269.ネコロンダーの残滓
乗用車が突っ込んだ。
職員が、慌てて確認に行って驚いた。
運転席に座っていたのは、学会に所属する小宮山進教授だった。
110番通報をして、職員は首を傾げた。
========== フィクションです ===========
=================================
※警視庁捜査一課。蘭子が課長になる前は、課長が全部一課を仕切っていた。当然だが。
だが、村松のいた所轄でパワハラ・イジメがあり、合同捜査に訪れた際に、当該の相手数人の股間を蹴った為、警視庁内で問題になった。
懲戒解雇になる替りに、一課の決裁を各係長が受持ち、蘭子は「お飾り」の「窓際族」になった・・・というのが、表向きの情報。本来の階級は警部だったが、降格になった。
実は、志摩管理官が「自分の監督下」に置くという名目で、「特殊捜査チーム」を結成した。蘭子の判子は、各係の係長が持ち、替りに決済印を押す。蘭子は特殊捜査チームの長として指揮を執っている。
従って、ドラマ・映画のような「大事件の時だけの捜査本部」は置かない。
大会議室は、特殊捜査チーム専用である。
事件は頻繁に起こるので、大会議室が一日中空っぽなのは、希である。
俺は、「ちょっとしたこと」があって、課長の夫である。
課長の元カレである、大曲先輩とコンビを組んでいる。
この物語は、蘭子の特殊捜査チームの活躍のお話である。
※「暴力団対策課」は、敢えて「旧捜査四課」として扱っています。
※警視庁で痴漢被害の相談・対応を主に行っているのは、各警察署の生活安全課です。
=======================
午前10時。文京区。NPO法人感染研究学会
乗用車が突っ込んだ。
職員が、慌てて確認に行って驚いた。
運転席に座っていたのは、学会に所属する小宮山進教授だった。
110番通報をして、職員は首を傾げた。
若い頃にチャンスを逃して運転免許を持っていなかった、と聞いたことがあったからだ。
30分後。機捜と鑑識が到着した。
「赤井。厄介だ。乗用車がぶつかって死んだんじゃない。殺されてから転がされたんだ。」
「え?」
=================
午後1時。捜査一課横の大会議室。『感染研究学会死体遺棄事件』本部。
管理官が説明を始めた。
酒井優香が同席している。
「ガイシャは、目白に在住の小宮山進教授。流行り病ネコロンダーの流行った時に対策委員会の会長をしていた人物だ。3年半もの長い間、我々は、正体不明の流行り病の為自粛させられた。カネだけ貰って何もしなかった、とSNSで叩かれた人物だ。だが、もう五類に分類されてから1年半経っている。政治家ではないから、敵と言えば枠朕反対運動家と言うことになるが、被疑者の絞り込みより前に、ガイシャは乗用車をリモート運転で操縦された乗用車に誘導されたことになる。井関さん、既に死んでいたんですよね。」
「ああ。そっち、先やる?ガイシャは、電気ショックを何度も与えられて、心臓麻痺で亡くなっている。AEDではなく、強力に何か改造したものかも知れない。で、亡くなった後、乗用車の運転台に乗せられ、リモートで感染研究学会に突っ込まされた。現場は下り坂ではない。酒井君、簡単に改造できるものなのかね?」
「簡単ではありません。EV車なら改造は出来ます。駆動システムに手を加えれば、バッテリーから電源が取れます。私のシステムが悪用されたかと思いましたが、少し違っていました。ホシは『電気』に明るいですね。洒落じゃなく。」
「辻さん達は、感染研究学会に聞き込みを。大曲達と村松は、小宮山家に。それと、枠朕反対運動家関係は・・・。」
「呼んだ?」
「いや、今、呼ぼう。おーい、神道。」
「相変わらず、いい性格してるよ。」
「ありがとう。」
「SNSで枠朕反対運動家は、沢山いるが、面白いのは、元インフエンザ研究学会の堂守久司教授だ。ネコロンダー対策委員会の副会長を務めたが、派閥によって追放されてしまったんだ。」
「派閥?」
「税務省が仕掛けて分裂させたんだ、言うこと聞く学者にはご褒美、聞かない学者は、アッチ行け!」
「じゃ、お前、担当な。」
「お前、担当なって、おい、俺は・・・。」
「皇係長のチームを応援にだす。行方を追ってくれ。来年のは、『倍返し』だけでいい。」
「喜んでー。」
単純だなあ。でも、被疑者候補だな。
午後3時。小宮山家。
溝内課長から引き継いで、感染研究学会の理事から連れて行ってくれた小宮山家は、感染研究学会から100メートル位の距離だった。
「普段なら、歩いて来られていたんです。それに、先生は運転免許持っていないので、発見した職員が理解出来なかった、と言っていました。」
理事は、後ほど葬儀の相談をする、と昭子夫人に約束して、辞去した。
昭子夫人は、呆然としていたが、一枚の紙片を取りだした。
『近くお目にかかります』
「プリンター印刷ですね。眩目。ビニール。」
証拠物件は、ビニール袋に入れて管理する。
迂闊に捜査官の指紋が着いてはいけないからだ。
大曲先輩は、一通り、説明をした。
俺が昭子夫人とアルバムをチェックしていたら、先輩の大声が聞こえた。
「なんだって?」
俺達が行くと、先輩が「ホシが自首、いや、出頭してきたそうだ。溝内課長が何度も詳しく事情を聞いたら、ホシしか知らないことを知っていた、と言うんだ。すぐ引き返そう。」と、言った。
午後4時。警視庁。駐車場。
クルマを入れようとしたら、蘭子が乗り込み、怒鳴った。
「関口係長が緊急逮捕した後、意識を失った。ホシは、須永病院のタグを持っていた。それで、救急車で緊急搬送だ。村松、須永病院だ!!」
「了解!!」
午後5時。須永病院。
三鷹医師が待ち構えていて、ICUに連れて行かれた。
既に、井関も来ていた。
「堂守教授は、小宮山教授に嘆願に行ったんです。堂守教授の娘さんは、ネコロンダー枠朕の為に亡くなっているそうです。そして、ご自身はステージ4。死ぬ前にネコロンダー枠朕の定期接種を止めるように、学会に働きかけてくれと言ったら、鼻で笑われたそうです。そして、犯行に及んだ。録音してくれと言われたので、録ってあります。」
担当医は、厳粛に告げた。
「午後5時32分。」
翌日。午後1時。
捜査一課横の大会議室。『感染研究学会死体遺棄事件』本部。
取り調べ室から、倉田課長、酒井優香、神道課長、溝内課長、皇係長、関口係長、大曲先輩、蘭子、管理官が出て来た。
倉田課長、酒井優香、神道課長、溝内課長、皇係長、関口係長はすぐに出て行った。
管理官が説明を始めた。
「ホシは、堂守久司教授。ネコロンダー枠朕の定期接種について、ガイシャの小宮山教授に中止または検討を嘆願に行った。だが、予想通り開き直られた。実は、ネコロンダーの収束宣言を出さなかったのも、二類引き下げが遅れたのも、枠朕の定期接種を強引に医師会に働きかけたのも小宮山教授だった。OBQ検査を推奨したのもだ。小宮山教授の意見が学会の意見だった。堂守教授は、膵臓癌のステージ4だった。ありったけの知識・経験で復讐に及んだのも、枠朕で死亡した娘への手向けでもあった。出頭はしてくれたが、手遅れだった。お通夜は、明後日、親族が行う。行ける者は行ってくれ。」
午後7時。眩目家。
「真吉。喪服の準備は?」
「出来てます。」
「私の準備は?」
「え?」
え???
―完―
※今回の登場人物(順不同)
=== 主な登場人物 ===
眩目真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。
大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
開光蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。
志摩敏夫・・・警視庁管理官。警視正。
井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。警部補。
秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。巡査。
新山ひかる・・・警視庁鑑識課課員。巡査。
村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。巡査部長。
蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。巡査。
神道助六・・・捜査二課課長。警部補。
赤井悦夫・・・第三機動捜査隊の警部補。
倉田喜一・・・サイバー犯罪対策課課長。警部補。
酒井優香・・・サイバー犯罪対策課課員。
溝内健児・・・生活安全課課長。警部補。
皇信也・・・捜査一課第二係係長。警部。
関口寛也・・・捜査一課第三係係長。警部補。
----- ゲスト –----
三鷹医師・・・須永病院医師。
※私見です。何故、「季節性流感」でない、あの流行り病の「定期接種」が必要なのでしょうか?サーズやマーズも定期接種するのでしょうか?非常に憤りを感じます。
私の母は、4回目の接種の後、食事を採れなくなりました。
2年間、寝たきりになりました。
流行り病商売の犠牲者です。
最初、幼児に打っては行かなかった筈なのに、推奨しています。
免疫細胞は「一個」しかビールスを受け入れない筈なのに、インフと同時感染などと言ったりしています。
国会議員の高齢者の「犠牲者」は何人でしょうか?何%でしょうか?
後世で、「謎」は解き明かされることでしょう。
私が、亡くなった後で。
改めて、そして、敢えて言います。
今の枠朕は、昔の「不活性枠朕(卵で孵化させる方法)」とは違います。
「経過観察」出来ないのです。
少なくとも、「定期接種」は不要です。
心配な方は、インフだけにして下さい。
「治療法」も確定出来ず、「謎」が多いままのビールスに効くと思うのは危険です。
クライングフリーマン




