261.口煩い
前回のあらすじ。
モールの休憩エリアの噴水の置物に寄りかかった、口輪を着けた男がいた。
通りかかった親子の母親は異変に気づき、110番通報をした。
「タレントの小田光一さんじゃないか、と思ったんですけど、まさか、ねえ。」
========== フィクションです ===========
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※警視庁捜査一課。蘭子が課長になる前は、課長が全部一課を仕切っていた。当然だが。
だが、村松のいた所轄でパワハラ・イジメがあり、合同捜査に訪れた際に、当該の相手数人の股間を蹴った為、警視庁内で問題になった。
懲戒解雇になる替りに、一課の決裁を各係長が受持ち、蘭子は「お飾り」の「窓際族」になった・・・というのが、表向きの情報。本来の階級は警部だったが、降格になった。
実は、志摩管理官が「自分の監督下」に置くという名目で、「特殊捜査チーム」を結成した。蘭子の判子は、各係の係長が持ち、替りに決済印を押す。蘭子は特殊捜査チームの長として指揮を執っている。
従って、ドラマ・映画のような「大事件の時だけの捜査本部」は置かない。
大会議室は、特殊捜査チーム専用である。
事件は頻繁に起こるので、大会議室が一日中空っぽなのは、希である。
俺は、「ちょっとしたこと」があって、課長の夫である。
課長の元カレである、大曲先輩とコンビを組んでいる。
この物語は、蘭子の特殊捜査チームの活躍のお話である。
※「暴力団対策課」は、敢えて「旧捜査四課」として扱っています。
※警視庁で痴漢被害の相談・対応を主に行っているのは、各警察署の生活安全課です。
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前回のあらすじ。
モールの休憩エリアの噴水の置物に寄りかかった、口輪を着けた男がいた。
通りかかった親子の母親は異変に気づき、110番通報をした。
「タレントの小田光一さんじゃないか、と思ったんですけど、まさか、ねえ。」
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午後3時半。小田家。
小田の部屋に戻ると、先輩はピースサインを出した。
その手には、1枚のSDが挟まっていた。
「多分、これが原因だな。念の為、サイバー犯罪対策課課に調べて貰おう。奥さん、いいですよね?」
「嫌だと言った場合は、どうするの?」
「令状、取ります。」
「聞かなきゃ良かった。」
午後5時。捜査一課。第二応接室。
「所謂、裏金議員と、スパイ議員のリストが隠されていました。タブレットの方はハッキングの跡がなかったので、このSDのデータじゃないですかね?」と、倉田課長が言った。
「事務所の方は、ガイシャの悪口は出て来ても、どこかの裏組織と繋がっているような情報は得られませんでした。」と、皇係長が報告し、「他のタレント事務所でも同じでした。かつて、『闇営業』なる、反社との繋がりが問題になったので、どこの社も厳しく管理しているようです。」と、餅屋係長が報告した。
「やはり、テレビ局でしょうね。村松、聞いたんだろ?」と、辻さんが村松に促した。
「アシスタントプロデューサーをやっている尾崎俊哉は、南新鮮国語も隣国語も堪能のようです。利用していない部屋で、こそこそスマホで密談しているのを、女性カメアシさんに目撃されています。カメアシと言うのは、業界用語でカメラアシスタントだそうです。それと、局の複数の幹部が外国人だそうです。」
「じゃ、ガイシャは、偶然、局で、そのSDを拾った。それに気づいた奴が消しにかかったか。どうやって罠を張る?」と、蘭子は見回した。
酒井の方向で、目がとまった。
「はいはい。私が『汚れ』やればいいのね。人使い荒いんだから。」そういう酒井の目が笑っている。
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午後6時。日比谷公園。
辺りの様子を伺いながら、やってくる男女5人。
佇んでいる女性に、いきなり襲いかかった3人の男。
それは、マネキンだった。
「そこまでだ!お縄を頂戴しろ!!」と言ったのは、開光蘭子だった。
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午後7時。捜査一課横の大会議室。『モール噴水死体遺棄事件』本部。
取り調べ室から、倉田課長、酒井優香、溝内課長、皇係長、餅屋係長、神道課長、大曲先輩、蘭子、管理官が出て来た。
倉田課長、酒井優香、溝内課長、皇係長、餅屋係長、神道課長は、すぐに出て行った。
管理官が説明した。
「ホシは、東京特許TVのプロデューサー大腰弘樹、アシスタントプロデューサー真壁信也、ラーメン振興友好会の小椋一郎、草津晃、新海誠。真壁が紛失したSDをガイシャが、選挙特番の時に拾ったことを突き止めた大腰は、知り合いの半グレラーメン振興友好会にカネを渡して、コロシを依頼した。偽番組でおびき出されたガイシャは、あっけなく殺された。呼び出しの電話を聞いた、ガイシャの妻満子は、放置されていたSDを発見、咄嗟に持ちだし、連中が留守中に家捜しした後に、キーボードに隠した。ガイシャは、SDのありかを知らないから拷問の後、殺された。だが、拷問は予測出来ていた。だが、殺されるとは思わなかった。」
午後8時半。眩目家。
ラーメンを啜りながら、俺と蘭子はテレビの記者会見中継を観ていた。
画面には、井関一郎警視監が映っている。
「事件は、1タレントの死亡ではない。データも人間の命もモノとしてしか扱わない、そして、いつまでも隣国に媚びを売るテレビ局の体質にある。私は、事件の全容を報告ではなく、告発しました。直ちに、この放送局の免許取り消し、捏造報道の刑罰を進言しました。尚、『スパイリスト』等は、政府に提出しました。半グレの方の犯罪は、言うまでもなく司法で裁かれます。『スパイリスト』には、マスコミの名前もありますよ。官報並びに官邸SNSで公開するそうです。残念ですね、横道さん、名月さん、加配さん。」
警視監は、颯爽と去って行った。
「残って居る記者は、『私でーす』って、言っているようなものだね?」
「はい。夫を奴隷化したのは、私でーす。」
何か、下半身がスースーする。
―完―
※今回の登場人物(順不同)
=== 主な登場人物 ===
眩目真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。
大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
開光蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。
志摩敏夫・・・警視庁管理官。警視正。
井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。警部補。
秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。巡査。
新山ひかる・・・警視庁鑑識課課員。巡査。
村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。巡査部長。
蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。巡査。
神道助六・・・捜査二課課長。警部補。
赤井悦夫・・・第三機動捜査隊の警部補。
溝内健児・・・生活安全課課長。
皇信也・・・捜査一課第二係係長。警部。
餅屋重樹・・・捜査一課第一係係長。警部。
倉田喜一・・・サイバー犯罪対策課課長。
酒井優香・・・サイバー犯罪対策課課員。




