↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
153/157

開店準備期間

 1月8日から1月13日。

 この期間は料理のおさらいをしていく。

 難儀したのは、餃子であった。

 皮を包むのが苦手なようで、四苦八苦していた。

 あとは、付け合わせをもう一度教えた。

 10種類に2種類ずつ、付け合わせが付くので、20種類も覚えなくてはならない。

 更には、まかないの作り方も教え込んだ。


「キョウスケ料理長は鬼だ!」


「付け合わせなんて、2種類を使い回せばいいのに……メモはとったから暗記しなきゃ」


「揚げ物のおさらいもしたい!」


 俺は鬼と呼ばれても構わない。

 献立に妥協はしないぞ。


 あと、サンドイッチの付け合わせだが、今まで通りのマッシュ・ポテトのごときマッシュ・フォンディと、カボチャのごときエリマを練り込んだクッキーにした。

 やはり根強い人気があるので、変えがたいのだ。


 サフア料理は青銅貨2枚から青銅貨3枚。

 およそ400から600円。

 汁物料理は青銅貨1枚と半銭。

 およそ300円。

 肉料理は青銅貨3枚と半銭。

 およそ700円。

 菓子はヨーデルパフェ以外半銭。

 およそ100円。

 ヨーデルパフェは青銅貨3枚。

 およそ600円。


 こうして見ると、肉料理とヨーデルパフェが高い気がする。

 しかし、汁物料理と肉料理合わせて1000円ならば、普通か。

 菓子が安すぎるというのもある。


 菓子もおさらいで作って貰ったが、皆、なかなか頑張っていた。


「ミルクレープが好きだな」


「白玉あんみつが良い」


「ネレボロのゼリーが好きだ」


 おのおの好きな菓子を述べ合いながら、菓子を作る。

 あっという間に6日が経過したが、楽しい時間であった。




 11月14日。

 休日である。

 今日は細工屋に作って貰った器具を使い、先週の菓子のリベンジをする。

 後、焼き方を変えてみる。

 石釜を使うのだ。


 鉄製の芯に生地を塗り、石釜で10分ごとに取り出して生地を塗り重ねて、焼いていく。

 3時間後、焼きあがった生地に砂糖を塗り、完成だ。

 試食してみると、格段に味が良くなっている。

 俺は理想に近づいたと、確信するのだった。




 11月15日から11月20日。

 この期間は、料理のおさらいをすることになった。

 全員、料理に熱心だ。

 俺達は賢明に、力を尽くした。


 それと、1階の班と、2階の班に分かれた。

 俺の班になったのは、男性3名、女性1名である。

 アイロスの班も、男性3名、女性1名だ。


「じゃあ、出来上がった料理を食べながら、班ごとに分かれて集会をしようか。どんどん質問しておくれよ」


 そうして始まった集会であるが、なかなか興味深かった。


「キョウスケ料理長は、独身ですか?」


「独身だけど、婚約者がいるよ。君は独身なのかい?」


「俺は独身です! 料理番はモテるって聞きますけど、本当ですか?」


「そうだね、本当だと思うよ。美味しい料理を作れるようになればモテるさ」


「やった! 俺、頑張ります!」


 こんな質問もあり、みんなが独身だということがわかった。


「この後、まかないのロールノーマを、もう一度、教えて貰えますか?」


「俺は菓子のミルフィーユをもういっぺん作りたいです!」


「俺は唐揚げを作りたいです!」


「わたしはヨーデルパフェの作り方をもういっぺん教えて下さい!」


 熱意に溢れた若者達だ。

 俺は了承し、それぞれの料理を作り上げるのだった。




 11月21日。

 休日である。

 この日は黒糖のごときバルサという食材を入手したので、新しい菓子作りだ。

 基本は、蒸し饅頭である。

 俺は皮に黒糖のごときバルサを混ぜ込み、饅頭を作ってみた。

 思いのほかうまくいき、美味しい黒糖のごときバルサ饅頭が出来上がった。


「おお、これは美味いな! 晩餐に出すから、50個程作ってくれ!」


 と、ホルエン料理長も絶賛してくれた。

 いつか新しい献立に追加できれば幸いである。




 11月22日から11月27日。

 この期間は、店員教育である。

 カトリーヌが呼んでくれた教師が、貴族に対する接し方を教えてくれる。

 このあたりの地理や歴史も織り交ぜて、まずは座学だ。


 その後は、敬語の使い方を習った。

 そして、実践である。

 実際に貴族に来て貰い、会話をして貰った。

 

 カリキュラムは毎日変わる。

 食事の食べ方や正しい姿勢など、教わる事はいくらでもあった。


 6日が過ぎる頃には、立派な店員になれたと、みんなが自負していた。

 それと、みんなに調理服が配られた。

 一人前の証である。

 みんな、誇らしげな顔で、調理服を胸に抱いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。