉日和よつばひより

稲荷神社に恨みを持っている殺し屋に刺殺される。

___________________________________________________

「!?!?!?!」

私は声にならない声を上げた。

目を覚ますと、そこはアジト。

ウルフさんはいつも通りにパソコンをいじっていた。

ソファーに横たわっている、と気づくまで時間がかかってしまった。

「あ、起きたあ?桜!」

上からずいっと顔を近づけてくるいなりくん。

・・・さっき見たのって。

逃げようとしていた少年は、いなりくんだった。

痩せていない。

あと、四葉日和って・・・。

きっと。きっと、本名なのかな。

「い、いなりくんって・・・。」

「ん?」

「・・・なんでもない。」

今言うべきではない。

いなりくんの口から『過去』を聞かないと、確証は得られない。

そして・・・。

いなりくんを殺した相手。

すっごく不気味な顔だった。

目が・・・真っ黒。

闇に包まれている感じ。

「ふぅん。」

今思うだけでも、背筋がブルっと震える。

あの表情・・・見たことがない。

いなりくんが私をここまでして守ってくれる理由。

それはきっと。

・・・殺される恐怖を知っているから。

そう思った瞬間、どっと疲れが噴き出てきた。

眠い。とにかく・・・眠い。

睡魔に襲われる・・・。

眠りたくないな・・。

「桜!?」

「疲れすぎたんだろ。」

そうだよ・・・。

体力的にも、精神的にも疲れたよ・・・。

目を開けようとするけど、閉じてしまう。

「おやすみ・・・。後で起こして・・・。」

「・・・おやすみ。」

意識が途切れる瞬間、いなりくんの声が聞こえた。

___________________________________________________

「・・・バレちゃったかな?」

「だろうな。」

いなりは、そっと眠ってしまった桜の頭を撫でる。

その顔はどこか寂しげだ。

「桜には言っていたのか?出口のこと。」

「・・・言うわけないじゃん。」

「ま、お前の過去がしれてしまってもしょうがないな。」

「ウルフは知ってんでしょ?」

「ああ。天界へ行く時も見えた。」

「・・・道中では過去が見えるのだけは時雨に直してもらわないと。」

いなりは、小さな声でそう言った。

桜が見た過去は間違いなく、いなりの過去だったのだ・・・。

___________________________________________________



「眠ってください!桜!」



そんな声が、桜には聞こえた気がした・・・。

___________________________________________________

毎日投稿できませんでした・・・。

でも、2日に1度はできるようにしていくんで!


今回、どうでしたか????

海中編はこれにておしまいです!

いなりの過去に深く触れる編になりましたね・・・!

書いてて、私もゾクゾクしました・・・。


ここまで読んでくれる人、とっても感謝すぎます!!

エピソード別PV見るのが毎日の楽しみです!

ブックマーク・評価ありがとうございます!!

超超励みになっています!!

ブクマ100・毎日PV200越え目指しています!

よければブクマしていってください!

次話、人形屋敷編始まります!

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