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《夢の足跡》のカレー

 20分程で、甘味屋へ到着した。


「着いた。ここが、《飴色亭》」


 店は、中規模の大きさで、壁は緑色だ。

 俺達は中に入り、給仕の案内で奥のテーブルに着席した。


「わたしのおすすめを頼むよ?」


「うん。お願いね」


「すいませーん! タペ団子を2つと、お茶を2つ、お願いします!」


「かしこまりました」


 給仕はお茶を置いて、下がっていく。

 俺達は雑談で時間を潰した。

 しばらくして、菓子が届いた。


 見た目は黒い団子である。

 俺は団子を食べてみた。

 小豆のごときタペが、団子の周りを覆っている。

 団子の中には、果実のジャムが封入されていた。

 これは、ナシのごとき果実である。

 小豆のごときタペと、果実が調和している。


「これは、美味しいね」


「ん。美味しい」


 俺達は、ゆっくり菓子を堪能した。

 食後は、店を出て広場を目指した。

 広場に着いたら、椅子に座ってお喋りだ。


「今日は、どんなおとぎ話を聞かせてくれるの?」


「今日は、三匹のこぶた。豚っていうのは、4足歩行の動物で、美味しい動物だよ。むかしむかし、あるところに、おばあさんと三匹のこぶたがいました……」


 俺は臨場感たっぷりに語って聞かせた。

 リリアは真剣に聞いている。

 語り終わると、リリアはほっと息を吐き出した。

 

「こぶたが幸せになってよかった。狼に執拗に狙われるなんて、そんなに美味しいんだね。ぶたっていう動物」


「そうだね。俺の故郷では、兎肉と同じくらい食べられていたよ」


「えーっ、そんなに? よっぽど美味しいんだね」


「この国には兎肉があるから、他の肉はあんまり必要とされないかもね」


「それはあるかも。兎肉、美味しいもんね」


「うん。今度、兎の飼育場へ行ってみたいな。生きている兎を見ておきたいんだ」


「いいよ! じゃあ、来月に行こうね」


 その後も楽しく雑談をして、俺達は時間を過ごした。

 楽しい時間は、あっという間に過ぎる。

 気付けば陽は落ちて、午後5時の鐘が鳴っていた。


「そろそろ行こうか」


「うん、行こう」


 俺達は、手をつないで、歩き始めた。

 20分程で、料理屋に到着した。


「着いた。ここが、《夢の足跡》」


 俺達は店に入り、給仕の案内で奥のテーブルに着席した。


「えっと、カレーと、肉料理と、菓子を頼むね」


「うん。お願いするよ」


「すいませーん! カレー2つと、牛肉の乾酪焼きを2つと、菓子のドビッシーを2つ、お願いします!」


「かしこまりました」


 給仕がお茶を置いて下がっていく。


「財宝漁りの方は、順調かい?」


「うん。ただ、小金が貯まるばっかりで、目当ての飾り物は全然出ないの。まあ、お金を貯めて、買っても良いんだけどね」


「無事に戻ってきてくれるだけで、俺は嬉しいよ。安全第一で、頑張っておくれよ」


「うん。今年の祝福祭はね、財宝漁りをお休みすると思う。家を建てられたら、必要なものもいっぱいあるでしょう? そういう物を買い揃えたり、家具を揃えたりしたいんだ」


「へえ、お休みを入れるのは良いことだね。どんなお部屋にするか、決めているの?」


「うん。一人部屋が貰えるから、すごく楽しみ。高いけど、レースのカーテンを買おうと思ってるんだ!」


 リリアが頬を火照らせる。

 いつ見てもリリアは可愛い。


「可愛らしいお部屋になりそうだね。家が建ったら、俺も差し入れをするよ。菓子が苦手って人はいる?」


「いないと思う。キョウスケの差し入れ、嬉しいな。みんな喜ぶよ」


 そこで、料理が届いた。

 カレーの色は、普通である。

 煮汁を飲んでみると、とても辛い。

 辛口程度の辛さで、結構美味しい。

 具材は、基本の3種のようだ。


「カレーは、辛いけど、美味しいね」


「ん。美味しい」


 リリアは美味しそうに食べている。

 次は肉料理だ。

 牛肉のステーキに、乾酪がかぶせられている。

 肉を頬張ってみると、芳醇な旨みと塩気が感じられた。

 味付けは、濃いめであるが、悪くない。

 

「肉料理も美味しいね」


「ん。美味しい」


 俺達はゆっくり料理を堪能した。

 皿が空いた頃合いで、菓子が届いた。

 まん丸い焼き菓子で、平べったい。

 かじってみると、中に乳脂で揚げ焼きにされたサフアの生地が入っている。

 サフアの生地にはイチゴのごときガルのジャムが挟まれており、食感も楽しい。


「菓子も、美味しいね」


「ん。美味しい」


 リリアは笑顔で菓子を頬張っている。

 どんなリリアも可愛い。

 俺もゆっくり菓子を堪能した。

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