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45.集金社員殺人事件

ガイシャは、垣田恒也。新聞を口にねじ込まれて亡くなっていた。発見者は、新聞配達員の斉藤慎二。煌々と灯りが見え、朝イチでゴミ出しでもしたのかな?とポストに新聞を入れようとしたら、玄関が少し開いていたので門扉から玄関引き戸に近づき、異変に気づいた。

 

 ========== フィクションです ===========

 === 主な登場人物 ===

 眩目くらめ真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。

 大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。

 開光かいこう蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。

 志摩敏夫・・・警視庁管理官。

 井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。

 秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。

 井関智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。


 辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。

 蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。



 村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。


 =================================


 午後1時。捜査一課横の大会議室。『集金社員殺人事件』本部。

 昼食の後、捜査会議が始まった。

 そして、志摩管理官が説明を始めた。

「ガイシャは、垣田恒也。新聞を口にねじ込まれて亡くなっていた。発見者は、新聞配達員の斉藤慎二。煌々と灯りが見え、朝イチでゴミ出しでもしたのかな?とポストに新聞を入れようとしたら、玄関が少し開いていたので門扉から玄関引き戸に近づき、異変に気づいた。隣家に声をかけ、110番して貰ってから、自分は配達に戻った。今、開光君が面談をしている。大曲君と眩目君は、会議が終わり次第、ガイシャのPCその他を調べてくれ。井関さん、窒息死に間違いないね。」

「ええ。まるで、ドラマみたいですが。新聞は、一枚ずつ水に濡らして押し込まれていました。殴打してから突っ込んだのでしょう。ゲソコンはありませんでしたが、少し離れた所にタイヤ跡がありました。まあ、盗難車ならどうしようもないが、調べています。」

「辻さん。ガイシャはMHKの営業課長だとか。」

「ええ。お隣の草間さんによると、最近は民間の下請けは使わないそうで、営業部員が受新料を徴収しているとか。怨みを買う商売には違い無いですね。裁判に勝った実例があるものだから、凄く尊大にしているらしく、ご近所には優しいが、受新料で揉めている人と軒先で大げんかして、裁判にかけるぞ、って脅す場面を何度も見たそうです。」

「総理は、MHKを解体する計画らしいが、ギリギリまで、そんなトラブル続くんだろうなあ。MHKが放漫経営しているのをみんな知ってるのに。」と、大曲先輩は正論を言った。

「うん。俺も同感だ。辻さん、会社に、ガイシャの訪問先リスト出して貰ってくれ。」

「了解しました。」


 午後2時。垣田家。

「大体サア、徴収の仕方エグイよ。まるで反社のミカジメ料だ。何が『皆様のMHK』だよ。社員、国会議員より高給取りらしいぜ。」

「そうなんですか。」

「会長は、輪をかけて高給取り。普通の会社なら倒産か、責任者クビ。」

「そうですね。」

「裁判でMHKが勝ったのは、たった1例。でも、弁護士は怖がって、どんなケースでも請求されたら払いなさいって説諭して、訴訟を引き受けない。」

「酷いな。」

「大抵の場合、金に余裕のある家は払う。無茶言われるから訴えるが、金は余裕がない。結局、泣き寝入りだな。」

「解体、一択ですね。外国人はタダらしいですよね。理不尽だ。」

「だから、ザマア殺人・・・って言うと・・・蘭子に言うなよ。」

「言いませんよ。あ。」

「どした。」「この法律の本に一杯、書類挟んであります。」

「被疑者、一杯だな。こっちも、わんさか。今、コピってる。」


 午後4時。捜査一課横の大会議室。『集金社員殺人事件』本部。

「まるで、被疑者の万博だな。手分けして、消し込んで行くしかないか。あ。インターホンは?大曲。」

「電源がオフ。ガイシャが切ったんでしょうね。隣家の草間さんの奥さんが言ってたトラブルの画像が、最新。1ヶ月前。」

「明日、その人物と弁護士に会ってくる。弁護断った弁護士な。みんなは消し込み作業してくれ。他の者に訪問を割り振ってたら除外していい。」


 翌日。午後3時。捜査一課横の大会議室。『集金社員殺人事件』本部。

「蘭子せんぱぁい。面会ですぅ。」

 相変わらず、みちるは気色悪い。直接言えないが。差別になるし。

「ちょっと、行って来ます。」と、蘭子は咳を外した。


 午後3時半。

 蘭子が戻って来た。

「分身砲で有名な、習慣分身の記者だった。裁判を頼んだ三上栄太氏、生活が苦しくて、息子の慎二と交替で新聞配達をしていた、と記者は言ってる。慎二の母親の姓は斉藤だ。昨日、私が面談した相手の名前と同じだ。」

「じゃ、斉藤慎二がホシ?」と俺が言うと、「違う。慎二は父親の栄太だと思い込んだ。」と蘭子が言い、「父親も慎二がホシだと思い込んでいた。」と、管理官が言った。

「第三の男、は弁護士だったよ。」と、取り調べ室から出てきた大曲先輩が言った。


「たった一例で全てが決まるのか?会長は横領もしているのに、って三上に言われて、考え直した。深夜に待ち合わせ、ガイシャを訪れて、ガイシャは泥酔の為、転んで頭を打った、三和土にな。弁護士依田は、悔し紛れに、側にあったバケツの中の、花にくるんだ新聞を口に突っ込んだ。もう死んでいると思い込んで。」

「さっさと119番していれば、こうはならなかったろうな。」と、蘭子が言った。

「仏壇の花は枯れていた。花は取り替える積りだったんだろう。」と、井関は溜息をついた。


 午後6時半。眩目家。

 今夜は、蘭子が落ち込んでいるので、俺が、チャーハンを作った。

「旨いな。お前ほどじゃないが。」と、蘭子は舌なめずりをした。


 まるで、獲物を狙う猫だ。


「ガ、ガーリック効かせておいたから。」


 早く明日にならないかな。


 ―完―




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