私たちの学園祭!だけれどここでも争いが・・・。
学園祭が始まった。
ガヤガヤとお客さんの声が大きくなり、人の足も各方向へばらけていく。
無限に広そうな廊下に、無限にありそうな出し物。
・・・一位取れるのかな?
私たちは今からそれぞれの場所へ移動。
接客担当、蓮華先輩は
「なんで俺が接客・・・」
とぼやきながらも素直にクレープ屋さんへ向かった。
「桜。行くぞ。」
気づくと、うるるさんはズンズンと教室へ向かっている。
「あ、待ってください!ほらいなりくん行くよ!」
やるぞ〜!そして絶対に一位を取る!
向かうと、すでにお化け屋敷は列ができていた。
・・・急がなきゃ!
後ろのドアから入ってあのお化け着ぐるみを着る。
受付の法を除く。
「お化け屋敷、オープンします!」
うるるさんの声で1番前の女の子2人が動く。
「2人です。」
「では、1人あたり200円なので・・・400円頂戴します!」
いつもは絶対に見ない笑顔。
2人にうるるさんがルール説明をする。一応、コンセプトは廃病院。
ここは呪われているから、中を回りながら(私の案内で!)7枚のお札を見つける。
という話。
参加賞でちっちゃいお菓子、7枚見つけた人にはゲームソフトとかお菓子詰め合わせを用意している。
ありがち〜な設定だけど、かなり難しい。
札の場所が決まった時やってみたけれどかなり難しい。
そして怖い。
いよいよそして、2人が入ってくる・・・!
出番だ、やらなきゃ!
「え!!これが案内役のお化けちゃん??かわいー」
「ね!雰囲気がちょっと怖かったけど・・・・。7枚見つけていいもんもらお!」
私はシーツ内にセットされたウルフさんお手製、ボイスチェンジャーに口を近づける。
「君たちが呪いを解いてくれる人かな?一緒に病院を攻略しよう!」
用意された台本のセリフを読み上げる。
声は宇宙人みたいな・・・なんていうんだろ。
ぺけぺけ!ぺけ!
みたいな声になっている。
「声かわい!!」
・・・喜んでくれてよかった。
「まずは、病室をみてみよう!お札を探してみて!」
実はすでにこの2人、1枚お札を見逃している。
入り口に入ってから、病室の入り口まである廊下。
その廊下にかけられている絵の中に、お札が入っていた。
・・・しめしめ、やったぜ。
そして、前を見ると2人はベッドの下や、棚を探していた。
「え〜ー意外とないねぇ。」
「ここにありそうなんだけど・・・。」
1人の子が首を傾げて、掛け布団をめくろうとする。
・・・そろそろかな?
ガタガタっ
そのベットが大きく揺れて、中から理科室から借りていた人体模型が顔を出す。
「キャアアっ!」
ベッドを開けた子が悲鳴をあげて大きく飛び退いた。
「どうした??」
「揺れたの!!びっくりした〜。」
もう1人の子が布団をめくる。
そこには、『印』と書かれたお札。
「あったよ!!」
「ビビってめくれなかった・・・。ありがとう!」
2人は大きく喜ぶ。
そこで、探索を終えるタイマーがピピピ、となる。
「あーー終わっちゃったーー。」
「この部屋はここで終わりだね!次の部屋へ向かおう!」
次の部屋は、診察室。
その部屋には札が2枚ある。
・・・見つけられるかな?
ちなみに、この部屋には札はない。
一部屋クリアされちゃった・・・。
「ここは診察室!お薬の棚とかもあるからよーく探してね!」
「うわーー探すはば増えちゃったよ〜。」
「1分30秒で見つかる??」
教室内だけしか使えない。狭いよ。どうする?」
という話が出た。
それで、解決策を考えたら・・・
『とにかく設備を増やしちゃえ!』
となったから・・・
ありえないほど棚と引き出しを増やした。
破りまくった紙(薬のつもり)も詰め込んだ。
薬の棚の中に一つ、パソコン(のつもりの箱)の裏のコードに一つ貼り付けている。
「わー!薬のやつもちゃんとある〜〜。」
「絶対あるでしょここ!ゲームソフト欲しい!」
この辺で仕掛けが来るかな・・・?
すると、パソコンの横にある鏡に包帯ぐるぐる巻きの男の人が写って、
『カエレ・・・・』
と喋った。
これもウルフさんお手製モニター。
「いやァァァっやばっ怖いかも!!」
「待って待って!もう無理かも!」
一人の子は涙目になって膝から崩れ落ちた。
その二人はリタイア。
リタイアする時の、お決まりのセリフがある。
・・・言いにくいけど言っちゃう?
「なーんだ、これからが楽しいのに!ふざけないでくれる?君は僕と一緒に・・・。」
私は罪悪感と申し訳なさを抱えて教室の中に入った。
・・・怖いのはこっちだよ!!
ごめん!本当にごめん!
私は心の中で謝った。
営業だということをわかってほしい!
その一筋だった。
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「いらっしゃいませ!ご注文はなんですか??」
その3人はぽへーっとした目に一気になった。
・・・なんだよ、気持ち悪い。
そんなことは死んでも言えないだろうけど・・・・言いたい。
「ホイップマシマシクレープ、三人ともお願いします!」
その中の一人、背の高い女の子が言った。
・・・膝を擦りむいている。髪の毛はショート。前傾姿勢で腕に青あざ、手の皮が硬そう。
バレー部か。
それをここで言ったら評判が下がる。
・・・警察の仕事病か。
「トッピングはいかがですか?俺的には、チョコがおすすめです。」
「「「チョコで!!」」」
適当に言っただけだが・・・。
今余っているものを適当に言っただけだ。
「かしこまりました。1つ650円、それに加えて30円のチョコトッピングになりますので・・・一人680円、三人で2040円になります。」
ちょっと高め。強気の値段設定だ。
・・・俺だったら絶対に買わない。絶対にだ。
そのバレー部?の子が2000円と50円玉を出す。
「10円お釣りになります!」
そして俺は三人にクレープを渡す。
すごく笑顔、そして時々振り返りながら去っていった。
「蓮華!ありがと!接客上手いね!」
「苦手ではないんで。接客。」
・・・大の苦手だけどな。
それにしても、準備期間にやらされたクレープ作りはなんだったんだ・・・?
俺は今日一度もクレープ作っていないぞ・・・?
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「よし!ちゃんと案内できた!」
あの女の子二人組から、何人、何十人ものお客さんを案内した。
でも、一度も7枚揃った人はいない。
リタイアしなかったのはたったの4人だ。
今から、5分の休憩に入る。
いなりくんと話せるチャンスだ。
いなりくんは、あの1番最初のベッドを揺らす役をしている。
「ねぇいなりくん。」
「何〜?」
「結構うまく行ってるね。」
「そうだねぇ。」
だけど、といなりくんは続ける。
「他のとこも凄そうだから、一位取れるかはわかんないけど。」
「きっと取れる!絶対!」
水を一口飲み、そう言う。
すると、いなりくんがお腹を抱えて笑い出した。
「な、何?」
「桜らしいなって。そう言われたら、取れるって思えてくるね。」
・・・これは貶されているのか?褒められているのか?
「それはいい意味、なの?」
「いい意味だよ!」
いなりくんは親指を立てる。
「蓮華の方も成功しているといいんだけどね。」
「成功してるよ!きっと!」
それを言い終わった時。
ドン!
何かが落ちる音がした。
「な、なんの音??」
いなりくんを見ると、鼻をクンクンと動かしている。
「・・・何してんの?」
「なんでも。あとで言う。」
簡単に流されてしまう。
音がした方へ行くと、手術室のランプが落ちていた。
段ボールだからいいか。
とはいかない。中には光るように、ウルフさんに作ってもらったランプが入っているのだ。
「・・・なんで!?」
これは天井からテグスで吊るしていたはず。
ちぎれるなんて・・・。
そう思って、テグスを辿ってみると何かで切ったように綺麗に切れていた。
「・・・幽霊。」
後ろを振り向くと、いなりくんがいた。
「幽霊って・・・。もしかして、ここに!」
「そう。幽霊の仕業。」
すると、うるるさんが中に入ってくる。
「休憩時間終わり。」
「でも・・・。」
「それくらいなんとかできる。ウルフは多分なんとも言わない。ランプはあたしにちょうだい。」
うるるさんはランプを拾う。
「幽霊とかからは今は離れてさ。学園祭のこと考えて?」
ちょっと強い言い方にうるるさんはなる。
怒られてる・・・。そう思ったけど、うるるさんの視線はいなりくんだった。
「と言ってもさぁ。俺守護霊だからこう言うの見過ごせないんだよね。」
「恐怖を感じさせるためにはあのベッドの揺れは必要。考えるのはあとでいい。抜けるのは無理。」
「・・・わからないなぁ。落ちてるんだよ?壊れかけているんだよ?あのたくさんの時間かけて作ったやつ。」
いなりくんの目が厳しくなる。
「幽霊を一旦、どうにかしてからやろうよ?ちょっと時間はかかるかもだけど。それこそ、幽霊にはちゃめちゃにされるよ?」
「『時間はかかる』。それでお客さんいなくなっちゃうでしょ。築き上げてきたものを大切にしろ。」
どんどん口調が強くなるうるるさん。
負けずに、その小さい体で睨み返しているいなりくん。
「まぁまぁ、お客さん待ってますし・・・。」
喧嘩を止めなきゃ・・・・!
「まぁ。今から回転早くしよう。そしたら可能性は広がる。」
うるるさんは何も言わずに受付へ戻ってしまう。
「いなりくん・・・。」
「うるるには好きにさせとけば?」
いなりくんの雰囲気がなんだか険悪だ。
「・・・。」
何も言い出せずにいた。
・・・弱虫。
自分で自分のことを貶しちゃう。
それから、いつも通りに振る舞い、案内する。
「こわ!」
「やばすごいわ・・・。」
そんな声が飛び交う。
さっきまでは、
『嬉しい』
と思っていたけど・・・。
頭の中がいなりくんとうるるさんでいっぱいになってしまった。
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「こちら、シーチキンサラダクレープになります。ドレッシングいりますか?」
「えーーと、い、いります!」
「では、こちらとこちらをどうぞ!」
とりあえずクレープを渡す。
ドン
・・・空耳か?
何か聞こえた気がした。
ふと、お化け屋敷の方を見ると霊力を纏った煙が吹き出していた。
おそらく、他の人には見えない。
何があった?
さっきのドン、と言う音はこの音だったのか?
「野田さん!俺ちょっとお化け屋敷の方見に行きます!」
あのイケメン、『野田さん』に声をかける。
「わかったわかった!接客は女子に任せる!」
後ろを見ると、小さな列ができていた。
美咲さん、うるる。
一位に近づいてきている。
・・・そんな気がした。
(注意! この列の人はみーんな蓮華目当て!)
「次の方〜って、蓮華!?」
「あくまでも『客』としてだ。」
「で?クレープの方は?」
「他の人に任せている。」
「お代は取らない。さっきの音、聞こえたのね。」
詳しいことは佐倉さんに聞け、とうるるはいう。
「蓮華先輩、さっきのは・・・」
コンセプト全て無視して廊下をつっきり、病室も何もせず抜けて手術室へ駆け込む佐倉さん。
・・・客としてきてるんだがな。
「これが落ちた音みたいなんですけど・・・。」
「綺麗にテグスが切れているな。新しいものならちぎれることはないと思うし・・・。やっぱり、幽霊か。」
「それ、いなりくんも言っていました。でも、一位になりたいうるるさんと犯人探しをしたいいなりくんで意見が真っ二つに割れていて・・・。」
どっちもどっちだな。
「霊力のあとは・・・・ほとんどないな。」
「霊力のあとってなんですか?」
「霊力があるものが通った場所には跡が残る。見える、と言うよりは『感じる』みたいなもの。」
「私からは見えますか?」
「・・・弱い人からは見えない。」
佐倉さんはしゅん、としてしまう。
・・・単刀直入に言うのはまずかったか。
「でも、いいです!」
「そうか。ところで、美咲さんについてはどう思う?」
「私は、美咲さんにはやめてほしくないし、うるるさんにもがっかりしてほしくありません!」
「俺もだ。狐がどう思っているかはわからないが・・・。協力していると言うことは、『いなくなれ』とは思っていないんだな。」
「そうですね・・・。今、険悪な感じですけど・・。」
「この大学は入学した人全員が、『オリンピック金メダル』か『ノーベル賞』だと思っていい。」
「どうして、ですか?そんなに私見たことありません・・・。」
佐倉さんは小首をかしげる。
外から中はカーテンで隠されていて見えない。
だから、今のうちに話せること話しておこう、と言うことだろう。
「可能性自体は全員。だが、その後が問題。自分の可能性をいかに広げられるか。努力を怠ったら、真っ逆さまだ。」
佐倉さんはどうやら理解してくれたようだ。
「納得です・・・。あ、そろそろ時間だ。」
佐倉さんはあの着ぐるみを頭からかぶる。
「・・・前は見えるのか?」
「意外と見えますよ!」
穴が・・・空いているのか?
暗くてよく見えない。
出口へ出ると、暗いところにいたせいで目が慣れていなかった。
気づくと、佐倉さんがお菓子を握っていた。
「これ、一応先輩へも参加賞です。」
「ありがとう。」
・・・なんだか嬉しい。
佐倉さんは『それじゃ』、と教室へ戻って行った。
・・・あとで食べよう。
俺はその小さなクッキーをポケットへしまった。
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時間はたって閉会式。
校長先生が、開会式と同じように閉会宣言をした。
・・・いろんなお客さんがいたな。
ギャル。先輩の方がいいけど・・・・イケメン。かなり声の大きい男の子。野球部の人の集団。メガネで真面目そうな男の子。双子の女の子。
小学生くらいの女の子が200円玉を握りしめてきていたのは可愛かったな・・・。
お菓子を全部あげたくなっちゃった・・・。
「2、生徒会長の言葉。生徒会長、佐藤 幸人さん。」
・・・あ!この人、メガネで真面目そうな人だ!!
まさか、生徒会長だなんて・・・。
7枚クリアした人は1人だけ。この人はラストギリギリで6枚だった。
・・・すごかったな。どんな仕掛けにも物怖じしなかった。
「四年A組。生徒会長の、佐藤幸人です。
今日は、良い天気の中97回目の学園祭を、そして自分が生徒会長として迎えられたことをとても嬉しく思います。
このあと、大抽選会と出し物投票を行います。
私ももちろん、投票します。
できる限り、全ての出し物を回ろうとしましたが回れないものもありました。
その、回れた中で私が1番楽しかったのは、2年B組さんの
『呪われた廃病院からの脱出』です。
とてもスリルがあり、楽しかったです。
と言っても、どの出し物もとても個性的、ユニークで楽しいものばかりでした。
これにて、生徒会長の言葉を終わります。」
・・・ちょっと長かったけれど、すごく嬉しいことを言ってくれた。
『2年B組さんの』と言った時、隣に座っているうるるさんの体がぴくり、と震えたのがわかった。
よっぽど嬉しかったんだろうな。
大抽選会が始まった。けれど・・・全く当たらなかった。
私は0107と書かれた紙を握る。
・・・当たりたかったーー!!
そして、その時気付いた。
次の種目は、
・・・・出し物投票。
毎日投稿10日目!
めっちゃギリギリ投稿・・・。
間に合わなかったので投稿した後再編集しました⭐️(それは毎日投稿なのか・・・?)
バトルシーンを入れる、と言う約束でしたけど・・・・
入らなかったので( i _ i )
うるるといなりの喧嘩シーンを入れました!
書くのはやっぱりむずい・・・。
ここまで読んでくれてありがとうございます!
面白い、と思っていただけたら
ブクマ・評価よろしくお願いします!
次話もお読みください!




