285.反対側の証人
「酔っ払いかな?」
「確かめようぜ。」
小室が到着地点から、立花が登り階段で階段から見に行った。
下からは見えなかったが、胸にナイフが刺さっている。血も滲んでいた。
小室は迷わず110番通報した。
========== フィクションです ===========
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※警視庁捜査一課。蘭子が課長になる前は、課長が全部一課を仕切っていた。当然だが。
だが、村松のいた所轄でパワハラ・イジメがあり、合同捜査に訪れた際に、当該の相手数人の股間を蹴った為、警視庁内で問題になった。
懲戒解雇になる替りに、一課の決裁を各係長が受持ち、蘭子は「お飾り」の「窓際族」になった・・・というのが、表向きの情報。本来の階級は警部だったが、降格になった。
実は、志摩管理官が「自分の監督下」に置くという名目で、「特殊捜査チーム」を結成した。蘭子の判子は、各係の係長が持ち、替りに決済印を押す。蘭子は特殊捜査チームの長として指揮を執っている。
従って、ドラマ・映画のような「大事件の時だけの捜査本部」は置かない。
大会議室は、特殊捜査チーム専用である。
事件は頻繁に起こるので、大会議室が一日中空っぽなのは、希である。
俺は、「ちょっとしたこと」があって、課長の夫である。
課長の元カレである、大曲先輩とコンビを組んでいる。
この物語は、蘭子の特殊捜査チームの活躍のお話である。
※「暴力団対策課」は、敢えて「旧捜査四課」として扱っています。
※警視庁で痴漢被害の相談・対応を主に行っているのは、各警察署の生活安全課です。
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午後3時。ある小学校近くの公園。
小学生立花英介と小室健太が、放課後、遊びに来たら、滑り台の出発地点に人が寝そべっている。
「酔っ払いかな?」
「確かめようぜ。」
小室が到着地点から、立花が登り階段で階段から見に行った。
下からは見えなかったが、胸にナイフが刺さっている。血も滲んでいた。
小室は迷わず110番通報した。
30分後。機捜と鑑識が到着した。
「通報してくれた小室君と立花君。君たちの学校の通学路だよね。」
「はい。帰校の時は、何も無かったです。一旦家に帰ってから、着替えて出て来たら、酔っ払いみたいな人を見かけたんです。」
「時間、どれくらい?」
「40分位かな?メールで連絡取って、ゲーセ・・・あ。」と、立花は言い淀んだ。
「ゲーセンのことは言わないよ。事件のことと関係ないだろうし。死体、触ってないよね?」
「「はい。」」
「赤井。殺害現場だな。ゲソコンがあったよ。」
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午後1時。捜査一課横の大会議室。『滑り台死体遺棄事件』本部。
「ガイシャは、スーパー・ヤマショウの社長、山根翔太。有名人な為、発見者の小学生が教えてくれた。今、国会では、「減税法案」の審議をしている。そして、反対派の証人としてガイシャが呼ばれ、『減税』は効果がない、と言い出した。反対派でない経済評論家は、『恒久でなく期間限定だから効果がない。揺れ戻しが来るというのはおかしい。景気の底上げが大事で、期間後のことは、期間内になってから議論すべきだ。時間稼ぎの言い訳に過ぎず、次の政権でひっくり返す画策が見え見えだ』と、言われている。彼を殺害したら、『不買運動』に参加している者達にやられた、と思えなくもない。あ、井関さん、凶器は?」
「胸に刺さっていたナイフ。アーミーナイフ。ゲソコンは見つかったが、無関係かも知れない。狭い空間だから、プロだろうな。」
「辻さん達は、ヤマショウに行って下さい。あ、村松も行け。大曲達は、山根家へ。日の丸テレビの近くだ。ヤマショウがテレビに御用達にされるのは、この地の利だろう。」
「「「了解!!」」」
午後2時半。クルマの中。
「やだなあ。すぐストだものな。」
俺のつぶやきが聞こえたのか、運転中の先輩は言った。
「『不買運動』している人に狙われるぞ。代表ツラして国会に出てたけどさ。あれじゃあ、減税したら損するからどうぞ据え置きか増税してくれって言っているようなものだ。スーパーは特売で値下げした商品、滅多に売り残さないだろう。生鮮品は難しいけどな。」
「ですね。」
「詰まり、減税して儲からない店は無いんだ。一時的でも、ストックがあれば儲かる。困るのは、日本ではただ1つ。税務省だ。利益膨らませてのうのうと暮らして行ける特権階級だ。酒井に聞いたけどな。スーパーのPOSレジには、消費税設定プログラムが既に込み混まれていて、変更する税率を既存の税率に『上書き』するだけでいいらしい。勿論、レジ係に変更する権利はない。新しい税率が0%でも1%でも15%でも同じ。『足し算』してきていないから、引き算もしなくていい。アナログ野郎には分からないけどな。」
「敢えて、ソンする様なことを何故?」
「カネか圧力か、だろうな。前から言われていたんだ。市場調査だって言いながら、何故いつも同じスーパーなんだ?って。アンケートでも取材でもない。ヤラセだ。」
午後3時半。山根家。
やっぱり。
人影が見えたから、もしやと思っていた。
俺と大曲先輩は、クビを吊ろうとしていた夏子夫人を降ろした。
そして、大曲先輩は説諭を始めた。
「ご主人は庶民的な方だと伺っております。会社を大きくするには、ご苦労があったと思います。あの発言も、進んで言ったとは思えない。きっと、言わせた人間が裏切ったんですよ。我々は、敵討ちは出来ません。でも、捜査することで、真実に到達するかも知れません。」
「分かりました。お任せします。」
夫人は、俺と先輩の両腕をしっかり握った。
暖かい手だった。
書斎に行った先輩と別れて、アルバムを見せて貰った。
「これが、会社の慰安旅行。これが、組合の旅行。」
「両方に出ている人が2人いますね。」
「片方が、専務をしている義弘。もう片方が一号店の店長の蜷川。」
先輩が書斎から呼んだ。
「今回は、ハッキングらしき形跡がない。酒井達は要らないな。奥さん、町谷匡って人、ご存じですか?」
「確か、1年前に退職した方ですね。主人と喧嘩したらしいことは覚えています。」
先輩は、急いで神道課長に電話した。
「マチムラの町に、ヤマタニの谷、ただすは、国の、一本線がない奴です。」
午後5時。捜査一課。第二応接室。
「メールで会う約束した町谷が怪しいな。」
その時、館内電話が鳴った。
村松は、スピーカーをオンにした。
「いたよ。町安って名前に変えていた。闇金の闇でお馴染みの桐生KK。風間法助だ。スーパー止めて、ビットコイン詐欺が得意だったらしい。指名手配して貰った。」
翌日。午前10時。捜査一課。蘭子のデスク。
館内電話が鳴った。
村松がスピーカーをオにンした。
「見つかったよ。別件があるから、終わったら、すぐ献上するよ。」
「了解。」
午後3時。。捜査一課横の大会議室。『滑り台死体遺棄事件』本部。
取り調べ室から、神道課長、越前屋課長、皇係長、紅林係長、蘭子、管理官が出て来た。
神道課長、越前屋課長、皇係長、紅林係長は、すぐに出て行った。
「ホシは、町谷匡、風間法助だった。町谷は、仮想通貨のことで叱責、解雇された。そして、先日照テレビでガイシャを観た。根に持っていた町谷は友人の風間似相談。脅す積りで、公園に連れて行った。だが、揉み合う内にナイフが刺さった。2人は逃げた。風間の会社内で潜伏していた町谷は、フリーズしたそうだ。逆恨みだよ。」
「管理官、俺が家族に連絡します。」
「大曲君、よろしく頼む。」
午後7時。眩目家。
「結局、減税とは関係無かったんだね。」
「私とは、いい関係だよな。ベイベつくろうぜ。」
単刀直入だなあ。
―完―
※今回の登場人物(順不同)
=== 主な登場人物 ===
眩目真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。
大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
開光蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。
志摩敏夫・・・警視庁管理官。警視正。
井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。警部補。
秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。巡査。
新山ひかる・・・警視庁鑑識課課員。巡査。
村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。巡査部長。
蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。巡査。
神道助六・・・捜査二課課長。警部補。
赤井悦夫・・・第三機動捜査隊の警部補。
皇信也・・・捜査一課第二係係長。警部。
紅林新太・・・捜査一課第四係長。警部補。
※他の作品やエピソードにも書いていますが、『レジ改修』や『反対側の証人』には、経験上、大きく不満があります。
スーパーにもITにも仕事経験があるので、現場置き去りの議論・体勢には、一家言あります。間違いがあるようなら、訂正または修正します。
クライングフリーマン




