《アフロディーテ》のプレオープン
6月29日から7月6日は、平穏に営業する事が出来た。
露店も全て売り切っており、順調である。
ダビとルルイエ、リリアと仲間達、ローガン率いる騎士達などの常連も、食べに来てくれた。
7月に入って雨季が開けた。
太陽が顔を出し、気温も上がった。
俺は半袖と、薄いズボンにフォームチェンジし、気合いも新たに7月を乗りきることになった。
7月7日。
この日は、《アフロディーテ》の料理番の面々に、料理帳を伝授する日だ。
午前9時にサフア屋の2階に集合した俺達は、気合いを入れて調理を開始した。
「今日は和菓子の続きから教えます。きんつば、みたらし団子、水ようかん、栗蒸ようかん、大学芋と、ぜんざい、3色団子、ミロ団子です」
和菓子の担当の4人を中心に、菓子を教えていく。
あっという間にお昼になり、パスタで昼食を取った。
「次は、洋菓子を教えます。担当は4人にお願いします。では、ガトーショコラ、スイート・ダイナ、ジュピターのシフォンケーキ、モンブランのタルト、ミルフィーユにペリルのパウンドケーキ。そしてエーファヨーデルパイですね。パイは味違いでガル、ペリル、パーリーのものも作ります」
さて、どんどんいくぞ。
俺達は、賢明に調理を続けた。
料理番達も食らいついてくる。
「次は、パーリーのクレープと、ネレボロのゼリー、メリボーのゼリー、ガルのジャムを添えたスコーン。それに、ミルクレープとあんまんとヨーデルまん、チーズケーキ。最後にヨーデルパフェ。その後は持ち帰り用の2色のクッキー、マドレーヌ、レーズンバターサンド。以上になります」
俺達は料理に没頭し、菓子を仕上げていく。
一通り作ったら、後はおさらいして貰う。
俺は画家の元へ赴き、商品説明を行った。
「次はこれじゃ。商品名は?」
「これは、あんまん。商品説明は、ふわふわの生地と、タペの優しい甘さがたまりません」
「よし、次じゃ!」
活力にみなぎる画家と、夜までディスカッションを行った。
今日も忙しい一日だったが、充実していた。
《アフロディーテ》の開店が楽しみである。
7月8日から7月13日まで、平穏に営業する事が出来た。
露店も全て売り切っており、順調である。
ダビとルルイエ、リリアと仲間達、ローガン率いる騎士達などの常連も、食べに来てくれた。
7月14日。
今日は《アフロディーテ》のプレオープンの日だ。
《竜の跳ね鳥亭》に集まったのは、いつもの14名。
プリム、ジュレ、リーズヘッグ、カトリーヌ、アイロス、リエル。
ファナ、ユーゴ、アディス。
俺とリリアとその仲間の3名だ。
午前10時半に集まった俺達は、《アフロディーテ》へ向かう。
「どんな甘味屋なのか、すっごく楽しみ!」
「そ、そうですね。大きいお店なんでしょうね」
プリムとジュレが口々に言う。
「わたしも、すごく楽しみ」
リリアが頬を火照らせる。
今日も可愛いリリアだ。
半刻程経って、到着した。
午前11時の鐘が鳴っていた。
「お洒落な外観だねーっ! 大きなお店!」
プリムがはしゃいだ声を上げる。
建物は、青が基調で、金色の装飾がお洒落だ。
中に入ると、紺色のメイド服を着た給仕に出迎えられた。
「いらっしゃいませ。《アフロディーテ》へようこそ。14名様ですね。こちらへどうぞ」
入り口にはカウンターがあり、持ち帰り用の菓子が並んでいる。
店内は落ち着いた雰囲気で、金色の装飾がお洒落である。
3つのテーブル席に分かれて着席した俺達は、さっそく革張りの献立表を開いた。
「あー、目移りしちゃう! この献立表、絵が綺麗で見やすいよ。すごい数の献立だね!」
プリムがそう言うのもわかる。
献立がここまで多いのは珍しい。
「ヨーデルパフェは青銅貨3枚か。高額商品だね」
「ヨーデルパフェは目玉商品だもの。これ位で妥当なのよ。他の菓子はだいたい半銭から1銅貨よ。随分安いわ」
カトリーヌがそう言う。
俺は真剣に悩むリリアに笑いかける。
「菓子は2つ食べても良いんじゃない?」
「ん。イノッサのパスタと大学芋、チーズケーキにする」
「俺はキノコのクリームパスタと、草団子とヨーデルパフェにするよ」
全員決まったので、注文をした。
そのタイミングで、騎士の集団が来店した。
「やあやあ、キョウスケ。第三騎士団と第一騎士団も到着したぞ。第一騎士団は個室に行った。さて、料理も楽しみだが、ヨーデルパフェを心待ちにしていたぞ!」
「ご来店ありがとうございます。ゆっくりしていって下さいね」
ローガン達が着席し、献立表を見ている。
お楽しみ頂ければ幸いだ。
「今日のプレオープンは少人数だけど、開店後はもっとたくさんの人が来店する予定なの。キョウスケは有名だったけれど、菓子のコンテストで優勝して、更に有名になったわ」
カトリーヌがそう、言いつのる。
「絶好のタイミングで、甘味屋が開店したもんね! カトリーヌは商売上手だねっ!」
「うふふ。商売人の娘ですもの。これ位は嗜みでしてよ」
プリムとカトリーヌが話していると、パスタが届いた。
「菓子も良いが、俺はこのキノコのクリームパスタが好きでな。この店はパスタの店としても有名になるかもしれんな」
リーズヘッグがそう言った。
俺も突き匙を取り上げ、パスタを食べ始めた。




