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使いの『好き』守護霊の『好き』

⚠︎血の表現があります。苦手な方はブラウザバック!!次話の前書きにこの回のことを書いておきます〜〜

「ウルフはとりあえず避けて!」

「はいはい。」

陶器の魚たちが一斉に私たちに襲いかかってくる。

いなりくんは迷いなく剣を振り、次々と魚の頭を切り落としていく。

「3枚下ろしっ!」

「ちゃんと集中しろいなり!」

私も、銃を構えて応戦した。

この弾の軌道にも、少しは慣れてきた気がする。

「数は多いけど・・・所詮は魚だね。」

いなりくんは、冷静に魚に立ち向かう。

ウルフさんは私たちの後ろへ下がる。

「桜!渦の外側の魚は任せた!」

そう言って、いなりくんは渦の中に飛び込んで行く。

「え!わ、わかった!」

多分、聞こえてはいない。

魚たちを一匹でも後ろへ行かせたら・・・ウルフさんが終わる。

「通らせない・・・!」

私は、前からその牙を光らせながら向かってくる魚に銃を撃った。

___________________________________________________

「多っっ・・!」

いなりは波に揉まれながら、そう言った。

渦の中には、想像以上の数の魚がいた。

剣を振り回し、魚に攻撃していく。

無闇に振り回しているようで・・・

その一撃一撃が、確実に急所を捉えていた。

しかし、キリがない。


剣を振るうちに、こっちが時間切れだよ・・・!


と、いなりは思った。

ここが地上、または裏世界なら話は別だ。

しかし、足場は不安定。見通しも悪い。

どの方向から襲いかかってくるかわからない敵。

環境、敵、コンディション。

どれをとっても『最悪・最低』としか言葉が出てこない。

すると、尻尾に切り裂かれるような痛みが走った。

「っっっ・・・・!」

一瞬、目の前が真っ暗になる。

尻尾の半分が噛み裂かれ、赤い血が水の中を広がっていく。

あたりに血の匂いが蔓延し、吐き気を催している。

刀を握る手に力が入らない。

けど。

「・・・終われない。」

そう呟くと、再び氷の術を展開させた。

ピシピシっと魚は氷で包まれ、動きが鈍くなる。

大きな魚は暴れ、氷を割ろうとしている。

いなりは、大きな魚を中心にどんどんと魚に攻撃をした。


バリン、バリン


陶器が割れる音がして、魚は消滅。

凍らされた魚のほとんどは、倒されていった。

一瞬、大量の氷の破片と陶器の破片が流れていく。

が、すぐにどちらとも消えていく。

そして、尻尾の先が感覚を取り戻していっている。

幽霊はしばらくすると、回復ができる。

しかし、大きな傷ほど時間がかかる。

さっきのような傷を負わされ、さらに襲い掛かられたらOUTだ。

いなりは後ろから襲いかかってくる魚を一太刀。

いなりは再び前をむく。

魚は渦の中からはほとんど消えていた。

渦から脱出した魚、いなりに倒された魚。

いなりは、ふと渦の外の世界が心配になってくる。


桜、やられていたりしないかな・・・?ウルフ、逃げられているかな?


桜に一人で戦わせた自分を一瞬後悔した。

しかし、外から死の気配はない。

「・・・信じる?」

自分で自分にそう問いかけた。

「信じる。」

そして、そう答えた。


いつか、『いつか』だけど桜に自分のことを教える時が来る。

その時、桜にどんな顔をされるか。

教えても桜は使いでいてくれるか。

そんな不安が頭をよぎる。

せっかく、初めて仲間ができたのに。

・・・だからこそ、自分がしっかりとしなければいけない。

いなりはそう感じた。

するとその時。

渦の周りを影が包んだ。

もとから暗い海の底だったのに、さらに暗く。

薄くなっていた魚の気配が、さらに濃くなった。

この巨大な影を落とした犯人はきっと・・・大きな陶器の魚。

そう見抜いた。

「なんで・・・・まだくる・・・・?」

いなりは、もがいて渦の外へと出ていった。

___________________________________________________

「よし!」

危ないっ!

一匹うっかり逃しかけちゃった!

「たくっちゃんと守ってよ・・・?」

「うるさいです!はっきり言って!」

ウルフさんはずっとこんな感じ。

こっちが命かけて守ってるのに・・・!

初めて、ウルフさんに自分の意見を言うことができたのかもしれない。

そんな会話をする暇もない。

魚の群れを倒したら、また一群れ現れる。

「もう!キリがない・・・!」

裏世界とは違う戦い方に私は最初、だいぶ苦戦した。

ここは『海』。

魚たちはスイスイ泳げる。

それに対して、水泳は苦手な私。

足は浮くわ、ふりむくときの水圧がすごかったり・・・。

でも。

私とウルフさんは運のいいことに無傷。

そして、この環境でも私たちに有利なことがある。

この魚は、どうやら上に泳ぐことは苦手みたい。

だから、上に少し上がって上から撃つ。

上に上がってきたら、今度は潜る。

それを繰り返したら、かなりの数削れる。

・・・体力の減りは半端ないけどね。

すると。

私に襲い掛かろうとしていた魚が割れ始めた

「!?ウルフさん、見ました!?」

「ああ。」

ウルフさんも、驚きの表情。

「桜!!」

前を見ると、いなりくんが渦から抜け出してきていた。

「いなりくん!?どしたの、その尻尾!」

「あ〜〜ちょっとやられちゃって・・・。」

「『ちょっと』じゃないでしょ!」

「でさ、桜はちゃんと魚と戦うことができた?」

・・・なんか話ずらされてる!

「う、うん・・・。こっちは心配してるんだけど??」

「よかった、信じて・・・。」

いなりくんの言葉の最後の方はほとんど聞き取れなかった。

「あの影は、何・・・?」

「魚だと俺は思う。」

「あんなに大きい・・・・?」

すると、その影はどんどんと濃ゆくなってきた。

「近づい、ている・・・?」

いなりくんがそう言った。

そして、ついにその全貌が見えてきた。

大きな白い体。

その場を沈黙が流れる。

そして、その魚は潜ってくる。

それだけで、大きな水圧が襲ってくる。

「なんでこんなのが・・・!」

いなりくんは、剣を構える。

その額には汗が流れていた。

「・・・倒さなきゃ、元の世界には戻れない!!」

「そうだね。桜、戦おう。」

切りかかるいなりくん。

ウルフさんはじっと腕を組んで、何かを考えている。

・・・守りながら、戦おう!


ドオオオオン


轟音が鳴り響き、いなりくんが魚の尾鰭に叩きつけられる。

「いなりくん!?」

「・・・無理しすぎたわ。」

いなりくんは腰をさすりながら起き上がる。

「一発勝負しに行ったら・・・すっごい避けられた。最悪だ。」

いなりくんは再び、剣を構える。

「・・・あんまり無茶しないでよ?」

「倒せるまでは無茶許せ!!」

・・・許せないよ。

私は、魚の背中を狙って数発撃つ。

でも、弾かれてしまう。

「・・・・異変影みたいじゃん!!」

「いや。異変影ほど効かない、というわけじゃなさそうだ。」

魚の近くまで再び寄っていたいなりくんは、こちらへ全力ダッシュで戻ってくる。

お腹部分に切れ込み。

「切れたの!?」

「背後から回ればどうにかなる・・・っぽい!」

「ぽい!?」

『ぽい』だったら・・・・確定じゃないから行きにくいよ!!

・・・背後行ってみる?

いなりくんが魚の前面を相手してくれているうちに、そそくさと背後へ回り込む。

本当に。本当に、回り込めた。

そして、だいぶ近くまで回り込む。


バン


尾鰭に一発。

銃弾は貫通して、消滅。

・・・これで、一発やれるのは確定した!!

すると、


ドン


車に跳ねられたかのように背中に何かが当たった。

「カッッッッ」

自分の声とは思えないほどの、苦しさに溢れた声が出た。

痛い・・・。

気づくと、十数メートル飛ばされていた。

背中が・・・痛い!!

そして、フライパンで焼かれているかのように背中が熱い!

「桜っ!」

いなりくんが魚そっちのけでこっちへ駆けつけてくる。

頭も打ったのか、ガンガンと耳鳴りがひどい。

・・・傷が残ったらどうしよう。お母さんにバレたらどうしよう。

言い訳なんて・・・・できないよ!

「怪我は!?」

「あ・・・る。」

背中なんて・・・・自分じゃ見れないよ!

よっこいせ、と私は立ち上がる。

「桜が無理すんなよ・・・!」

「いなりくんが無理しちゃダメだよ!!」

「・・・・桜は人間なんだよ!俺たちとは違う!」

「違いなんてしない!」

「違う!俺たちは回復ができる!逃げられる!人間は怪我をしたら治らないんだぞ!」

いなりくんは怒った声色で詰めてくる。

「やだよ!」

「何が!」

「色々と!」

「明確な理由がないならやめとけ!」

「そっちだってないでしょ!」

言い争いながら、魚の攻撃を避ける。

「なら、なんなの!」

「好きなんだよ!」

「・・・・は!?」

うっかり、魚の攻撃を避け損なうところだった。

「勘違いすんな!俺は、桜のことが好き!友達として、だ!」

いなりくんは顔を真っ赤にさせながら魚に切り掛かる。

さっきのハグといい・・・この狐はなんだ!!

頭の中がポゥっとして魚の攻撃に当たっちゃいそうだ。

・・・いや。勘違いするな自分!!

これは使い。使いとしてのことだ!

と、自分で自分に言い聞かせる。

「・・・いなりくん!」

「なんだよ!」

「ありがと!こっちだって好きだよ守護霊!」

その時、時間がゆっくり進んだかのような感覚になった。

すぐに、時間の流れは元に戻った。

「・・・さんきゅだよ!」

「戦お!」

「おけ!」

すると、視界の端で何かが動くのが見えた。

目をやると、それはウルフさんだった。

「・・・口の中。」

「は!?」

いなりくんが即座に反応して、魚の顔に目をやる。

「急所は口の中!」

ウルフさんが珍しく叫ぶ。

銃を構える手を下ろし、私も正面へ回ってみる。

「・・・どうして?ウルフさん。」

「最初、いなりが切り掛かった時・・・あいつ、口の中を隠した。」

「根拠は!?」

「ないけどやってみる価値あるだろ!何より、今まで口に近づかせないようにしていた!」

「急所は、守りますもんね。」

私はそう言って、口の方に銃を撃つ。

すると、その魚は口を後ろへまわして背中を向けた。

「・・・あたり、だな。」

ウルフさんは得意げな笑みを浮かべる。

「じゃ、俺たちが狙うのはそれだけってことか!」

いなりくんも似たような笑みを浮かべる。

「ビビってると思ったらちゃんと仕事してたんだ!」

「うるせえいなり!集中しろ!」

騒がしいが、空気は一旦落ち着いた気がする。

いなりくんはそんなことを言いながら大集中していた。

・・・口の中。

絶対に倒してやる!



毎日投稿20日目!

いかがでしたか!?

バトルシーンは書くの楽しいです〜♪

ここまで読んでくれて大感謝です!

ブクマ100・毎日PV200越え目指しています!

よければ、ブクマお願いします!

次話もお読みください♪

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