お泊まりの日
箱をぱかりと開くと、首飾りであった。
「これ……アミュレットだ」
「うん。護符が埋め込まれているそうだよ。リリアの安全を願って、アミュレットの首飾りにしたんだ。受け取ってくれるかい?」
「こんな大きな石……高かったでしょう?」
「俺は給料の使い道がないから、丁度良かったよ。リリアが喜んでくれるなら、安いもんさ」
「嬉しい。財宝漁りにとって、アミュレットの首飾りは憧れなの。着けてくれる?」
俺はリリアに首飾りを装着した。
紫色のアミュレットが、よく似合っている。
「とても似合っているよ。これからもリリアが元気でいられますように。おまじないだね」
俺達は笑い合い、酒を酌み交わした。
しばらく雑談を楽しみ、午後8時の鐘が鳴ったので、軽く片付けて、2階へ上がった。
「ここが、俺の部屋だよ。どうぞ入って」
「お邪魔します」
リリアが部屋に入り、ベッドに腰掛ける。
リリアの隣に腰掛けた俺は、雑談をすべく口を開いた。
「リリアの泊まっている宿屋も、こんな作りかい?」
「わたしの泊まっている部屋は、4人部屋。2段ベッドが二つある」
「へえ、そうなんだね。仲間とリリア、仲良さそうだもんね」
「ん。今日は帰らないって言ったら、たくさん助言をくれた。わたしの覚悟は出来ている。シャワーを借りて良い?」
「うん、こっちだよ」
俺は浴室に案内した。
「これがバスタオルと石けんね。シャワーの使い方は、このノブを右にひねるとお湯が出るよ」
「ん。わかった」
「俺は部屋にいるから、ごゆっくり」
俺は部屋に戻り、落ち着かない時間を過ごした。
半刻程経って、リリアが戻ってきた。
なんと、パジャマ姿である。
「お待たせ。良いお湯だった」
「寝巻き姿も可愛いね。じゃあ、俺もシャワーを浴びてくるよ」
「ん。待ってる」
俺は部屋にリリアを残し、浴室でシャワーを浴びた。
心臓が波打つ。
リリアが可愛くて仕方ない。
俺は胸を高鳴らせて、部屋へ戻った。
「お待たせ」
「ん。隣に来て」
俺はリリアの隣に座った。
「わたしを、キョウスケのものにして。わたしは、キョウスケが大好き」
「ありがとう。俺もリリアが大好きだよ」
俺はリリアを押し倒し、口づけをする。
リリアは嫌がらず、俺に抱きついてきた。
俺は胸がいっぱいになって、リリアを強く、抱きすくめた。
その後のことは、秘密である。
俺達は最高に幸せな一夜を過ごした。
翌朝、午前5時の鐘が鳴り、俺は目覚めた。
隣には、未だ全裸のリリアがいる。
俺はそっとリリアを揺り動かす。
「朝だよ、リリア。俺は仕事だけど、リリアは寝ているかい?」
「起きる……。目が覚めた。今、着替える」
「ゆっくりで大丈夫だよ。今朝も可愛いね、リリア」
そっと口づけをすると、甘えるように抱きついてくる。
数回、口づけを堪能して、身体を離す。
リリアはゆっくり、ワンピースに着替えた。
店の前に出て、リリアを見送る。
リリアは照れたような面持ちで、俺を見た。
「なんだか、大人になった気分」
「そうだね。大人のリリアも、魅力的だよ」
「ん。じゃあ、またね」
俺はそっとリリアに口づけをした。
リリアも瞳を閉じてくれた。
「またね、リリア。気を付けて帰ってね」
リリアに手を振り、調理服に着替える。
さぁ、まずは昨日の後片付けだ。
俺は幸せ気分でいっぱいになりながら、気合いを入れるのだった。




