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異世界廃村復興記  作者: 野薔薇 零雅
第5章 ブランチ鉄鋼国皇帝 来襲

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休耕地化作業

大人の都合で僕は元王であるフィチャーチャーとカイゼルゼンを奴隷契約し、国王たちが帰った後、畑の休耕地化の作業をするため畑へと向かった。


奴隷契約によって失神している二人の元王は僕の家の空いている部屋で寝かせている。


今日一日寝ていればすぐに目を覚ますだろう。


後、ブランチ鉄鋼国の政権が崩壊の朗報を聞いた元住民たちはかなり舞い上がっている様子だ。


それはそれとして、今は畑の休耕地化の作業を進めよう。


作業する理由は冬に入り、植物が育ちにくくなることと、僕が保有している農業スキルで冬でも育つことはできるかもしれないが、あまりにも季節違い過ぎて風景が合わないので一度休耕地にすることにしたのだ。

休耕地にした後、鍬などで土を耕して春になるまで放置しておく。


畑はかなり広く一人では時間が掛かるため、蒼壱郎やニグリなどたくさん人を呼んだ。


そして、珍しく蒼我さんやザウバーさんも参加している。


人数がそろったので、作業開始だ。


約十分後・・・。


作業はかなり順調に進んでいる。


とはいっても、ただ作物の根ごと引っこ抜くだけの単純な作業なのであっという間に畑の半分ぐらいまで進んだ。


作業に余裕ができなのか、他のみんなは作業しながら雑談を始めた。


話題は今朝の元王についての話だ。


「はぁー、まさか二回目の奴隷契約を結ばれるとは思わなかったよ。相手はあの元皇帝だから今後、変なことが起きなきゃいいけど」

「これまた大変だったでござるな。拙者もあの姿を見てびっくりしたでござる。前に来た時はあんなに偉そうな態度を取っていたのに、まさか奴隷に成り下がるとは・・・、しかもシュバイエ殿の引き取りの裏で部下が謀反を起こしていたとは、あの元皇帝も予想できなかったでござろうか?これはこれで可哀そうになってきたでござる」

「仕方があるまい。上に立っていれば自分のことしか考えなくなり、自分の命のためなら下の者など捨て駒になるのも当たり前なのかもしれない。人間ってそういうものなのだよ」

「んだけどぉー。これでよかったじゃないだすか?」

「どうしてだ?」

「ほら、この村に住んでいる元ブランチ鉄鋼国の住民たちはぁ、あの皇帝に嫌気がさして子の村に来たわけでしょ?新しい王様が誕生すればみんな安心して戻れることができ・・・」

「いや、そうとは限らないぞ」

「ゔぇ!?」

「今、皇帝に対する批判が続いている状態で新しい王様が就任してしたら、これまで世話になった国にとって不平等な扱いを受け、自国が有利になるような条約を突き付けられかえって状況が悪くなる可能性が

あるからだ」

「そっそうだすか?」

「あぁ。私の知り合いの話になるが、その知り合いが住んでた地域を治めている大名。すなわち王様が住民に食料を税金代わりとして差し出して、外部の人間には優遇し、自分だけ贅沢な生活をしていることを知り、腹を立てた住民たちは反乱を起こし、大名を失脚させ新しい大名が生まれた。しかし、その人は悪知恵があり、この地域は行商人や役人たちの宿場町として栄えたころだったので、この地域に泊まる人たちに通行税や宿泊税を設けた。ある日、税金を設けていることを知らない人がやってきて通行性が払えなかったとして、その場で斬殺してしたんだ。だが、その人は他の地方の大名だったので、慕われた人たちが大激怒して、案の定、その人たちに攻め込まれその地域は吸収されることになったのだ。今話したように前体制の不満により感情論で新国王による新体制が始動しても些細なことで国が崩壊し、さらなる混乱が起きるから安心できないんだ」

「そうだすか・・・」


蒼我さんの国の情勢に関する話を聞いたニグリは少し落ち込んでしまった。


確かにそれぞれ王を失ったブランチ鉄鋼国と魔王国メギドゥームの行く末はどうなるのか自分でも分からない。


今は新しい代表が決まるまで待つしかないだろう。


心の中で考えていると、話を聞いていたギャリガンさんは落ち込んでいるニグリに話しかける。


「ニグリさん」

「ギャリガンさん?」

「蒼我の言うとおりです。現在、情勢が不安定の中にあるブランチ鉄鋼国と魔王国メギドゥームがどうなるのかは神のみぞ知る世界なのです。今は自分の時間を大切にし、死後悔いがないよう生きていくのです」

「分かっただす、ギャリガンさん。少し策になっただす。ありがとうだす!」

「それは何よりです。では談笑はここまでとして作業の続きに入りましょうか?」

「はい!!!」


ギャリガンさんの話を聞いたニグリはまだ心残りがあるように見えたが、何かスッキリとした顔で作業を続けた。


さすがギャリガンさん。


僧侶を務めてるだけあって言葉の重みがあり、説得力ある。


僕もこれぐらいの力があればいいのだが、今は畑の作業の続きに取り掛かろう。


約十分後・・・。


これだけ植えていた畑の作物は皆のおかげで無くなり休耕地になった。


しかし、作物の根ごと引っこ抜いたので、地面は凸凹になっているので、次は僕のスキルで出した肥料と魔物の糞で作った堆肥と余った野菜や調理で出た野菜くずなどで発酵させた腐葉土を土に混ぜながら平らにしていく作業を行った。


その作業にはシヴァやパールバティにも手伝ってもらった。


かなりの時間を要したが、これで栄養がたくさん入った土壌が完成しこのまま春まで休耕地にしていく。


ようやく作業がひと段落ついた。


時間は昼すぎていたのでその場で解散し、僕は昼ごはんを取るため家に帰った。


家に着き、元王の様子を確認したが、まだ気を失っているままだ。


はぁー、これまた厄介な人たちが奴隷になったものだな。


僕は奴隷を雇う主義じゃないのに・・・。


まぁ、理由は単純に奴隷にするのが面倒くさいので、僕に押し付けているのだろう。


はっきり言っていやな気分だ。


でも、奴隷を雇った以上彼らを村のために有効活用しておこう。


僕はお腹がすいたので、エリールと昼ご飯を頂いた。


昼ご飯を済ました後、特にやることが無いので、僕はラーブさんに聞くことがあるので、ラーブさんの部屋へと向かった。


ラーブさんの部屋の前に着くと扉にノックする。


「すみません。ラーブさんいる?」


扉をノックしてしばらくすると扉がガチャリと開いた。


「なんじゃ?一体だれがって、おぉこれは村長殿!どうなされたんじゃ?」

「ちょっと話がしたいのですがいいですか?」

「ふむ、入ってよいぞ。ささ、どうぞこちらへ」


僕はラーブさんの部屋に入った。


ラーブさんの部屋は難しそうな本が並んでいる本棚があること以外整理されている。


以外にも几帳面な人なのかな?


僕はラーブさんの部屋にある椅子に腰かけた。


「ところで話とは何じゃのう?」

「はい。今朝、バドッラさんが使った『血隷の契約(ブラッディ・スレイブ)』についてなんですけど・・・」

「ほう」

「前にシュバイエに使った『血印の契約』とは何が違うのか気になりまして」

「なるほど・・・。そのことか・・・」


そう言うとラーブさんは黙り込んでしまった。


何か気を悪くするようなことを言ったのかと思ったが、しばらく黙ったのちラーブさんは僕に話した。


「村長は『血隷の契約』と『血印の契約』の違いを知りたいのじゃな?」

「はい」

「うむ。分かったでは、話すとしよう」


ラーブさんは深呼吸した後、バドッラさんが使った魔法の説明し始めた。


「まず、シュバイエ殿にかけた『血印の契約(ブラッディ・シール)』についてじゃが。これは主となる者の血を肌に塗って印を焼きつける魔法で、バドッラ殿が使った『血隷の契約(ブラッディ・スレイブ)』は主となる者の血を魔法を使い入れ墨のように体に刻む魔法なんじゃ。そして一番の出(・)来(・)る(・)か(・)出(・)来(・)な(・)い(・)か(・)の(・)違いだけなのじゃよ」

「えっ?出(・)来(・)る(・)か(・)出(・)来(・)な(・)い(・)の違いだけなのですか?」

「そうじゃ。『血印の契約(ブラッディ・シール)』は肌の上に貼り付けているようなものなので魔法による除去ができるのじゃが、『血隷の契約(ブラッディ・スレイブ)』は肌のシミみたいに入れる魔法なので除去が出来ないんじゃ。勿論できないわけじゃないのじゃが、その分除去するのに高度な技術が求められる呪いに近い魔法なんじゃ」

「なるほど、そういうことでしたか」

「じゃから今回、二人の元王に彫られた血印は死ぬまで残るから死刑に等しいものなんじゃ。分かったかのう?」

「はい。分かりました」

「村長にとっては嫌な思いをするかもしれんが、今はその事実を受け止めて二人をみっちり働かせるのじゃぞ」


ラーブさんに聞きたかったことを聞き終えた。


二人には死ぬまで消えない印を彫られた呪いはかなりきついものだと分かった。


果たして僕は二人をしっかりと扱えることができるのだろうか・・・。


なんだか胸が苦しくなる思いでいっぱいだ。


でも、奴隷契約した以上、目を覚ました後二人には何かしらの作業をお願いしておこう。


僕はラーブさんにお辞儀をしてふと、窓を見ると夕方になっていたので、これからお風呂でも入ろう。


僕はラーブさんの部屋を出た後、そのままお風呂へと直行した。


まだ、二人の元王について色々あるが、今は落ち着くとしよう。

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