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第一騎士団の騎士

 さぁ、サフア料理だ。

 皿には、乳脂を塗ったフランスパンと具材が乗っている。

 匙ですくってフランスパンに乗せて食べる。

 野菜は乳脂で炒められている。

 具材は、ニンジンのごときメイリグと、アスパラガスのごときジェランのみ、判別出来た。

 野菜は甘く煮付けられており、とても甘い。

 黒胡椒がきいており、これは美味しかった。


「美味しいね」


「ん。甘い野菜が美味しい」


 リリアの笑顔が可愛い。

 次の料理は、汁物料理だ。


 トマトのごときイノッサをベースにしたスープのようだ。

 具材は、ナスのごときビトー、キャベツのごときノーマ、タマネギのごときカペラ。

 飲んでみると、野菜の甘さが際立つ美味しさだった。

 具材は乳脂で炒められているようだった。


「これは甘いね」


「ん。美味しい」


 リリアは守備範囲が広い。

 お城ならもっと美味しく作りそうなものだ。


 次は、肉料理だ。

 千切りにされた野菜には赤い煮汁がかけられており、肉団子には茶色い煮汁がかけられている。

 まず、肉団子をかじってみた。

 乳脂の風味と肉の旨み、濃厚な出汁の煮汁が、とても美味しい。

 少し味が濃いが、十分美味しい。

 付け合わせは、ダイコンのごときヨグリと、キュウリのごときナッセの千切りだ。

 味付けは辛口で、トウガラシ系の辛さだ。

 だが、程よい清涼感を与えてくれる。


「これは美味しいね」


「ん。すっごく美味しい」


 リリアの笑顔に癒やされる。

 領主様が声を上げた。


「では、菓子の準備をして貰おう」


「かしこまりました」


 俺とアイロスは席を立ち、部屋を出て調理場へ急ぐ。

 調理場に着き、生クリームを泡立てる。

 アイロスが盛り付けをしてくれる。


 生クリームを絞り、わらび餅を乗せて、ヨーデルソースと黒蜜をかける。

 よし、完成だ。

 メイドに菓子を託して4階の部屋に戻る。


 部屋に戻り、着席する。

 ヨーデルパフェが配膳し終わったあたりで、領主様が声を上げる。


「菓子のコンテストで優勝したヨーデルパフェという菓子だ。《竜の跳ね鳥亭》の料理番、キョウスケに説明をして貰おう」


 俺は立ち上がり、一礼した。


「これは、ヨーデルパフェといいます。上から順に、生クリーム、わらび餅、ガトーショコラ、スポンジケーキ、コーンフレークの順に入っています。どの順番で食べるのも自由です。ごゆっくりお楽しみ下さい」


 俺は着席させて頂いた。

 みんな食べ始めたので、俺もヨーデルパフェを食する。

 具材はどれも美味しく、ヨーデルソースが味を纏め上げている。

 うん、最高に美味しい。


「キョウスケ。すっごく美味しい」


「そっか。お口に合って嬉しいよ」


 周りの人の反応はと言うと……。


「透明の菓子だなんて、初めてだわ」


「この黒い菓子は味が強いぞ。おおい、茶をくれ!」


「見た目が美しいわね」


「底のサクサクした菓子が美味ね」


 どうやら、ヨーデルパフェを楽しんで頂けたようだ。

 そしてみんなが食べ終わったあたりで、領主様が声を上げた。


「ヨーデルパフェは実に美味であった。さすが優勝しただけはある。これからもたゆみなく努力するが良い」


「もったいないお言葉でございます。これからも力を尽くします」


「うむ。では、これにて昼食会を終了する。皆の者、ご苦労であった」


 領主様と奥方が退室していく。

 それを見送ってから、俺達は小姓に呼ばれた。


「お召し替えをお願い致します」


 俺達は先程の部屋へ男女別で入り、着替えをした。

 女性陣が出てくるのを待って、城の外に出る。

 その出入り口で、紫色の生地に金色の刺繍の制服を着た騎士が、3人たむろしていた。


「あんた達ってアレだろ? 菓子のコンテストで優勝したっていう、どっかの料理屋の料理番だろ?」


 なんだか態度が悪いが、無視するわけにもいかない。

 俺は一歩前に出た。


「そうです。《竜の跳ね鳥亭》の料理番のキョウスケといいます。何か御用でしょうか?」


「俺らは第一騎士団の騎士さ。ローガンが配ってた菓子ってあんたらの店の菓子だろ? 第三騎士団を虜にするなんて、随分商売が上手いんだな」


「おっしゃってる意味が分かりかねます。確かにローガンに焼き菓子をお渡ししましたが、何かありますか?」


「べっつにぃ~」


「お前、食えなかったからちょっかい出してんのか? ローガン怒らすと怖いぜぇ~」


「お前ら、小姓が困ってるじゃんか。帰してやれよ」


「ちっ! 次に配るときはもっと大量に用意しろよな!」


「優勝した菓子って言うのに興味があるだけだよ。気にしないでくれ」


「帰っていいよ~」


 俺達は一礼して、小姓の指し示すエミューの車に乗り込んだのだった。

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