263.ザマミロの末路
大学生の野村仁志と真木晃は、明日の月曜日から解体工事が始まる、という、元ボーリング場にやってきた。
「あれは、何?」
まるで、ボーリングのピンのような並び方をしている人形。
全部で10体。
「上手いこと固定したなあ。」と、井関は感心した。
========== フィクションです ===========
=================================
※警視庁捜査一課。蘭子が課長になる前は、課長が全部一課を仕切っていた。当然だが。
だが、村松のいた所轄でパワハラ・イジメがあり、合同捜査に訪れた際に、当該の相手数人の股間を蹴った為、警視庁内で問題になった。
懲戒解雇になる替りに、一課の決裁を各係長が受持ち、蘭子は「お飾り」の「窓際族」になった・・・というのが、表向きの情報。本来の階級は警部だったが、降格になった。
実は、志摩管理官が「自分の監督下」に置くという名目で、「特殊捜査チーム」を結成した。蘭子の判子は、各係の係長が持ち、替りに決済印を押す。蘭子は特殊捜査チームの長として指揮を執っている。
従って、ドラマ・映画のような「大事件の時だけの捜査本部」は置かない。
大会議室は、特殊捜査チーム専用である。
事件は頻繁に起こるので、大会議室が一日中空っぽなのは、希である。
俺は、「ちょっとしたこと」があって、課長の夫である。
課長の元カレである、大曲先輩とコンビを組んでいる。
この物語は、蘭子の特殊捜査チームの活躍のお話である。
※「暴力団対策課」は、敢えて「旧捜査四課」として扱っています。
※警視庁で痴漢被害の相談・対応を主に行っているのは、各警察署の生活安全課です。
=======================
前回のあらすじ。
大学生の野村仁志と真木晃は、明日の月曜日から解体工事が始まる、という、元ボーリング場にやってきた。
「あれは、何?」
まるで、ボーリングのピンのような並び方をしている人形。
全部で10体。
「上手いこと固定したなあ。」と、井関は感心した。
「あ、刑事さん。ここね。明日から解体工事が始まるんです。」
「詰まり、犯人は、それを知ってて、ここに遺棄したか。ありがとう。捜査担当の刑事さんに伝えるよ。」
=================
午後5時半。捜査一課。第二応接室。
「柳瀬は、議員辞職した、ことにするらしい。党から、そう言って来たらしい。遺書は、と言うから、『発見されていません。議員のことは、党の方が詳しいんじゃないですか?』って、嫌味言ったらしい。捏造は得意だろうになあ。神道くん、半グレに動きが?」と、管理官は神道課長に尋ねた。
「柳瀬家を見張っているのが、樋下改正会。どうやら、隣国マフィアと繋がりがあるらしいですね。ご存じの通り、柳瀬は、隣国ワンワン派。詰まり、与党『裏金10人衆』。何か、やらかして、生け贄に殺された。与党『裏金10人衆』に。顔写真は見せしめ。裏切ったら、分かってるよね?の類いでしょ。」
「お前、真面目に報告しろよ。欲求不満か?慰めてやろうか?」と新垣課長が揶揄った。
「高くつくから止めとくよ。」
「管理官。反社にも動きがあった。ありました。流石、大物。関西早世組出身の小鳥遊英介が、例の、『隣国会談』のタイミングで渡航しています。青酸カリなら、ここが入手先でしょう。」と、新垣課長は言った。
そこに、酒井優香から館内電話が入った。
蘭子はスピーカーをオンにした。
「残念。大曲くんが持ち帰ったタブレット、ハッキングの跡がない。そして、初期化されている。メールは、ダウンロードし直している。他に保存先か協力者は?」
「それだ!!村松、電話だ。」
翌日。午前9時。遺体発見現場。
重機が到着し、解体作業が始まった。
「週刊ベロレロの記者、堤平一郎さん、ですよね?」
堤に声をかけたのは、柳瀬里美だった。
手に『SDケース』を持っている。
「渡す前に、理由を聞かせて。嫌な奴だったけど、理由を知りたいの。殺された理由を。何か裏切ったの?父が。『総理暗殺計画』の情報ファイルをどこかに売ったの?父が。オトロシアとかに。」
「アンタ、どこまで知っている?中身を見たのか?隣国暗号ファイルを。」
「そうよ。『仲買人』さん。」
バラバラと、男達が取り巻いた。小鳥遊英介と、樋下改正会の社員だ。
「骨折っていいぞう。骨折り損のくたびれもうけ、だからな。」と、新垣課長と部下の刑事が周囲を取り囲み、更に、その周囲に神道課長と二課の刑事が取り囲んだ。
「ふん!」と言って、里美は、持っていたSDケースからSDを出し、踏みにじった。
そして、何度も何度も踏んだ。
「もう、いいだろう。」大曲先輩が里美を羽交い締めにして、止めた。
村松が、ハンカチを里美に渡した。
大勢の大人達の逮捕・連行を見ながら。
午後1時。捜査一課横の大会議室。『元ボーリング場跡死体遺棄事件』本部。
取り調べ室から、新垣課長、神道課長、倉田課長、酒井優香、溝内課長、皇係長、餅屋係長、関口係長、紅林係長、蘭子、大曲先輩、管理官、井関警視監が出て来た。
新垣課長、神道課長、倉田課長、酒井優香、溝内課長、皇係長、餅屋係長、関口係長、紅林係長は、すぐに出て行った。
管理官が説明した。
「ホシは、関西早世組出身の小鳥遊英介、樋下改正会の新羅東吾、韮村啓太。そして、週刊ベロレロの記者、堤平一郎だ。『総理暗殺計画』の情報ファイルは、最初から柳瀬は持っていなかった。だが、ブラフで隣国マフィアを強請った。更迭で自棄になって、隣国に渡り、優遇して貰う為に。そこで、小鳥遊一派は動いた。家捜した柳瀬家には無かった。柳瀬里美は友人宅に泊まっていた。彼女に囮になって貰ったら、一網打尽だった。彼女が用意したのは、昔、撮影したデジカメのSDだった。『無い物は探し出せない』。悪党は『幻』を追う。後の9人には、警察は『起っていない事件』には動けない。保護を求めて来たから、そう言ってやったよ。これから、警視監と記者会見に臨む。」
「思った以上に複雑な事件だった。柳瀬家の葬儀は親族が行うらしい、里美さんには・・・。」
「警視監。私が報せます。」
「そうか。よろしくな。では・・・。」
2人は出て行った。
こういう役目は、村松が適任だ。
午後7時。眩目家。
「こういう役目は、村松が適任だ・・・何、偉そうに言っている?」
「聞いてたの?」
「私の耳は地獄耳だ。お前のどくんどくん、っていう心臓の音もな。はい、子作りターイム!!!!!!!」
露骨だな。
―完―
※今回の登場人物(順不同)
=== 主な登場人物 ===
眩目真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。
大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
開光蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。
志摩敏夫・・・警視庁管理官。警視正。
井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。警部補。
秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。巡査。
新山ひかる・・・警視庁鑑識課課員。巡査。
村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。巡査部長。
蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。巡査。
神道助六・・・捜査二課課長。警部補。
新垣舞・・・捜査四課(仮)課長。警部。
赤井悦夫・・・第三機動捜査隊の警部補。
倉田喜一・・・サイバー犯罪対策課課長。警部補。
酒井優香・・・サイバー犯罪対策課課員。
溝内健児・・・生活安全課課長。警部補。
皇信也・・・捜査一課第二係係長。警部。
餅屋重樹・・・捜査一課第一係係長。警部。
関口寛也・・・捜査一課第三係係長。警部補。
紅林新太・・・捜査一課第四係長。警部補。
井関一郎・・・警視庁警視監。井関権蔵の長男。
※ボーリング場の実態は分かりません。ご理解ください。
クライングフリーマン




