菓子のコンテスト、中盤
「それでは、菓子の解説をお願いいたします!」
「丸く焼き上げたサフアの生地に、牛の乳で作った凝乳を入れ込みました」
「ほう、柔らかい生地ですな」
「まん丸の形でも焼きむらもなく、これは苦労したことでしょう」
「中身の凝乳が少し水気が多すぎるように感じました」
「まん丸の形は評価出来るが、味は普通ですな」
司会が出て来て、声を上げる。
「では次に参りましょう。4番、夜の王冠」
メイドが出て来て、順番に菓子を配膳していく。
「菓子の解説をお願いいたします!」
「3色の団子になります。餡はミロ、タペ、牛の乳から作った凝乳の3種類になります」
「3色に団子を染める手法はよく見られます」
「団子の味は美味しいですな」
「少しありきたりな気がするわ」
「味は悪くありませんが、ありきたりです」
団子に対して、厳しい感想が相次ぐ。
でも団子に工夫を凝らすのって、難しいぞ。
「では、次に参りましょう。5番、団子村。菓子の配膳をお願いいたします!」
俺はここで離脱だ。
壇上の後ろを通って、調理場へ駆け込む。
しっかり生クリームを泡立てて、菓子を盛り付けていく。
出来上がったら、メイドに託して、壇上に戻る。
「では、次に参りましょう。6番、竜の跳ね鳥亭。菓子の配膳をお願いいたします!」
メイドが順番に菓子を配膳していく。
「では、菓子の解説をお願いいたします!」
「これはヨーデルパフェという菓子です。上から、生クリーム、わらび餅、ガトーショコラ、スポンジケーキ、コーンフレーク。上からヨーデルソースと、黒蜜をかけています。どの順番で食べるのも自由です」
「これは見た目も美しい」
「茶葉のヨーデルか。味は……これは美味い!」
「このサクサクとした菓子は何で作っていますか?」
「それは、イリュームになります」
会場がどよめく。
「この煮汁も中身も美味だわ」
「美味でした。これからヨーデルの菓子が世の中に出回る事でしょう」
また、会場がどよめいた。
辛辣な感想しか言っていなかった貴族が、美味と認めたのだ。
「では、次に参りましょう。7番、星くずの道」
メイドが順番に菓子を配膳していく。
「菓子の解説をお願いいたします!」
「煮汁に団子を沈めた菓子になります。煮汁はタペを使用しており、団子には各種の野菜を練り込んでおります」
「これはメイリグね。こっちはテーペだわ」
「これはダイナが練り込まれておりますな」
「これは美味しいわ」
「煮汁が秀逸です。《星くずの道》は、過去に優勝したこともあります。流石と言うべきでしょう」
野菜の団子ではなく、煮汁を褒めるのか。
俺は食べてみたいぞ。
「では次に参りましょう。8番、常夏の花。菓子の配膳をお願いいたします!」
メイドが順番に菓子を配膳していく。
「菓子の解説をお願いいたします!」
「これは、蒸し饅頭です。中身の餡に、メイリグ等野菜を使用しております。皮にはミロを練り込んでいます」
「これは美味ですな」
「ミロの食感が心地良いわ」
「野菜の餡も甘くて美味です」
「非常に調和の取れた一品でした」
野菜の饅頭か。
結構美味しそうだ。
「では、次に参りましょう。9番、ジャンボロ。菓子の配膳をお願いいたします!」
メイドが順番に菓子を配膳していく。
「菓子の解説をお願いいたします!」
「これは、揚げた饅頭です。餡に、蜜漬けにしたリューカの肉を細く裂いて使用しています」
「これは不思議な味ね」
「美味しいと思う」
「甘い肉とは、面妖ですな」
「試みは評価出来ます。調和まであと一歩ですね」
蜜漬けにしたリューカの肉か。
どんな味なんだろう。




