281.医は仁術
午前8時。新丸の内ビルディング(通称新マルビル)。
赤井の部下の勘は当たっていた。
高層階から落下した現場が、そこにあった。
赤井が判別出来たのは、医者の白衣の断片だけだった。
========== フィクションです ===========
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※警視庁捜査一課。蘭子が課長になる前は、課長が全部一課を仕切っていた。当然だが。
だが、村松のいた所轄でパワハラ・イジメがあり、合同捜査に訪れた際に、当該の相手数人の股間を蹴った為、警視庁内で問題になった。
懲戒解雇になる替りに、一課の決裁を各係長が受持ち、蘭子は「お飾り」の「窓際族」になった・・・というのが、表向きの情報。本来の階級は警部だったが、降格になった。
実は、志摩管理官が「自分の監督下」に置くという名目で、「特殊捜査チーム」を結成した。蘭子の判子は、各係の係長が持ち、替りに決済印を押す。蘭子は特殊捜査チームの長として指揮を執っている。
従って、ドラマ・映画のような「大事件の時だけの捜査本部」は置かない。
大会議室は、特殊捜査チーム専用である。
事件は頻繁に起こるので、大会議室が一日中空っぽなのは、希である。
俺は、「ちょっとしたこと」があって、課長の夫である。
課長の元カレである、大曲先輩とコンビを組んでいる。
この物語は、蘭子の特殊捜査チームの活躍のお話である。
※「暴力団対策課」は、敢えて「旧捜査四課」として扱っています。
※警視庁で痴漢被害の相談・対応を主に行っているのは、各警察署の生活安全課です。
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前回のあらすじ。
午前7時。テレビに妙な生中継画面が映った。
午前8時。新丸の内ビルディング(通称新マルビル)。
赤井の部下の勘は当たっていた。
高層階から落下した現場が、そこにあった。
赤井が判別出来たのは、医者の白衣の断片だけだった。
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午後4時。須永病院。面談室。
須永院長と三鷹医師が、開光蘭子と面談していた。
「ウチの新日本医師会は良心的ですよ、開光さん。それと言うのも、三鷹先生のお陰です。流行り病の時、いち早く研究に入った先生は、枠朕の危険性をSNSで情報を集め、医師会に報告していました。どこのメデイアでも医療機関は『枠朕』でひとまとめにしている。でも、半世紀前には存在しなかった技術の枠朕には、大きな欠陥がありました。昔の枠朕は、『不活性枠朕』と言って、鶏の卵を使って実験しながら作ったんです。この流行病は、急速に全世界規模で、いいですか、全世界で、じゃないんです。全世界規模で広まって行きました。そこで、急ピッチで、この新式の枠朕を大量生産することになったんです。子供や高齢者に効くかどうかは、『賭け』でしか無かった。治験者は、健康な若い人なんですから。そして、欧米の一部では、拒絶反応を起こした事例があるのに、『背に腹は代えられない』と輸入して、全国の国民に打たせました。でも、全国の国民ではありませんでした。ホームレスや外国人が接種している映像が流れました。ネガティブ情報を許さない、大きな力が働きました。」
後を三鷹医師が続けた。「日本が、世界で一番多くCTの機械を設備していることは、あまり知られていません。そして、CTの機械で、あの病にかかっているかどうかの判別が出来た、という事実もね。無理矢理あの『試験紙』に頼った、頼らせたんです。そして、変異株が弱体化して遺伝して行く常識を覆して、『より強力な変異株が出現した』というドラマを作り上げたのです。ヨソの国では、もう平定しているのに、とっくに収束、つまり、下火になっているのに、根絶しなければまた、かかる、という宗教めいた、言わば迷信が広まりました。今は、定期接種などと馬鹿げた推進運動をしています。季節性のウイルスはインフルエンザの話です。」
また、院長が替わった。「あの流行病は、ひとつの冬で収まりましたか?何故、毎年、『来るかも知れない』と恐れなくてはいけないのでしょう?2類になったのは、インフルエンザと同様、対処のしようがある、という意味です。毎年やってくるのではありません。サーズはどうだったでしょう?マーズは?人類が根絶させた、ウイルスは天然痘ただひとつと言われています。可能性としては、サーズもマーズも、まだその辺にいます。あの流行り病コロニーも同じです。心配な方には、CTの検査をお勧めしています。ただだからOBQ検査受けますか?CTのように、後から『証拠』が見えないのに。枠朕は本来『免疫力』を高めるものでした。不活性枠朕の時は、『弱体化した本物』だから、免疫が出来たのです。新式は、簡単に言えば、数式です。人間の体は数式で出来ていません。ロボットじゃないんだから。それと、タダではありません、税金から遣り繰りしているんです。話が長くなってごめんなさい。亡くなった、須藤さんに嘆願書を送った団体があります。」
「嘆願書?」
「枠朕の副作用の患者が増えないよう、コロニーの定期接種を止めて欲しい、というものです。これが、そのリストです。」
午後5時半。捜査一課。第二応接室。
「私の、かいつまんだ話が分かり難いようなら、後で録音を聴いて欲しい。須永院長も三鷹先生も、いつでも質問を受付ける、と、おっしゃっていた。」
「で、傍証だな。今回、殺人に半グレは関わっていなかった。だが、今、蘭子が言った団体がCATVを立ち上げたことが分かった。それが、あのCATVだ。殺人が行われた日が、最初に枠朕犠牲者が亡くなった日だ。」と、神道課長が言った。
餅屋係長が、「どうも強盗・監禁に逢った被害者達というイメージが湧かなかった。」と言った。
翌日。捜査一課。蘭子のデスク。
井関課長から館内電話だった。
蘭子は、すぐスピーカーをオンにした。
「被疑者全員、確保した。リストを見せたら、大人しく両手を出した。」
午後3時。捜査一課横の大会議室。『新マルビル殺人死体遺棄事件』本部。
取り調べ室から、井関課長、神道課長、越前屋課長、皇係長、餅屋係長、関口係長、紅林係長、大曲先輩、蘭子、管理官が出て来た。
井関課長、神道課長、越前屋課長、皇係長、餅屋係長、関口係長、紅林係長は、すぐに出て行った。
管理官が説明した。
「ホシは、カメラマンを含む大東亜テレビの社員8名。枠朕定期接種中止嘆願書はガイシャの手に渡ったが、ガイシャは、笑って捨てたそうだ。彼らは身内や知人の復讐をする為に、計画を練って、実行した。やりきれんな。今、幾つもの学会が推奨しているらしい。先頭に立っていたのが、ガイシャだ。もう来ない筈の流行り病で儲ける為に。夕方、記者会見を行う。」
午後5時半。管理官は、オールドメディアの記者会見を行わず、生中継出来るSNSの取材者に向けて記者会見を行った。
そして、最後に、こう言い放った。
「嘘がキライだから、警察官になったんだよ!!!!!!!」
午後5時半。眩目家。
2人は、爆笑した。
「管理官らしくないな。」
「実は、管理官の知人にも犠牲者がいるんだ。体力が落ちて行くにも拘わらず、打ち続けて亡くなった人がいるんだ。オムライス、作れ。今日は、お預けだ。」
わんわん。
―完―
※今回の登場人物(順不同)
=== 主な登場人物 ===
眩目真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。
大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
開光蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。
志摩敏夫・・・警視庁管理官。警視正。
井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。警部補。
秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。巡査。
新山ひかる・・・警視庁鑑識課課員。巡査。
村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。巡査部長。
蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。巡査。
神道助六・・・捜査二課課長。警部補。
赤井悦夫・・・第三機動捜査隊の警部補。
倉田喜一・・・サイバー犯罪対策課課長。警部補。
酒井優香・・・サイバー犯罪対策課課員。
溝内健児・・・生活安全課課長。警部補。
皇信也・・・捜査一課第二係係長。警部。
関口寛也・・・捜査一課第三係係長。警部補。
関口寛也・・・捜査一課第三係係長。警部補。
紅林新太・・・捜査一課第四係長。警部補。
----- ゲスト –----
三鷹医師・・・須永病院医師。
須永光一・・・須永病院院長。
井関花江・・・警視庁警邏課課長。警部。
※私の母は、4回目の接種で食事が出来なくなり、2年間寝たきりを経て、亡くなりました。
医療機関の横暴に、反対します。
クライングフリーマン




