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【連載再開】ダンジョンで殺人が起こると発生する閉鎖空間に閉じ込められた俺が脱出するまで  作者: ミンミンこおろぎ
第三章 死霊術師を探せ〜女3人男1人のハーレムパーティーでダンジョンに向かうまで〜
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第2話 冒険者達の酒場

「改めて聞くけど。ヴィオラ、ジルといっしょで大丈夫?」




 喧騒の中で、アイラがヴィオラに質問した。





 ここは、冒険者御用達のメシ屋兼酒場である。


 安さと量の多さがウリの店だ。


 テーブルにいるのは、俺とアイラとヴィオラの三人だ。




 夕食時で、店は冒険者達でにぎわっていた。


 アイラはこの店の馴染みらしく、隅の席をなんとか確保できた。





「まぁ、ジルは面倒ですけど、先払いで血をもらっちゃいましたからねェ」


 ヴィオラが言った。





 事実である。




 あの後すぐ、ヴィオラはオリーブさんからコップ半分血をもらった。


 採血コレクトブラッドの魔術を使ったのは、俺だ。




 オリーブさんは、お金に関してはケチだが血に関しては気前が良かった。




 心なしかヴィオラは肌艶が良い気がする。


 目の前のトマトジュースも、ほとんど減ってない。





「あのちっこいデブ、血はうまかったですよ。


 生命力が、あつかましいぐらい強いです。 


 アイラさんの言うとおり、腕も立つと思います」




「……」


「……」


 アイラと俺は沈黙した。





「コホン。


 では改めて、死霊術師ネクロマンサー探しだけど。


 オリーブさんが言ってたけど、死霊術師ネクロマンサー探しに、ヴィオラが適任なのは本当なの?」


 アイラが尋ねた。




「とりあえず、わたしに死霊術の攻撃は効きません。


 幽霊ゴーストも、亡霊レイスも怖くないです!」


 ヴィオラは元気よく答えた。





 確かにダンジョンで、ヴィオラは亡霊レイスを捕まえていた。


 亡霊レイスの攻撃は、ヴィオラにぜんぜん効いてなかった。


 でも、ヴィオラの攻撃も亡霊レイスに効いてなかったような?





「肝心の死霊術師ネクロマンサーを探す方法はある?」




「近くで大規模な死霊術が使われれば分かります」




『近く』で『大規模』か。





「近くでもなく、大規模でもなければどうなるんだ?」


 俺からも質問してみる。




「うーん、小規模な術だと近寄らないと分からないです」




 うーん。





 アイラは眉間にシワを寄せている。




「死霊術師ネクロマンサーかどうかを確認することはできる?」


 アイラがさらに質問する。




「えーとですね、死霊術の力を使っている現場をおさえれば一目で分かります。


 力を使ってなくても体に触ふれれば分かります。


 ともかくわたしは、死霊属性が分かるんです」




 ほー。





「死霊属性の力を隠すことはできないのか?」


 俺はさらに聞いてみた。




「できなくはないです。


 でも、それは相当な腕利きですよ、エド様」


 ヴィオラは答えた。




「そんな腕利きなら、とっくにデリーメを出てるでしょうね。


 私達じゃ見つからないわよ」


 アイラがまとめた。





 まあ、そうだな。




 死霊術師ネクロマンサーが見つからなかったら、報酬はどうなるんだろう。




 ちなみに報酬や期限その他は、明日オリーブさんと話し合うことになっている。





「前途多難だな」


 俺は深く考えずに言った。





「……ええとね、エドモン。


 私とヴィオラは断れないけど、あなたはこの依頼を断れるのよ。


 修行が忙しいとか言えば、オリーブさんは文句は言わないはずよ。


 もしかしたら『死霊街』に行くことになるかもしれない」


 


「待ってくれ。


 そういう意味で言ったんじゃない。


 俺がどの程度役に立つかは分からないけど」





 死霊術師ネクロマンサー探しに役に立つかは分からないが、一緒に行きたい。


 ヴィオラとジルが心配だし、二人を率いるアイラも心配だし。




 なにより置いていかれるのは嫌だ。





 アイラと俺の目が合った。




 アイラが何か言おうとした、その時である。





「おーいアイラ、パーティー結成したんだってな」




 喧騒の中で、声をかけてきた男達がいた。




 3人組の男達だ。


 鎧は着てないが、腰には長剣ロングソードやら小剣ショートソードやら武器を履いている。




 冒険者だろう。





「あなたは……、蒼炎五鬼のメンバーね。


 そうよ、この3人で結成したの。


 結成早々にオリーブさんから仕事を押し付けられたわ。


 ダンジョンに潜るのは、もうちょっと後になりそう」


 アイラは軽く肩をすくめた。





 そこそこ、親しい相手なのかもしれない。




 男達の視線はアイラからヴィオラ移り、そこで目がクワっと開く。




 気持ちは分かるよ、ヴィオラは淡い金髪プラチナブロンドの超美少女だからね。


 俺はだいぶ見慣れたが、淡い金髪プラチナブロンドも紫の目も、見るたびにキレイだと思う。




 男達は、さらに視線を移し、俺の方を見る。




 黒髪で青い目の青二才、それが俺だ。





「兄ちゃん、ハーレムパーティーで荷物持ちか?


 ぜんぜんうらやましくないぜ。


 アイラ、もう少しパーティーメンバーは選んだ方がいいんじゃないか?」


 男の1人が、後ろから顔を出して言った。





 ムカつく奴だ。


 そして、ここは反論しなければならない。


 舐められるとロクなことがない。




 俺が口を開こうとした時だ。





「うちのパーティーメンバーに文句を言うのを止めてくれる? エドモンは、上級治癒術師ヒーラーよ。いざという時に治癒術ヒールをかけてもらえないわよ!」


 アイラが早口で言い返した。





 ザワっ。


 周囲で飲み食いしている冒険者達の視線が俺に集中する。




「あの若さで、上級治癒術師ヒーラーってホントかぁ?」


「ブラフじゃねーの?」


「いや、地図屋マッパーのアイラは嘘はつかない」




 こうなると、周りの視線が痛い。


 俺は治癒術は達者だが、医者としては半人前以下だ。


 過剰な評価だ。




 でもここは、ハッタリが必要か?





「すまない、治癒術師ヒーラーさん。


 うちのメンバーが失礼した」


 俺の後ろから、別の声がした。




 いつの間に!




 振り返ると、三人組よりは歳上の、ガッチリした体格の男がいた。




「あ、いえ」


 俺は、反論の糸口を見つけられず口籠る。





「アイラ、良いメンバーを捕まえたらしいな」


 ガッチリした体格の男が言った。




「まあね」




「治癒術師ヒーラーさん、アイラは割と性格がキツイからな。


 アイラと喧嘩したらいつでも声をかけてくれ。


『蒼炎五鬼』が歓迎するよ」




「いや、あの」




 その後、『蒼炎五鬼』のリーダーは、無理やり俺と握手して去って行った。





「ったく。ウチの治癒術師ヒーラーに手を出さないでもらえる?」


 アイラが蒼炎五鬼の背中に言う。





 店にいた冒険者達の視線は、俺から離れた。


 とりあえず、評価は保留ってことか。





「アイラさん、ぶぅー。


 わたしはエド様といっしょがいいです」


 ヴィオラが言う。




「そうね、ごめんなさい。


 3人で、いやジルも含めて4人でなんとかがんばりましょ」


 アイラが言う。





 そうだな。


 今回は、この3人にプラスしてジルだ。




 このメンバーで、死霊術師探す。




 俺の評価は、それからだろう。




 

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