273.オンナのたたかい?
前回のあらすじ。
ビジネスマン春山孝史が異様な光景に出くわした。
野良猫が舐めている物体を見て、死体だと確認した。
春山は、深呼吸して、110番通報をした。
========== フィクションです ===========
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※警視庁捜査一課。蘭子が課長になる前は、課長が全部一課を仕切っていた。当然だが。
だが、村松のいた所轄でパワハラ・イジメがあり、合同捜査に訪れた際に、当該の相手数人の股間を蹴った為、警視庁内で問題になった。
懲戒解雇になる替りに、一課の決裁を各係長が受持ち、蘭子は「お飾り」の「窓際族」になった・・・というのが、表向きの情報。本来の階級は警部だったが、降格になった。
実は、志摩管理官が「自分の監督下」に置くという名目で、「特殊捜査チーム」を結成した。蘭子の判子は、各係の係長が持ち、替りに決済印を押す。蘭子は特殊捜査チームの長として指揮を執っている。
従って、ドラマ・映画のような「大事件の時だけの捜査本部」は置かない。
大会議室は、特殊捜査チーム専用である。
事件は頻繁に起こるので、大会議室が一日中空っぽなのは、希である。
俺は、「ちょっとしたこと」があって、課長の夫である。
課長の元カレである、大曲先輩とコンビを組んでいる。
この物語は、蘭子の特殊捜査チームの活躍のお話である。
※「暴力団対策課」は、敢えて「旧捜査四課」として扱っています。
※警視庁で痴漢被害の相談・対応を主に行っているのは、各警察署の生活安全課です。
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前回のあらすじ。
ビジネスマン春山孝史が異様な光景に出くわした。
野良猫が舐めている物体を見て、死体だと確認した。
春山は、深呼吸して、110番通報をした。
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午後3時半。練馬区。水越家。
大曲先輩が、エミリの自室に案内して貰う時、蘭子から緊急メールが大曲先輩に届いた。
俺は、ちらっと見せて貰った。
『神道から連絡が入った。ガイシャは半グレと付き合いがあった。』
俺達は、何食わぬ顔をして、作業にかかった。
「アルバムと葉書ホルダーをご所望でしたね。この書棚にあります。」
ガイシャは意外にもPCを2台持っていた。タブレットは持っていなかった。
大曲先輩の作業を尻目に、俺は、父親のローランドさんにアルバムを開いて貰った。
「これは、素人考えですが、交際関係に犯人がいる、という方針ですか?」
「確かに、そういう場合もあります。でも、ローランドさん。間接的に関係している場合もあります。極端ですが、小説的な表現をすると、お嬢さんの交際相手のカレシがいて、そのカレシの彼女が妬んで犯行に至る、とか。お嬢さんの交際相手はアルバムの写真に載っていても、妬んだ第三者はアルバムには載っていない。カレシの方を調査して初めて犯人に辿り着く、とか、です。飽くまでも調査資料としてお預かりします。パソコンも、資料として必要なら、預けてくださいとお願いする場合があります。ローランドさんは、貿易会社の専務さんとお聞きしたので、敢えて説明させて頂きました。」
俺が困っているのを見て、大曲先輩が助け船を出した。
「お嬢さんの主治医だった先生は、この中にありますか?」
「ああ。コッチの写真ですね。特に親しかった友人はいませんが、党の先輩に当たるのが、この写真の方です。当麻圭子さんとおっしゃいます。ああ、付箋を貼っておきましょう。葉書にもね。確か2人とも毎年年賀状を頂いて・・・ああ、これだ。」
「助かります。」と、俺は礼を言った。
「恐縮です、ローランドさん。パソコンですが・・・。」
「どうぞ。でも、重いかな。デスクトップだし。」
「ありがとうございます。助っ人を呼びます。」
大曲先輩は電話をかけた。
どうやら、鑑識でなく、サイバー犯罪対策課のようだ。
「うん、頼みます。」
「30分位で来るそうです。実は、ローランドさん。政治家さん関係でパソコンがハッキングされてている例は少なくないんです。犯人は、そっちから来ているかも知れない。」
午後5時。捜査一課。第二応接室。
神道課長が発言した。
「実は、別件で調べている半グレで、木更津交流会というのがある。選挙の時、ボランティアで入り込んでいる。オールドメディアは、すぐそういう類いの個人や団体の、カネの流れを問題にするが、選挙の手伝いはステップに過ぎず、付き合いが始まってから、色々あるらしい。で、ガイシャの党の先輩、当麻とガイシャと三角関係にあったのが、板野敬次。拘留中に吐かせるよ。」
「サイバー犯罪対策課にハッキングされたPCを調べて貰っている。端緒が出るかも知れないな。」と、蘭子が言った。
翌日。午前11時。捜査一課。蘭子のデスク。
館内電話を村松がとり、蘭子に渡した。
蘭子はスピーカーをオンにした。
神道課長からだった。
「実行犯が分かった。木更津交流会と仲のいい、品川五市会という反社崩れだ。崩れ、というのは、まだ反社の『免許』を頂いていない。新垣に連絡したよ。」
午後4時半。捜査一課横の大会議室。『道玄坂死体遺棄事件』本部。
取り調べ室から、新垣課長、神道課長、溝内課長、皇係長、餅屋係長、関口係長、紅林係長、倉田課長、酒井優香、井関課長、大曲先輩、蘭子、管理官が出て来た。
新垣課長、神道課長、溝内課長、皇係長、餅屋係長、関口係長、紅林係長、倉田課長、酒井優香、井関課長は、すぐに出て行った。
管理官が説明に立った。
「先ず、ホシは、祈り紅党の先輩である当麻圭子、木更津交流会の板野敬次、品川五市会の五条圭輔。ガイシャは、村松の報告によると、近所でも評判の『イケイケ』だったらしい。詰まり、評判は悪かった。辻さん達の報告では党では大人しい方だったようだが、皇係長達の報告によれば、他党なら、誰とでも『交際』していたらしい。父親の知らないことばかりだろうな。コロシの原因は、当麻がガイシャの『交際』を注意したことに始まる。当麻の言い分によると、ガイシャの奇行も解党の原因らしい。尚、主治医は関係していなかった。顔や手に行った細工は、ガイシャではなく当麻が猫嫌いだったかららしい。」
「管理官。ローランドさんには、俺から連絡しますよ。」と、手を挙げた大曲先輩が言った。」
「そうか。よろしく頼む。解散。」
午後6時半。眩目家。
「大曲、ローランドさんに惚れたかな?」と、蘭子が言い、「何で?」と俺は尋ねた。
「知らなかったか?大曲はオールラウンドだ。村松とも・・・ま、いいか。」
ええっ!!
―完―
※今回の登場人物(順不同)
=== 主な登場人物 ===
眩目真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。
大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
開光蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。
志摩敏夫・・・警視庁管理官。警視正。
井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。警部補。
秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。巡査。
新山ひかる・・・警視庁鑑識課課員。巡査。
村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。巡査部長。
蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。巡査。
神道助六・・・捜査二課課長。警部補。
新垣舞・・・捜査四課(仮)課長。
赤井悦夫・・・第三機動捜査隊の警部補。
倉田喜一・・・サイバー犯罪対策課課長。
酒井優香・・・サイバー犯罪対策課課員。
皇信也・・・捜査一課第二係係長。警部。
餅屋重樹・・・捜査一課第一係係長。警部。
関口寛也・・・捜査一課第三係係長。警部補。
紅林新太・・・捜査一課第四係長。警部補。
井関花江・・・警邏課課長。警視。井関一郎警視監の妻。




