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74.姐さん

始まってすぐに、スタジアム観客席メイン・スタンドから悲鳴が上がった。

死体が転がったからである。

観覧していた新垣は、村松に、各方面に連絡するように命じた。


 

 ========== フィクションです ===========

 === 主な登場人物 ===

 眩目くらめ真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。

 大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。

 開光かいこう蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。

 志摩敏夫・・・警視庁管理官。

 井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。

 秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。

 井関智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。

 村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。


 辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。

 蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。


 新垣舞・・・捜査四課課長。



 =================================


 午後6時半。プロ野球。クルト-中火戦。

 始まってすぐに、スタジアム観客席メイン・スタンドから悲鳴が上がった。

 死体が転がったからである。

 観覧していた新垣は、村松に、各方面に連絡するように命じた。

 ========


 翌日。午後1時。捜査一課横の大会議室。『プロ野球観戦殺人事件』本部。

 昼食の後、捜査会議が始まった。

 そして、志摩管理官が説明を始めた。

「ガイシャは、漫才コンビ紫トンボの柳生知己。プロ野球が始まった直後に遺体が転がった。場内アナウンスによって、メイン・スタンドの観客は足止め、他の観客は身分証を見せた上で、住所・氏名を記帳後、帰宅。メイン・スタンドの観客は記帳だけでなく、ボディチェックを行った。開光くんの案で、私がスタジアム責任者に承諾させた。ところで、いち早く事件を知ったのは、新垣課長と村松が、たまたま観戦に行っていたことになっている。実は、『取引』があるというタレコミがあって、四課の連中が私服で張り込んでいた。それで、観客の誘導はスムーズに行われた。試合は勿論、順延だ。その取引は、午後8時の予定で、殺人事件が割り込んだ形になった。ところで・・・・。」

 そこに新垣課長が顔を出した。

「呼んだ?」

「呼んでない。」

「蘭子は、性格悪い。でも、そこが好き。」

「抱擁は後にしよう。説明してくれ。」

「膜外構成組の新種の麻薬取引があるから、ってタレコミがあって、村松をレンタルして、応援の振りして、時間を待っていた。そこに悲鳴が聞こえたから、止むなく処理に当たった。メイン・スタンドに残った観客の一人が、私が以前潜入捜査した組の組員碓井だったので、目撃情報を言わせた。碓井は、ガイシャの2列後ろだ。碓井の証言を元に作ったのが・・・。」

 秋野が、慌てて操作して、スクリーンにモンタージュを映した。

「村松と同じくらいの背丈、推定150センチ前後のオンナだ。ヤンキースの女性用キャップと思えると言っているし、後れ毛が見えたらしい。碓井は中学の時肩を痛めて辞めたが野球部だった。動体視力もいい。そのオンナが被疑者かどうかは判らないが、数分前に急いで出口に向かったらしい。ウチの課員に確認したが、判らない、と言う。恐らくトイレで着替えたのだろう。管理官に、『重要参考人』で手配して貰った。」

「凶器が見当たらないな、と思っていたら、ガイシャの体内から、新種の薬物が出てきた。ホシは、取引の薬物を使って飲ませた可能性がある。ヒ素に似ているが、ヒ素より即効性の毒物だ。」と、井関が言った。

「父さん。ガイシャの座席からも出ているわ。失禁したのね。」と、智子が言った。

「大曲。ガイシャの家から、何か出たか?」と蘭子が尋ねると、大曲先輩は得意そうに発言した。

「ガイシャのPCはプロテクトかかってなかったから、探しやすかった。以前、『闇営業』とかいうのが流行ったでしょう?あ、失礼。『闇営業』がばれて、社会問題になって、『闇営業』と言う言葉が流行ったんですが、ガイシャは、同じことをやっていました。営業していた反社は、新垣課長がマークしていた、『膜外構成組』。そして、ガイシャの相方器量ひかるが、頻繁にTV電話をしていたことが、2台目のスマホの履歴から判明しました。」

「大曲、その相方の写真は入手したか?」

「入手するも何も、芸能年鑑に載っていました。秋野、出してくれ。」

 皆、固唾を呑んだ。

 出てきた写真は、碓井が目撃したオンナだ。一見、少年のようにも見える。年鑑の方は、肩の下まで届く黒髪だ。


 =========

 午後4時半。捜査四課。応接室。

 新垣は、碓井と2人で話をしていた。

「碓井。ホシは逮捕に向かった。潜入捜査の任を解く。」

「潜入?何のことです。」

「組を抜けろ。話はつけてやる。」

「話って・・・。」

「タレコミをした人物も判っている。お前は、観戦に行っただけだよな。もう普通に暮らせ。」

「え?」「命令だ。刑事としてでなく、元姐さんの命令だ。姐さんの命令は組長の命令だ。嫌か?」

「いえ。」

「今日は快晴だ、今から墓参りに行こう。組長に報告出来るな?」

「はい。姐さん。」

 ドアにノックの音がした。

「入れ。」

 村松が入って来て、「課長。準備出来ました。私も行っていいですか?」と尋ねた。

「何、言ってる。お前は運転手だ。」「了解しました。」と、村松は敬礼した。


 =============


 午後7時。眩目家。

「碓井は、更生出来るかな?」

「出来るさ。姐さんの命令は、親分、組長の命令も同じだ。ところで、その組長。何で死んだと思う?」

「さあ。」

「腹上死、だ。大丈夫。お前は・・・腹上死なんかさせない。手加減してるから。」


 え?えええええええええええええ!!!!!!!


 ―完―



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