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投票の結果。

あの笛の音は、花火だ。

攻撃の名前は、きっと全て季節。

その季節を象徴するもので・・・攻撃される。

いや、そんなことより。

いなりくんを見ると、爆発攻撃でいなりくんの血が・・・花火のように散る。

「第3位は、」

ダラダララララ、とドラムの効果音が鳴る。

「理科の実験やってみよう!〜みんなで大学の実験〜。3年G組です!」

うるるさんいわく、一位じゃないとダメらしい。

学食無料券は一位だけ。

3位は逆に当たらなくてよかった・・・のかな?

これでランキング圏外だったらちょっと悲しいけどね。

続けて、第二位も別の出し物だった。

うるるさんの体がフルフル、と震えている。

・・・そうだよね、一番の友達が大学辞めるかもなんて。

迷が中学辞めたらほんと、ショックだよ。

「第一位は、」

効果音も心なしか大きく聞こえる。

「呪われた廃病院除霊!スーパーお化け屋敷というわけで・・・」

も、もしかして!?

「2年B組!!」

・・・え!?

「代表者の方、前にお願いします!」

「だだだだ、代表者ってだれぇぇ!!」

いなりくんがギャっと叫ぶ。

代表者になれる人は私・先輩・うるるさん・美咲さん

しかいない。

学園祭の準備『だけ』をしていた人は代表者にはなれない。

美咲さんはずーーっと後ろで照明とかやってくれてたんだ。

学園祭当日も出し物をやっていた人が、なれる。

「・・・私はやりません。」

「俺もやりたくはない。」

「俺やれる〜!」

「「無理!!」」

いなりくんの意見は秒で先輩とうるるさんが拒否した。

「・・・朱音?」

無理!!という声を聞いた岬さんが怪訝な目でうるるさんを見る。

「み、美咲行こう!」

「わ、私!?」

美咲さんは自分で自分のことを指差す。

「美咲さん、行きましょ!」

「俺も賛成です。」

美咲さんは迷いながらも台に立つ。

「おめでとうございます!景品は、学食20日間無料です!!」

美咲さんは晴れ晴れとした笑顔を見せる。

・・・一位!

その言葉が頭の中にうかんだ。

嬉しさが膨れ上がってくる。

・・・やった!やった!

学食無料は私たちには関係ないはずなのに、すごく嬉しい。

「・・・幽霊。」

蓮華先輩がボソリ、という。

「・・・何がですか?」

「あれだよあれ。」

蓮華先輩が『西青葉学園祭!』と書かれた旗が並んでいる場所を指差す。

よくよく見ると、そのうちの一本が倒れている。

・・・あんなに重そうなものが。

「なんで気付いたんですか?」

「音だ。佐倉さん、ぼーっとしてて気付いてなかったから。」

うっ・・・嬉しさで前が見えて無かったのバレてる!!

「狐も気づいてる。」

後ろを見ると、いなりくんも旗の方を見ている。

「美咲!クレープメンバーに伝えてきて!」

「朱音は??」

「桜と話したいことあるの!メンバーは教室にいる!」

美咲さんはオッケー!というとスキップで昇降口へ向かう。

「・・・校舎裏いこ。ここだと人が多い。」

うるるさんはよっこらせ、と立ち上がる。

私と先輩は頷き、4人で裏へ向かう。

「ね!だから言ったでしょ。先に解決したほうがいいって。」

「あれはあれ。これはこれ。」

うるるさんはいなりくんを軽く流す。

「・・・いい幽霊だったらいいのに。」

「守護霊とかだったらこんなところまで来るか?狐は狐だが。」

先輩はいなりくんをチラッと見る。

「・・・めんどくさいやつだろうとこれで一発だよ。」

よく見ていなかったから気づかなかったけど、うるるさんはライフルをすでに持っていた。

「持ち運んでいるんですね。」

「よくバレないな。」

先輩もいう。

「でかい荷物持ってるやつ少なくないからさ。全然みんな気にかけない。」

堂々とすることも時には大切だよ、とうるるさんは言う。

「・・・いる。」

その会話の中、いなりくんが小さな声で言った。

「・・・どこに?いなりくん。」

「裏世界!」

いなりくんはチャームをむしり取り、剣へと変化させる。

剣を地面へと突き刺す。

世界がぐるっと反転して辺りは暗く、真っ暗な学校へとなる。

もちろん、人の気配はない。

「今思ったが、神社の方の影は大丈夫なのか?」

蒼天雲そうてんうん神社の守護霊にやってもらってる。」

「核はそこにあるのに?」

「神社の霊力も核が狙うものの一つ。蒼天そうてんには感謝しないとね。」

その、蒼天雲神社の守護霊が蒼天、という人・・・幽霊なんだろう。

名前がみんな率直だなぁ。

「いなくねえか?」

うるるさんはカバーから素早くライフルを取り出す。

「・・・来る!」

蓮華先輩の服が、一気に幽霊警察の制服へと変化する。

その速さ、うるるさんと初めて出会った時と同じくらい。

警戒MAXってことだと思う。

左手にはすでにあの杖を握っている。

「コンニチワ。ヨクキヅキマシタ。」

闇の中から現れたのは、真っ黒な人。

・・・人?

私が今日着ていたお化けの着ぐるみが真っ黒になったみたいなものだ。

声はボイスチェンジャーを使っているのかすごく高い、ロボットみたいな声。

顔の部分にはモニターがついていて、顔が表示されている。

幼稚園児が描いたみたいな、ニコちゃんマーク。

目が開いたり閉じたり、にっこり笑ったり。

口も開閉している。

中の表情とリンクしている。

「・・・で?俺たちになんの用?」

いなりくんの瞳が輝き始める。

・・・シャボン玉の時とそっくり。

「ボクノモクテキハキミヲコロスコト。」

「・・・だれの命令だ?」

声の迫力が増す。

「メイレイ?アリマセン。ジブンノイシデス。」

モニターの表情がにっこり笑顔になる。

でも、それが逆に怖い。

「嘘だな。」

そう言うと、いなりくんは一気に切りかかった。

「イケ。」

その黒い着ぐるみから手がにゅっと突き出してくる。

その手には、黒と赤が入り混じり、花の模様がついたボールが乗っていた。

いなりくんは斬りかかるのをやめ、数歩後ろへ下がる。

すると、ボールが膨らみ始めた。

空気が入っていくかのように、膨らんで、止まって。膨らんで、止まって。を繰り返している。

そして、ボールが馬くらいの大きさになった時。

いきなり、膨らむのをボールはやめた。

中がモゴモゴと動いており、命がある様。

「アバレロ、アチカーニャ。」

すると、いきなりボールが破裂した。

バン!!

その轟音に、私は思わず耳を塞いでしまった。

「オオオオオオ!」

中から出てきたのは・・・ピエロ。

いや、ピエロというか。

ピエロの顔をした化け物。

白い肌。真っ黒な目に、赤い毛が所々に生えている。

そして、足首あたりに不気味な人形がついていて、ずりずり、と引きずっている。

1番不気味なのは、その人形の目。

なぜか吸い込まれそうな感じがする真っ黒な目。光が感じられない。

しかも、時々真っ赤に光る。

・・・人の血を映したように。

「アチカーニャ、スプリング。」

すると、そのピエロ・・・『アチカーニャ』についていた人形の一つがブチっと落ちた。

その人形の目から・・・ボールが出てきた。

アチカーニャが出てきたボールとにている。

それらは、高く打ち上げられると半分に割れて中から花びらが出てきた。

「・・・危ない!」

気づくと目の前に花びら。

私は慌てて避ける。その花びらは、地面に落ちると大爆発をおこした。

先輩の声がなかったら・・・直撃していた。

「先輩!ありがとうございます!」

「人形に気をつけて。目に何か不思議な呪い(まじない)がかけてある。」

今、花びらに気づけなかったのは目に吸い込まれていたから。

そう思った。

私も何かしなきゃ・・・!

カバンから銃を取り出そうとするけど・・・・手が震えて取り出せない。

・・・というか、私が撃っても。

そんな想像で頭がいっぱいになる。

「もらった!」

気づくとうるるさんがアチカーニャのすぐ横まで移動していた。

ダダダダっ

うるるさんはライフルを連射する。

弾がなくなると、すごいスピードで球を変える。

しかし、アチカーニャはそれもを上回るスピードで球を全て避ける。

「なんだあれ!」

いなりくんがそう言って人形の首を切る。

不気味な人形の頭がゴロンゴロン、ところがってボールを出すのをやめる。

「アチカーニャ、サマー。」

その不思議な声でアチカーニャに次の指示をする。

アチカーニャの体から、もう一体。人形が落ちる。

次は、口からボールが出てきた。

・・・でも。

さっきの『スプリング』という攻撃より、2倍ほど大きい。

「っ!」

いなりくんは避けれなかった。

ヒューーーー

笛・・・?みたいな音を立てるボール。

「いなりくん!」

「狐!」

「いなり!」

ドカァァァン

いなりくんの目の前で、そのボールは炸裂した。

・・・そうだ。

あの笛の音は、花火だ。

攻撃の名前は、きっと全て季節。

その季節を象徴するもので・・・攻撃される。

いや、そんなことより。

いなりくんを見ると、爆発攻撃でいなりくんの血が・・・花火のように散る。

「いなりくん!」

駆け寄ろうとした。

・・・死なないで!

「動くな!」

先輩がいつもの何倍も大きな声を出す。

「でも・・・!」

「狐は幽霊だ。あれくらいでは死なない!」

「あれを見ていたら私が・・・私が死んじゃいます!」

いなりくんは爆風で地面に叩きつけられる。

「カハッ・・」

苦しそうに口から息が漏れる。

本当に、死んじゃったりなんか・・・しない、よね?

そんなことも言えないくらいに、アチカーニャの攻撃は凄まじい。

近くに行ったら・・・・花火爆弾攻撃。

こんな花火は見たくなかったよ!!

私の願いは、いつもちょっと違う形で叶えられてしまう。

確かに、イケメンと花火を見てみたいとは思ったよ。

でも・・・先輩は、『恋愛』より『守ってもらう存在。友達』の方が強い。

それもそうだし、私の仲間を傷つける花火なんて・・・

「全っぜん綺麗じゃない!」

声に出てしまった。

「佐倉さん、落ち着いて。いなりはもう回復している。」

気づくと、いなりくんはすでに立ち上がって剣を構えていた。

でも、本当に苦しそう。

痛そうだし、苦しそうだし。

「桜!俺は大丈夫!」

・・・大丈夫じゃないよ。

「桜は・・・銃で援護はしない方がいい。」

「役に立てないよ!何にも!」

「いいんだ。・・・そうして。」

いなりくんはこっちを見てくれなかった。

・・・せっかく。せっかく仲良くなってきたのに。

なんだか、厚い壁ができちゃったように感じる。

大人しくするのが正解?怯まずに攻撃が正解?

もうわかんないよ!

「なぁ。アチカーニャ。」

うるるさんはまだ銃を連射している。

でも、やっぱりありえないほどのスピードで避けられている。

・・・なんで?普通だったら避けられないし、すでに倒せているはず。

「避けているな。」

うるるさんはそういう。

その人のモニターの表情がにっこりとした顔になる。

「ツクルノタイヘンダッタカラネ。アリガトウ。」

「褒めてないよ・・・・?だったら、これはどうかな?」

うるるさんは急に乱射をやめ、素早く銃口を自分の方へ向ける。

「オオオオオオ?」

アチカーニャが分かりやすく困惑している。

すると、銃口の反対側から銃弾が出てきた。

でも、スピードが遅い。

早いけど・・・銃口から出るやつと比べたら、簡単に避けられてしまう。

しかし、

「オオオオオ!」

なんと、アチカーニャに直撃。

さっきまで結界を作っていた先輩も驚いた表情になる。

「なんで避けない・・・?」

先輩の口から声が漏れる。

「フウン。バレマシタカ。ダッタラヨイ。」

モドレ、アチカーニャとその人は言う。

アチカーニャは体を丸めると、最初の、手のひらに収まるくらいのボールへ戻った。

いなりくんに首を切られた人形も消えている。

その人は、闇の中へ再び消えようとする。

「・・・待て!」

去り際、いなりくんが吠える。

「ナンデスカ?」

「・・・名前は?」

いなりくんは睨む。

「ワタアメ、トデモナノッテオキマショウ。ツギハコロス。」

そう言って、ワタアメは今度こそ闇の中へ消えていった。

「狐?」

先輩は、俯いているいなりくんを見る。

「・・・無理だ。」

消え入りそうな声を出した後、いなりくんは倒れてしまった。

「いなり!?」

「いなりくん!!」

「大丈夫・・・だ。」

手を触ってみると暖かいけど・・・震えているのが気になる。

『ワタアメ』と『アチカーニャ』。

・・・本当に、なんだろう。

いなりくんを殺そうとした人が、たくさん。

いなりくんは何をしてきたんだろう。そして、どうして幽霊になってしまったんだろう。

・・・今度こそ、聞いてみたい。

いなりくんの過去を・・・。





毎日投稿12日目!

結構頑張れている!

面白い、と思ってもらえたら評価・ブクマよろしくお願いします!

ここまで読んでくれてありがとうございます!

次話もお読みください!

ブクマ2件感謝すぎます・・・!

ブクマを見た時、家で叫んでしまいました・・・(笑)

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