表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/32

カラクリで動く人形たちを救いたい!

強くて怖くて・・・・そして哀れ。


生きている限り、命を狙われてしまう存在。


救えるなら、救ってみたい!

「ワタアメ。アチカーニャ。うーん、何もわかんないっ!」

いなりくんはソファーに顔を埋める。

あのあと、いなりくんは先輩におぶわれて古民家へ戻ってきた。

私と先輩、そしてうるるさんが学校に行っている間はウルフさんが面倒を見てくれることになった。

丸一日間、いなりくんは目が覚めなかった。

ずっと、その体は小さく震えていたらしい。ウルフさんが言っていた。

・・・いなりくんは何もわからない、というけれど。

きっと何かを知っている。

そう感じていた。

さっきのいなりくんの悩み声に先輩は、

「心配していたが、目が覚めると厄介だな。」

耳を塞ぐそぶりをする。

「しょーがないじゃん。俺こういう性格なんだからさ。」

すっかり体調も戻って、そしてうるさくなったいなりくん。

先輩は、

『生きている程度に眠っていればよかった』

と言っていたけど、結局1番心配していたのは先輩だ。

ずーーっと、ソワソワしていた。

うるるさんも殺し屋の依頼を全て断っていたらしい。

でも、目が覚めてうるさくなった後は『依頼』と言ってどこかへ行っている。

でもうるるさん、今はライフル磨きに古民家にいる。

「・・・俺も調べている。でも、見つからないなーー!」

ウルフさんは今日もまた、謎のアルファベットを打ち込んでいる。

「ウルフ。珍しいね。あんたがここまで見つかんない、とか。」

「俺現場にいなかったからさ。聞いた情報でしかわからないから。」

見ていれば、すぐわかったのかな・・・。

いなりくんをオウタではなく、実力であそこまで追い込んだ相手。

「でも、あのチアカーヌ?だっけ。なんであたしの攻撃を避けなかったんだ?」

うるるさんは首を傾げる。

「アチカーニャでしょ。うるる。」

いなりくんは耳をぴょこぴょこと動かす。

「・・・そういうことか。」

「どういうことだ?」

ウルフさんの言葉に先輩が反応する。

「『避けなかった』ということは、避けないことに意味があるはず。」

「いや避けなかったら普通に自分側が不利になるだろ・・・。それくらい、わからない奴なんかはいないだろ。」

「『わからなかった』んだ。きっと。」

「俺には理解不能〜。わからないのは赤ん坊でしょ。まだなーんにも、学習していないんだから。」

それだ!とウルフさんは言って、すごいスピードでマウスを動かす。

「作られたんだ!アチカーニャは。だから、身に感じて学習する必要がある!」

モニターの画面が移り変わる。

「プログラミングがわかりやすいかな?」

画面には、可愛らしい棒人間のイラストと、『ゴール!』と書かれた赤い枠がある。

その横には、白い枠がある。

ウルフさんはマウスを数回クリックしてカーソルを白い枠に合わせる。

「ここに、『ゴールに向かって行ってください。』と書いてもゴールをしてはくれない。こいつ(AI)がゴールというものを理解していないから。」

実際に、そのまま動かしてみると棒人間は全く動かない。

「で、ここに『↑キーを押した場合、少し動くようにしてください』と書く。」

さっきの文を消して新しい文章を打ち込む。

すると、棒人間が動くようになった。

でも、動く方向はバラバラ。ゴールに行く前に画面外に出ちゃう。

「そしたら、動く方向を一つに決め、それ以外の方向には行かないようにしてください。」

すると、棒人間は右に動くようになった。でも、ゴールは真上。

「これを繰り返す。」

3回繰り返すと、棒人間は真上に動くようになり、ゴールすることができた。

「こんな感じで、『どうすればいいか』を身につけていかないといけない。」

ウルフさんはゲーミングチェアを回転させ、私たちの方を向く。

・・・後ろから見させてもらったけど、モニターを使って説明してくれないと絶対にわからないと思う。

先輩はわかりそうだけど、いなりくんは目を回している。

うるるさんは最初っから聞いていないみたいだ。

「アチカーニャは、プログラミングされているAIか?だが、普通の冥獣に見えたが。」

「AIじゃない。けど、『作られた冥獣』だから・・・。」

ウルフさんはさっきのプログラミングを消すと、新しいファイルを選択した。

そのファイルの名前は、『access』。

これは私にもわかる、『アクセス』だ。

アクセスだけだったら、使うけど・・・ウルフさんの場合、何にアクセスするのか考えるだけでもおそろし・・・。

予想通りに、ファイルを開くと怪しい見たことのないサイトに移った。

・・・だろうと思ったよ!

私は立ち上がって、先輩の横に並ぶ。

もっとよくみたい。

・・・よくよく考えるとこれも犯罪だけどね☆

ウルフさんは素早くログインした。

画面いっぱいに、怪しい草とか拳銃らしきものが並んでいる。

しかし、全部名前が

『鉄』や、『ハッピー』などなど・・・。

いや何がハッピーなんだよ!!

「ブラックサイトか・・・。まさか、買ったりしてないよな。」

蓮華先輩がウルフさんに問う。

「んなわけねーだろ。麻薬は警察に見つかりやすいし、こんなところでうるるの拳銃を買ったら届くかもわからない。あと無駄に高い。」

「じゃあどうやって入手しているんだ?」

「外国に飛んで、そこに売っている拳銃を改造した。それだけだ。」

「下手したら自爆だな。よく検査で引っかからないな。」

「色々と使うんだよ・・・。色々と。」

大人の事情(?)があるそうだ。

「アチカーニャ探しでなぜブラックサイトだ?アチカーニャは人間界に住んでいるわけじゃあるまいし。」

「ここを、こうする!」

ウルフさんはキーボードで急に何かを打ち込み始めた。

急に、画面が四分割になってそれぞれに謎の数値が浮かんでいる。

その四分割の中には、幽霊リストや幽霊警察の文字もところどころ見える。

「冥界の方でもお前はハッカーをやっているんだな。その力量があれば他の仕事もありそうだがな。」

ウルフさんの手が一瞬止まる。だけど、またすぐにすごい速さで動き始める。

「ハッカーが天職。それだけだ。」

四画面のうち、一つは急にアチカーニャのような化け物が出てきた。

「・・・ヒット!」

その化け物の画面を拡大する。

すると、冥界に住む動物。『冥獣めいじゅう』の画像がたくさん出てきた。

一応、こまるも冥獣だ。

・・・私はそれくらいしか知らないんだけどね。

「・・・なんだこれ。冥獣、とは違うようだな。」

蓮華先輩の言葉に、私は画面に目をやる

確かに。画面に映っている冥獣はどれも目の焦点があっていない。

こまるはもっと、はっきりとしたなんだろ。『正義の目!!』みたいな感じなのに。

というか、こまると比べたら他にもおかしいところがあった。

明らかに大きいし、とにかく不気味。

こまるは一つ目の狐だけど、不思議なことにすぐに慣れることができた。

だけど、とにかく不気味。一つ目のものもいるけど・・・絶対に分かり合えることはない。

そう断言できる。

「これはなんだ?ウルフ。」

ソファーの上をコロコロと転がっていたいなりくんも起き上がる。

「ほえ〜。俺も見たことないなぁ。」

「ブラックサイトでしか見られないからな。」

ピラミッドのように三角づくしのもの。

目がいっぱいある冥獣。

あっちこっちから手が生えた、ちょっぴり影と似たもの。

それぞれが不気味な見た目。

同じ見た目のものは不思議といない。

まさに、十人十色・・・いや、十匹十色。

「これがなんなんだ?」

亜冥獣あめいじゅう。不法に捕まり、好き勝手に改造されてしまった冥獣たち。改造後は、カラクリで動く人形って感じだな。」

ウルフさんは淡々と説明する。

「・・・初めて知ったな。」

「幽霊警察でも問題視されていると聞いたが・・・知らないのか。」

「上層部が処理をしている。俺たちまで仕事が回ってこない。けど、今ここにあるということは処理ができていない、ということだな。」

先輩は複雑そうな表情をする。

「亜冥獣って・・・何が違うんですか?」

「簡単に言うと、『強い・怖い・哀れ』っていう感じだな。」

「簡単にしすぎていないか?桜の質問だけど、一応あたしも一通り聞いてんだけど。」

気づくと、うるるさんはライフル磨きの手を止めてこちらを向いていた。

「・・・わからないか?」

「わからないよね!桜!」

「・・・はい。」

正直言って・・・強いと怖いはなんとかわかるけど、哀れは少し・・・。

改造されてしまって、『かわいそう』の哀れではなさそうな気がするんだよね。

「俺もわからない。」

「俺も〜!」

ウルフさんは軽くため息をつく。

「世間知らずだな。」

「・・・ねぇ桜、こいつ殴っていい?」

「ダメダメ!!」

いなりくんが冗談なのか本気なのかわからない顔をしているっ!

こういう時は大抵、本気だから止めないと!!

「狐。やめとけ。」

先輩もちょい怒っている顔をしているけど、いなりくんほどではなさそうだ。

「強いのは、もうこの間戦ってわかったな。特にいなり。」

いなりくんの目が一気に静かな目になる。

死の恐怖。

私が死ぬわけじゃないのに、本当に怖かった。

「で、怖い。これは見た目の問題。どの亜冥獣も、魅力?というか人の目を自分に向けさせる力がある。じっと見ていうちに、恐怖が襲ってくる。」

その間も、ウルフさんは亜冥獣リストをペラペラとめくる。

そのページ一通り見終えたら、次の番号をクリックする

「そして、次が世間知らずどもがわかっていなさそうなもの。『哀れ』。」

「佐倉さん、俺も殴っていいかな??」

「先輩までやめてください!」

「・・・あたしは何を見させられているのかな?夫婦漫才見にきたんじゃないんだけど。」

うるるさんが呆れ顔をする。

先輩は顔を赤くする。

・・・だよなぁ。

前、椿に彼氏発言されたことがあったんだけど、その時も顔が死ぬほど赤かったもんなぁ。

口調もなんか丁寧になってたし。

先輩は恋愛系が苦手、なのかなぁ。

・・・いや、自分!そんなこと考えるな!

あの美貌だぞ?告白経験がないわけない!!

「改造されて哀れ。それもあるが・・・。本当の哀れの意味は・・・」



説明を聞いたあと、アチカーニャを『倒す』より、『救いたい』と思った。


ウルフの話の続きは、また次話で☆


毎日投稿ですが、12時を回ってしまいました…!

でも、まだ起きてるのでセーフということで!笑


ここまで読んでくださりありがとうございます!

今回の話どうでしたか…?


「面白い!」「続き気になる!」と思っていただけたら、

ブックマーク・評価・感想などぜひお願いします✨


ブクマ本当に嬉しいです…!めちゃくちゃ励みになってます!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ