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68.BFF殺人事件

ガイシャは、あらがきまいこ。あらがきと言っても、新垣課長のあらがきではなく、荒い垣根の、荒垣。まいこは、舞妓さんのまいこ。

 68.BFF殺人事件

 ========== フィクションです ===========

 === 主な登場人物 ===

 眩目くらめ真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。

 大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。

 開光かいこう蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。

 志摩敏夫・・・警視庁管理官。

 井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。

 秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。

 井関智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。


 辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。

 蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。

 神道助六・・・捜査二課課長。

 新垣舞・・・捜査四課課長。

 塩田洋介・・・少年課課長。


 =================================


 午後1時。捜査一課横の大会議室。『トランク詰め殺人事件』本部。

 昼食の後、捜査会議が始まった。

 そして、志摩管理官が説明を始めた。

「ガイシャは、あらがきまいこ。あらがきと言っても、新垣課長のあらがきではなく、荒い垣根の、荒垣。まいこは、舞妓さんのまいこ。発見者は、検問中で待機していた後続車ドライバー。そのトランクのクルマのドライバーは、新貝恵美子。新貝は、夫の彰とドライブの帰りだったそうだ。ガイシャは、車体後部のトランクに閉じ込められていた。布地がトランクからはみ出ていたんだ。警察官は、まだ息があると見て、救急車を呼んだが、搬送中に亡くなった。救急隊員が、かろうじて聞き取れたのは『やられた』。閉じ込められた車の持ち主、ドライバー小郡計は、いつ入れられたか知らない、と言う。詰まり、盗難車ではない。問い詰めたら、路上に駐車していたらしい。自宅前にも一台、近くの駐車場に一台、小郡は、三台目を路駐していた。」

「車庫証明違反だわ。」と、村松が憤慨した。

「うむ。それで供述が曖昧なので、『貴方が殺人犯人ですか?』と尋ねたら、その違反を認めた。」

「自業自得だな。」

「問題は、荒垣は、一軒おいて隣なんだ。新貝家は。辻さん、念入りに聞き込みして下さい。新貝彰は私が調べよう。村松、嫁さんの方は頼む。」

「私、一人ですか?」

「呼んだ?」と言って新垣と、少年課の塩田が入って来た。

「塩田さん、新垣君と村松連れて、別件で尋ねて欲しい。少年誘拐犯がうろついているから、と。」と、管理官は言った。

 何故かな?と思っていたら、蘭子が「実は、ドラレコに映って話している恵美子は、高級な装飾品をしていた。普段、内職として、『クルト』販売員をしている。クルトって、そんなに儲かると思うか?真・・・眩目捜査員。」と横から言った。

「じゃ、課長。俺と眩目はガイシャ荒垣家だな。」と決めつけ、俺と、ガイシャの家に向かった。


 午後2時半。荒垣家。

 だだっ広い。荷物が少ない。いつかのことを思い出した。

 台所に入ると、大曲先輩は、床下収納庫から、USBメモリを取り出した。

 埃のたまり具合が違うからか。

 そして、自室らしい部屋のPCにメモリを差し込んでから、起動させた。

 プロテクトがかかっている。パスワードは?

 大曲先輩は、暫く考えて、パスワードを打ち込んだ。

『Y A R A R A T A』

 起動した。「本体で起動出来ても、違うファイルしか出てこない。このUSBのファイルも本体からは部分的にしか見えない。


 ええええ?救急隊員が聞いたのは、ただのダイイングメッセージじゃ無かったんだ。


 午後5時半。捜査一課横の大会議室。『トランク詰め殺人事件』本部。

「まさか、殺した相手を運ぶ途中で検問にかかるとはな。塩田課長が話をしている間に、新垣課長と村松が売春組織のリストを見付けた。新貝家と付き合っていた新垣は、公安の捜査員だった。新垣は、すぐ隣の、元岸部家を捜索していたが、主人が死んで、家人は引っ越して行った。本命は、新貝家だった。今、繋がっていた組に四課が向かった。」

「BFFって、今流行りの、『best friends for eber』じゃなかったんですか?」と、智子が尋ねた。

「Buy and Sell Find Form だそうだ。」と大曲先輩は、USBメモリの資料のことを言った。

「新貝は、智子の言う方のBFFの話題でカマをかけて、拷問されてクルマに押し込まれた、という事だ。やられた、には、不意を突かれた、という意味もあったが、万一の時のパスワードでもあったんだ。よくやった、大曲。それから、村松もな。」

「いいえ、塩田さんの話術のお陰です。まあ、食器棚にリストがあるなんて、思いもしなかったけど、新垣課長が、妙に食器棚に目線が動くのを察知したこともあって。」

 蘭子は、口角を上げた。


 午後7時半。眩目家。

「何、探してるの?」

「お前が何か隠してないか、と思って。ないなあ。」

「村松、気遣い、凄いね。」

「ああ。塩田さんにもお世話になってるからな。最初、所轄から異動させた時、少年課だったんだ。」

「知らなかった。」

 俺も、生活安全課からの異動だった。


 午後8時半。夕食を終え、2人で入浴していると、村松から電話がかかってきた。

「気にするな。お前は役に立っている。3〇やるか?」

「意地悪。」と言って、電話は切れた。


「さあ、ボディチェックの時間だあ。」蘭子の目は輝いた。


 ―完―



 







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