69.想定外殺人事件
「ガイシャは、桑野平吉。学習塾をしていたが、元教師らしい。ガイシャに際立った特徴が1つ。局部が切断されていた。」
========== フィクションです ===========
=== 主な登場人物 ===
眩目真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。
大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
開光蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。
志摩敏夫・・・警視庁管理官。
井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。
秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。
井関智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。
辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。
蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。
新垣舞・・・捜査四課課長。
塩田洋介・・・少年課課長。
=================================
午後1時。捜査一課横の大会議室。『局部破損殺人事件』本部。
昼食の後、捜査会議が始まった。
そして、志摩管理官が説明を始めた。
「ガイシャは、桑野平吉。学習塾をしていたが、元教師らしい。ガイシャに際立った特徴が1つ。局部が切断されていた。」
「局部切断と言えば、『阿部定事件』を思い起こすが、多分類似じゃないだろう。」と井関が言い、「付いてない、のを見るのは初めてだから、詳しく調べました。ホシは、医療経験がある者ではない、気がします。それで、100%ホシはオンナ、だと思います。」と、智子は言った。
「付いていないのは初めて、は余計だろう?」と、井関は言ったが、「正直に言っただけです。」と、智子は言い返した。
秋野は、顔を赤くしたり青くしたりしていた。
「まあ。私も200%、ホシはオンナだと思います。」と、蘭子が言った・
「まあ、私も1000%、ホシはオンナだと思います。」と、入ってきた新垣課長が割り込んだ。
「今時、ヤクザの情婦でもやらないな。」
「まあ、ホシはオンナ、だとして、怨恨の線が強いな。辻さん、ガイシャの近所の評判は?」と、管理官が尋ねた。
「評判はいいようです、ただ、生徒は男子のみ。開校当時、父兄には受験に集中して貰う為と説明していたようですが。変ですよね。」
「変だ。辻さん、近所には、他に教師は?女性教師含めて。」
蘭子の問いにも首を傾げながら、辻さんは、「いません。発見者の隣家の主婦を含めて皆専業主婦です。元教師もいません。」と応えた。
「じゃ、ガイシャの元の勤務先の方を当たって下さい。」
「元の勤務先?」「元学校の先生では?いきなり塾を開く人は少ないと聞いたことがあるので。」
「了解しました。」
「大曲。PC以外にも、何か『恨まれる理由』が見つかるかも知れない。気を配ってくれ。」
「了解。」
午後2時。クルマの中。
また大曲先輩に尋ねようとしたら、「理由?多分、ガイシャは札付きの『スケベ』ってことさ。二階家だから、お前、順番に調べてくれ。俺は、現場の隣の部屋のPCな。」と言われた。
「了解。」
午後3時。桑野家。
二回を調べていた俺は、大発見をした。
階下の先輩に報告をした。
「先輩。これ。二階の奥の部屋の押し入れの一番上の段に書籍があったんですが、その奥にも本が並んでいました。」
「・・・。クルマのトランクにまだ段ボールがあったと思う。それ、持って来て全部入れろ。奥の方の本だけ。あ、ガムテープ。ここのを拝借しろ。」
「了解。」
荷造りが済むと、先輩は、プリントアウトしたリストを見せてくれた。
「自覚してたのかな?『H E N T A I』って入力したら起動したよ。プロテクトかかってたファイルもな。」
午後5時半。捜査一課横の大会議室。『局部破損殺人事件』本部。
村松と管理官が取り調べ室から出てきた。村松は、すぐ出て行った。
「ホシは、男性だった。塾の生徒黒木栄太だった。とんでもない、塾の先生だった。『課外授業』と称して、駅のエスカレーターや女子トイレを盗撮していた。生徒達をカモフラージュに使って。そして、受験勉強の一環として、生徒達に『性教育』し、男性だけのハーレムを作っていた。辻さんによると、他の自治体で二回、女子生徒に悪戯した事で懲戒免職を受けている。それで、方向が歪んだ。ホシの黒木は、『先生を独り占めしたかった』なんて言ってた。後は、塩田さんに任せよう。」
午後7時。眩目家。
「想定外の展開だったね。あれ?」
想定外だった。
蘭子のフラストレーションも貯まっていたらしい。
「夕食は?」
「1ラウンド、終ってからだ。」
蘭子の1ラウンドは3分とかじゃない。1時間だ。
腹減ったあ。
―完―




