表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
55/81

リリアが来る日の準備

 アイロスにはドレッシング作りと、キャベツのごときノーマの千切りと、レィモンのくし切りを担当して貰った。

 今日の菓子は手間がかかるけど、リリアとその仲間達に食べて欲しかったので、採用した。

 

 竜田揚げを揚げて、昼食が完成した。

 配膳はジュレ、茶の準備はプリムがやってくれた。


「お待たせしたね。汁物料理は兎肉のカレー、肉料理は兎肉の竜田揚げだよ。それと、菓子はミルフィーユを用意しているからね」


 皆で突き匙を取り上げ、一斉に食べ始める。

 うん、竜田揚げのサクッとした食感と溢れる肉汁が混じり合って、またとない調和を完成させている。

 兎肉のカレーの味を見てみると、問題なく美味であった。

 フランスパンを千切って口に放り入れる。


「竜田揚げは初御披露目だったけど、どうだろう? 唐揚げともまた違った食感だと思うよ」


「うん。すっごく美味しいよっ! サクサクしてて、じゅわっと溢れ出す肉汁がたまんないねっ!」


「ぼ、僕も美味しいです」


「うむ。美味い」


「俺も美味いぜっ!」


「わたしも……美味しいです……」


「美味い」


 プリム、ジュレ、リーズヘッグ、ダビ、ルルイエ、アイロスの順に感想を述べてくれた。

 

「皆の口に合ったようで嬉しいよ」


「ふん。お前さんに不出来なものを食わせられた覚えはないな」


「それなら、いいんだけどね。新作はやっぱり、不安になっちゃってさ」


 俺はカレーを食べながら、フランスパンを千切って口に放り入れた。


「アイロスが作ったカレーも美味しいよ。アイロスは、カレーは好きかい?」


「好きだ。香草をこんなに使う料理は、そうそうない。東の国でも、きっと随分な人気を呼ぶことだろう」


「辛さはどう?」


「俺はもう少し辛くて良い」


「そっか。アイロスが良ければ、辛口カレーの味見をして貰えないかな? プリムにも頼もうと思ってたんだけどね」


「俺は構わんぞ」


「あたしも食べたーいっ! 辛口カレーってもしかして、リリアの為?」


「うん。リリアに俺の辛口カレーを食べて欲しくてね。あ、今日リリア達が来るって言ってたよ」


「へー、そうなんだ! 味見も楽しみだけど、リリア達に会えるのも嬉しい!」


 俺はアイロスの為に説明させて頂いた。


「アイロス、リリアっていうのは、俺の恋人で、婚約者なんだ。カレーが大好きで、辛い料理を好んでいるんだ」


「承知した。味見はいつでも承るぞ」


「ありがとう、宜しく頼むね」


 皆の皿が空いたようなので、席を立つ。

 菓子のミルフィーユを配膳していく。


「わあ、ガルが入っているんだね! ……うん、すっごく美味しいよっ!」


「何だかお洒落な菓子ですね。ガルの甘酸っぱさとサクサクした生地とこのクリームが実に楽しい調和を見せています」


「うむ。美味い」


「俺も美味いぜっ!」


「パイ生地は、こういう使い方もあるのね……。すごく美味しいわ……」


「美味い」


 プリム、ジュレ、リーズヘッグ、ダビ、ルルイエ、アイロスの順に感想を述べてくれた。

 俺もミルフィーユを突き匙で頂く。

 うん、実に美味しい。

 手間をかけただけあったな。


「あっ、キョウスケって、リリアの誕生日、知ってる?」


「いや、知らないね」


「リリアは3月10日生まれだよっ! しっかりお祝いしてあげてよねっ!」


「わかった。ありがとう、プリム」


 そして食後は、俺とアイロスは夜の仕込み、ダビとルルイエはミートソースの仕込み、その他の皆は休憩時間だ。

 俺は竜田揚げの兎肉を切り分け、調味料に漬けていく。

 アイロスはカレーの野菜を切り分けている。

 今日の料理を、リリアは気に入ってくれるだろうか。

 俺は胸が沸き立つのを感じながら、仕込みを続けるのだった。

 

 午後4時半、ダビとルルイエは出発していった。

 仕込みももうすぐ終了だ。

 俺はミルフィーユを組み立てて、切り分けていく。


 そして午後5時の鐘が鳴る。

 開店の刻限だ。

 怒濤のようにお客が入ってきて、注文していく。

 俺は竜田揚げを揚げ始めた。

 アイロスも汁物料理を取り分けていく。

 続々と注文が入り、それを仕上げていく。

 プリムもジュレも店内を飛び回り、賢明に力を尽くしている。

 

「いらっしゃいませ! お酒は飲まれますか?」


「勿論さ! 日替わりは今日はなんだい?」


「汁物料理はカレーで、肉料理は竜田揚げっていう兎肉の揚げ物だよ。そんで、菓子がミルフィーユだね」


「カレーは俺も好きだ。他は新作かい。じゃあ、日替わり一つ頼むよ」


「かしこまりましたぁ!」


 プリムが飛んできて、注文をする。


「8番、日替わり一つね!」


「あいよ!」


 俺は2つの鉄鍋で竜田揚げを揚げていた。

 そして日替わりが仕上がっていく。


「6番テーブル、6つ上がったよ!」


「は、はい!」


「お次3番テーブルの4つと、8番の一つ、上がったよ!」


「はーいっ!」


 そして菓子も出していく。


「3番テーブルの4つ、菓子が上がったぞ!」


「は、はい!」


「1番から6番まで、菓子が上がったよ!」


「はーいっ!」


 店内は満員御礼、ものすごい熱気だ。

 俺は積み重なる注文をさばくため、鉄鍋に肉を投じるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ