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【連載再開】ダンジョンで殺人が起こると発生する閉鎖空間に閉じ込められた俺が脱出するまで  作者: ミンミンこおろぎ
第三章 死霊術師を探せ〜女3人男1人のハーレムパーティーでダンジョンに向かうまで〜
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第3話 司法取引

次の日の朝、俺達は冒険者組合にやって来た。


 遅刻がちなヴィオラやジルも含めて、予定の時刻に全員揃った。




 まずは上々。





 建物の一室で、俺とアイラとヴィオラの3人組とジルの4人で、説明を受ける。




「死霊術師ネクロマンサー探しは、とりあえず二週間、最長一月間おこなう」


 オリーブさんは言った。





 アイラは大きく息を吐いた。俺も同じく。


 日当は出るが、当分ダンジョンはお預けだ。





「報酬はどうなるの?」




「日当は小金貨半分。今日から払うよ。


 成功報酬として、死霊術師ネクロマンサーを見つけて連れてくれば、小金貨30枚。


 死体でも小金貨20枚。


 情報だけなら、重要度に応じて1枚〜10枚。


 もちろん、これはあんたら3人の分だ。


 ジルには、別払いするよ」




「もし、思ったより早く解決したら?」




「二週間分の日当の8割を、早期解決分として払う」




「……」





 ケチなオリーブさんにしては気前が良い。


 これは喜ぶところではない。


 怪しむところだ。





「仕事の途中で怪我をしたらどうなりますか?」


 俺は確認する。




 死霊術師ネクロマンサー探しである。




 もしかしたら、『死霊街』に行くハメになるかもしれない。





「治療費はこちらが持つ。


 保障は、組合の職員が危険任務で怪我をした場合と同じになる」


 オリーブさんは答えた。





 昨日の俺達は、オリーブさんに要求する条件についても話し合った。


 条件はクリアしている。




 いや、成功報酬分で良くなっている。





「分かった。その条件で依頼を受けるわ」


 パーティー・リーダーのアイラは言った。




 俺も同じ意見だ。


 ケチなオリーブさんからこれ以上の条件は出ないだろう。




 そして、冒険者の宿命とは言え、危険な仕事になりそうだ。







「死霊術師ネクロマンサーと接触した犯人と話がしたいわ」


 アイラが話題を変えた。




「オッケー。今、ソイツは組合の留置場にいる。


 直接会った方が早いだろう」





 俺達はあっさり犯人に会えることになった。




 オリーブさんは、俺が思ってる以上に、冒険者組合で重要な立場にいるのかもしれない。





 組合の地下に、問題を起こした冒険者を一時拘束する施設がある。


 件くだんの犯人は冒険者籍だったので、そこに入れられているらしい。





「おい、とっとと入れ。暴れるなよ」


 


「酒だよ、酒はいつ出るんだよ!


 俺はぜんぶ話しただろーが」





 ここは、留置場に付属する面会所だ。




 組合の職員二人に引きずられるように、男が連れてこられた。


 そのまま椅子に座らせる。


 職員の1人はドワーフ族だった。




 犯人の男は人間族だ。黒髪で薄茶の目で、浅黒い肌だ。


 中背で痩せていて、肌艶が悪い。


 留置場にいる間に酒を抜いた方が良いんじゃないかな。




 そして、左の頬に青アザがあった。


 多少手荒な取り調べがあったのかもしれない。




 


 男はヴィオラを見るなり、目をまるくした。


 何度も言うが、ヴィオラは超美少女なのである!




 男はヴィオラを、顔から髪から足の先までジロジロ見ている。




「花街の高級遊女にも、あんたみたいな別嬪はいないぜ」




「どうもでーす。


 あなたは、もう少し生活習慣に気をつけた方が良いですよ。


 不味まずそうでーす」


 ヴィオラは淡々と答えた。




 男はヴィオラの拒絶を気にした風もなく、ねちっこい視線でジロジロと見ている。




「そうだなぁ。


 その別嬪がここで脱いでくれるなら、もう一度話してもいいぜ」





 バコっ。




 ヴィオラの拳パンチが男の右頬を打った。


 一瞬の出来事だった。




 男が椅子ごと倒れそうになるのを、なんとかドワーフの男が支える。





「今のは手加減しましたからね。


 余計な事を言ってる暇があったら、質問に答えてくださーい」




 男の右頬がみるみるうちに腫れてきた。




 男もよけいな事を言ったなぁ。




 でも、犯人の男がヴィオラに何をしたかと言うと、ジロジロ見てただけなんだよな。


 俺はちょっとだけ同情する。





「死霊術師ネクロマンサーに会った時の事を、もう一度話しておくれ」


 オリーブさんは言う。




「この前、話しただろーが。


 なんで殴られて話さなきゃいけないんだ!」




「美少女のヴィオラちゃんを見たでしょう?


 見物料として話してくださーい」





 男は、ヴィオラからオリーブさんへ視線を移した。




「もう一度、話をさせるなら酒をよこせよ!」  




 男はオリーブさんに食ってかかろうとして、隣のドワーフの男に止められた。




 離せとか、暴れるなとか、定番のやり取りが目の前で繰り広げられている。


 ドワーフの腕は太く頑丈で、男が暴れてもびくともしない。





 この男は悪党で、今の状況は自業自得である。


 でも今、何も話す気になれないのも、、、分かる。





「その傷、痛むのか?」


 俺は男に質問した。




「あたりメーだろうが!」




 ヨシッ。ここは借りを作ってしまおう。




「俺は治癒術師ヒーラーだ。治してやる。


 ちょっと動かないでくれ」





 俺は男の両頬の青アザに手を当てた。


 けっこう腫れてるな。




 初級治癒術ヒールでもなんとかなりそうだが、ここは一発で治してしまおう。




「中級治癒術ミドルヒール」




 男の両頬の青アザはあっさり消えた。




「痛みはどうだ?」




「あっと、えーと。治った」




 男の俺を見る目が変わった。





「今のは、司法取引の前払いよ。


 中級治癒術ミドルヒールの代金を請求されたくないなら、死霊術師ネクロマンサーについて話してちょうだい」




 アイラがすかさず言った。







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