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サイバー犯罪対策課課員

大人の男性が進行方向に進入した乗用車と、反対方向から新入、詰まり逆走してきたトラックに挟まれ、死亡した。2台のクルマは『無人運転』だった。

殺されたのは、私の主人、酒井有紀だった。


 

 ========== フィクションです ===========

 =================================

 ※警視庁には、色んな課がある。

 私は、ひょんなことからサイバー犯罪対策課課員になった。

 サイバー犯罪対策課課員とは、民間採用事務員、総合職である。

 処遇は、係長クラスである。私は、事件を通して、警察と関わることになった。

 ===========

 2026年7月19日。午前8時。ある一方通行の路地。

 大きな爆音と共に、トラックと乗用車が正面衝突した。

 小学生が110番通報し、機動捜査隊と鑑識課が到着し、『正面衝突』事件が明るみになった。

 事件、ただの事故では無かった。

 大人の男性が進行方向に進入した乗用車と、反対方向から新入、詰まり逆走してきたトラックに挟まれ、死亡した。2台のクルマは『無人運転』だった。

 殺されたのは、私の主人、酒井有紀だった。

 私は酒井優香。夫婦で似た様な名前なので、よく揶揄われた。

 事件の概要は、捜査一課課長開光蘭子から連絡を受けた社長が電話をしてきて知った。


 午後3時。酒井家。

 私は待機して、来訪した警察官に毅然として言った。

「今、社長さんから電話がありました。主人に間違いないようです。私は、会社の内と外にスパイがいると思います。ドローンのシステムは、主人が開発したんです。」

「じゃ、そのシステムに殺されたんだと?」

「その通りです。えっと、システム担当の刑事さん、大曲さん・・・で良かったかしら?」

「はい。」

「じゃ、相棒さんは2階の方をチェックして下さいな。」

 そう言って、私は、3つのPCの電源を入れ、パスワードを打ち込んで起動させた。

「こう見えても、わたし、主人と同じIT関係の学校の卒業生なんです。会社も同期入社。主人と私の決定的な違いは、私が世間に揉まれてきたこと。胸も揉まれたけどね。あ、笑っていいですよ。」


 相棒さんが、葉書ホルダーとアルバム持って降りた来た時、優香夫人は、3台の内、2台のPCのキーボードを叩きまくっていた。私は犯人に利用されて殺されたショックよりも、システムを利用された悔しさで一杯だった。泣いている暇なんかない。絶対、犯人を追い詰めてやる。

「こう見えて、私、ネットに100人ほどフォロワーがいるんです。で、名探偵気取りのが、色々言ってくる。大曲さんなら、どうされます?」

「五月蠅い、って、黙らせます。」

「御意!!」と言ったかと思うと優香夫人はマイクに向かって、「黙れ!!」と、一喝した。マイクは、音声認識アプリと連動している。

 沢山見えていたメールやメッセージがいっせいに閉じた。

「「すげえ。」」

 2人は、期せずして唱和した。

 こんな未亡人がいるだろうか?心の中で自嘲した。そして、声に出した。

「いるのよ、ここに。大曲さん、眩目さん。犯人を逃がさないで。それが唯一の弔いよ。」

 私は、涙を拭おうともせず言い切った。

 アラームが鳴った。

「来たわね。2人とも、簡単に説明するから指示に従って。眩目さんは、このPC担当。」

「「はい。」」


 私は、隣国語で大声でマイクに向かって叫んだ。


「<〇×□□□※#%&××〇&$□〇〇>!!!!!!!」


 途端に、直前まで画面に広がっていた妙な文字や絵が消えた。

「「どういうことです???」」


「撃退したのよ、クラッカーを。主人は、サイバーアタックしたことに気づかなかった。だから、おびき出されて、現場に行った。大曲さん。課長さん。社長と大曲さんの話を突合(とつごう)すると、無人のクルマ2台に挟み撃ちにされたんですよね、主人は。」

「はい。」

「何故、ピンポイントに主人は行ったのかしら?」

「あ、そう言えば・・・。ただ、歩いていただけなら、小学生の様に脱出出来たかも知れませんね。」

「私は、主人がいなくなってから、徹夜で解析していた。自動的に消える暗号メールがあった。復元した文章がこれ。」

 優香さんは、自分が操作しているPCにメールっぽい文章を表示した。

『お前が紛失した筈の情報の入ったSDを、この場所に置く。指定時間に取りに来ないと処分する。』


「「えええっ!!」」

「じゃ、ご主人はおびき出されたんですか?」

「SDを拾って確認している間に、自分が作ったシステムを使った自動運転、いや、リモート運転で2台の車に挟み撃ちにされ、殺されたのか。」

「救急隊員が消防士から主人をリレーされた時、ぐったりしていた。SDはどこ?」

「落ちていたら、報告を受けていた筈だが・・・え、ひょっとして?」

「消防士が?でも、緊急車両は随時急行では?」

「管轄があるわよね、大曲刑事。」

「はい。」


 当該時間に出動出来る消防署が見つかった。そして、『仮想通貨』で『借金』がある消防士が見つかった。半グレに利用されたのだった。家宅捜索の令状で、消防署を捜索、警察はSDを回収した。


 サイバー犯罪対策課から捜査一課経由で連絡が来た。。

 サイバー犯罪対策課の倉田課長は、SDの中身を分析、『国際特許申請』に関する書類を見付けた。

「詰まり、ハッキングして酒井さんの発明を入手したものの、国際特許を取らないと商売にならない。だから、抹殺した上で特許を・・・何てことだ!!許せない!!」

 開光課長から連絡を受け・・・泣いた朝まで。

 開光課長、管理官、そして、井関警視監の計らいで、採用試験を受けることになった。

 そして、決心した。


 翌々日。採用試験に合格した私は、別の事件で大曲刑事に再会した。

 法事は、一切、主人の妹に任せることにしたことを報告すると、驚いていた。

 義理の妹は、小姑根性丸出しの、出しゃばりだから、丁度いいのだ。


「チーフ。課長。サイバーアタックです。」

 仲間でも部下でもある香月が言った。

「よし、配置につけ。対サイバーアタック迎撃システム起動!!」と、倉田課長が言った。

「対サイバーアタック迎撃システム起動!!」と、仲間でも部下でもある小室が言った。

「始動!!」私のかけ声で、デュアルシステムの切り替えを行い、『PHP』の脆弱性に付け込んで、システムに入り込んだ『トロイの木馬』ワームを片っ端からパッチプログラムで塞いで行く。そして、解析用履歴を別システムに転送する。

 最後は、解析したURL、詰まり、発信元に『一時的URL』からメールを送る。

『轟天』の文字と日の丸を添えて。


「やったよ、有紀!!!!!!!」


 ―完―


 ※今回の登場人物(順不同)

 === 主な登場人物 ===

 酒井優香・・・サイバー犯罪対策課課員。

 倉田課長・・・サイバー犯罪対策課課長。

 眩目(くらめ)真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。

 大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。

 開光(かいこう)蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。

 志摩敏夫・・・警視庁管理官。警視正。


 香月俊哉・・・サイバー犯罪対策課。巡査。

 小室等・・・サイバー犯罪対策課。巡査。


 ※2025年4月1日。警察庁は1日付で幹部候補となる総合職(キャリア)に女性1人を中途採用したと発表した、という記事が出ました。

「捜査一課ですけど、」でゲスト出演した酒井優香を物語準レギュラーに登場させた所以です。

 この作品に限らず、ネットでの検索結果のみを題材にしています。

 現実と乖離しているかも知れませんが、フィクションとして大目に見てください。

 クライングフリーマン









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