クッキーは1人6枚
1月11日。
今日も午前6時に集合した俺達は、おのおのの仕事を果たしていた。
俺とアイロスは、朝食の仕込み。
ファナとアディスは、イチゴ大福のごときガル大福の作成だ。
俺達は料理に没頭し、料理を仕上げていった。
午前8時の鐘が鳴った。
従業員が顔を揃え、着席していく。
配膳はジュレ、お茶の準備をプリムがしてくれた。
「朝食の献立は、汁物料理は、ミネストローネと、牛肉の薄切りをステーキソースで炒めたものを挟んだサンドイッチだよ。さぁ、召し上がれ」
俺達は、一斉に食べ始める。
醤油のごときユーカンと、ワリアの酢、すりおろしニンニクのごときすりおろしダッキを混ぜたステーキソースが、実に美味である。
ミネストローネは、具沢山で食べ応えばっちりだ。
野菜は、タマネギのごときカペラ、ニンジンのごときメイリグ、ジャガイモのごときフォンディ、キャベツのごときノーマ、トマトのごときイノッサを使用している。
「この汁物料理は、新作だな。作ったのは俺だが、驚くほど味が良い。これは人気が出るぞ」
アイロスがそう、感想を述べてくれた。
「汁物料理には、3種類位しか、普段は野菜を入れないよね。材料費の兼ね合いもあるんだけど……ミネストローネを作りたかったから、リーズヘッグに許可を貰ったんだ」
「ふん。美味い料理なら構わんと言っただけだ。まあ、この汁物料理は美味だ。お客も喜ぶことだろう」
リーズヘッグはそう言ってくれた。
「サンドイッチも美味しいよね! ユーカンとワリアの酢と、すりおろしダッキかな? ステーキソースってやつが、優秀なんだと思うよ!」
プリムもそう、感想を述べてくれた。
みんな、満足そうな面持ちである。
俺もクッキーを食べながら、しばし雑談に参加するのであった。
食後は、料理の仕込みである。
俺とアイロスは、昼の仕込み。
ファナとアディスは、ミートソースの仕込みだ。
俺達は調理に集中し、料理を仕上げていく。
午前10時半、ファナとアディスが、出発した。
ミートソースのパスタを200食と、イチゴ大福のごときガル大福を200個である。
改めてすごい量なのだが、売れ残る恐れはないらしい。
「売り切れで、お客に苦情を言われる位ですよ」
と、アディスは言っていた。
俺とアイロスも仕込みは大詰めである。
最後の仕上げをすべく、俺は奮起するのだった。
午前11時の鐘が鳴り響く。
開店の刻限だ。
並んでいたお客が、勢いよくなだれ込んで来る。
プリムが順番に案内をして、注文を取っていく。
ジュレはお茶の配膳だ。
「1番から6番に、1つずつねーっ!」
「あいよ!」
「1番テーブルに5つ、お願いします!」
「あいよ!」
俺は鉄鍋を2つ使い、牛肉を焼いていく。
焼き上がったらステーキソースを絡めて、フランスパンに挟む。
今日の汁物料理は、ミネストローネ。
付け合わせは、マッシュ・ポテトのごときマッシュ・フォンディと、カボチャのごときエリマを練り込んだクッキーである。
付け合わせの盛り付けと、汁物料理の取り分けは、アイロスが担当している。
「1番から6番、上がったよ!」
「は、はい!」
「1番テーブルに5つ、上がったよ!」
「はーいっ!」
注文は次々に入ってくる。
俺は鉄鍋に牛肉を投入する。
焼き上がったら、ステーキソースを絡めて、フランスパンに挟み込む。
付け合わせの盛られた木皿に、サンドイッチを盛り付けて、カウンターに並べていく。
「7番から12番、上がったよ!」
「は、はい!」
「2番テーブルに4つ、上がったよ!」
「はーいっ!」
俺はどんどん注文をさばいていく。
アイロスのサポートは完璧だ。
「3番テーブルに、6つ、上がったよ!」
「は、はい!」
「4番テーブルに4つ、上がったよ!」
「はーいっ!」
俺は鉄鍋に牛肉を投じる。
焼き上がったら、ステーキソースを絡めて、フランスパンに挟んでいく。
仕上がった日替わりを、カウンターに並べる。
「5番テーブルに5つ、上がったよ!」
「は、はい!」
「6番テーブルに6つ、上がったよ!」
「はーいっ!」
店内は満員御礼、すごい熱気だ。
ジュレがお客に話しかけられている。
「兄ちゃん、今日のサンドイッチも美味いが、汁物料理も格別だなぁ」
「あ、ありがとうございます」
「俺も美味いと思ったぜ! クッキーはこの量じゃ足りねえけどな!」
「クッキーは6枚って決まってるのさ。なぁ、兄ちゃん」
「は、はい。1人6枚ずつです。追加は別料金になってしまいます」
「ほおら見ろ。大人しく帰るこった」
お客は楽しそうに笑っている。
良かった、と思いながら、俺は鉄鍋に牛肉を投じるのであった。




