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エピローグ(最終章)

わたしはジョセフと結婚することを決めた


母と姉は烈火の如く怒った。だけどわたしに迷いはなかった


本当に守なくてはいけないものができたのだから


わたしの決意はもう変わらなかった



母は折れた…


母はわたしに「今までゴメンね…」と詫びた。姉は母のその姿を見て憤慨した



母は「私は貴女達を私みたいに惨めな思いをさせたくなかったの」と呟いた


母はわたし達の知らない苦労があって、母なりにわたし達のことを思っていてくれたのだろう


姉は唇を噛んだ



考えれば、わたし達三人はそれぞれの何かの役割を必死で演じてただけなのかもしれない


ただ幸せになりたくて…




わたしは妹に結婚の報告に行った。妹は心から喜んでくれた


わたしは今までの無礼を妹に詫びた


妹は優しい顔で「お姉様のご苦労に比べたら」と微笑んでくれた


だから妹は誰からも愛されるプリンセスなんだと思った



だけど、わたしにはもう妹を嫉妬する心はなかった


わたしにはジョセフがいるのだから




姉は、妹のはからいで名のある貴族と結婚した


母と姉の願いは叶った


ただ姉は姉で変わるわけではなく、社交界の華になり浮名を流した


それはそれでいい



ほどなく、妹の話しは『プリンセス・ストーリー』として全世界に広まった


ジョセフとわたしの子供達も知るほどの有名な童話になった



物語が解りやすいように、母と姉とわたしは「意地悪な」だけで、一くくりにされた


だけど、そんな人間はいない。みんなそれぞれの理由がある


ジョセフは子供達にいつも優しく教えていた



わたしはジョセフと子供達と暮らしていく中で臆病でもいられなくなってた


今、昔を思えば笑ってしまうこともある



でも、あのプリンセス・ストーリーがあったから今のわたしがあると思えるのです




世界が知らないわたし達だけの「もう一つの物語」です




fin








乱文にも関わらず本作品をお読みなっていただきありがとうございます


以前から童話『シンデレラ』の中で二女がガラスの靴を履こうとしたのが疑問でした。なぜならば既に長女が失敗しており、失敗した後の現場の空気も解ってますから普通なら履こうとは思わないだろうと感じてたからです


長女が失敗した現場の空気が解った上で二女はなぜガラスの靴を履こうとしたのか?「よほどの理由があって」と考察して本作品を創作しました


また「そうでもない人」のシンデレラストーリーのほうが現代の童話らしいかなとも思い創作した次第です


二女が果物屋の青年の優しさに涙するシーンは唐突にもなりますが、プロローグでの父と最後の記憶である場面がフラッシュバックしたことで「素直になれる」「心の関が切れる」瞬間にしました。唐突に感じられたのなら何とぞの御容赦をお願いします


ただ本作品が童話のスピンオフですから、読みやすいようにストーリーを進める必要性があり、また心理描写も二女の『わたし』一人に絞らせてもらいました


世界的に知られている童話ですから皆様承知ということでシンデレラの描写と説明は極力省かせてもらいました


コンパクトにする為に登場人物の心理描写やセリフを省いてる分は読者皆様の想像で埋めて貰えたらと思います


またシンデレラの他に本作品で唯一名前がある『ジョセフ』ですが、旧約聖書に出てくるヨセフが由来の名であって、イギリスやフランスによくある名前です。イタリアではジョゼッペ、スペインではジョゼです


旧約聖書でヨセフは大飢饉から救った『救世主』されてますので、本作品での唯一の名前として採用しました


またタイトルの中にある『灰かぶり』ですが、これはシンデレラの原題です。本作品の中にはあえて「灰かぶり」に見える描写を使わずにタイトルだけの使用したことをお伝えします。タイトルとの内容の違いに思われた読者様がおられたのなら深く御詫び申し上げます


本作品はあくまで皆様がよく知る『シンデレラ物語』をリスペクトして創作した作品ですので、本作品によりシンデレラが更に素敵に見えるのならば幸いです


本当は怖いグリム童話の真反対になれたらと思います(笑)


重ね重ね、お読みいただき本当にありがとうございました

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