257.裏金
前回のあらすじ。
閉業したコンビニ店で発見されたのは、メイド喫茶の女の子のような姿をした女性だった。そして、側には『寄生虫』の写真があった。
その女性は、皆に嫌われている女性議員だった。
========== フィクションです ===========
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※警視庁捜査一課。蘭子が課長になる前は、課長が全部一課を仕切っていた。当然だが。
だが、村松のいた所轄でパワハラ・イジメがあり、合同捜査に訪れた際に、当該の相手数人の股間を蹴った為、警視庁内で問題になった。
懲戒解雇になる替りに、一課の決裁を各係長が受持ち、蘭子は「お飾り」の「窓際族」になった・・・というのが、表向きの情報。本来の階級は警部だったが、降格になった。
実は、志摩管理官が「自分の監督下」に置くという名目で、「特殊捜査チーム」を結成した。蘭子の判子は、各係の係長が持ち、替りに決済印を押す。蘭子は特殊捜査チームの長として指揮を執っている。
従って、ドラマ・映画のような「大事件の時だけの捜査本部」は置かない。
大会議室は、特殊捜査チーム専用である。
事件は頻繁に起こるので、大会議室が一日中空っぽなのは、希である。
俺は、「ちょっとしたこと」があって、課長の夫である。
課長の元カレである、大曲先輩とコンビを組んでいる。
この物語は、蘭子の特殊捜査チームの活躍のお話である。
※「暴力団対策課」は、敢えて「旧捜査四課」として扱っています。
※警視庁で痴漢被害の相談・対応を主に行っているのは、各警察署の生活安全課です。
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前回のあらすじ。
閉業したコンビニ店で発見されたのは、メイド喫茶の女の子のような姿をした女性だった。そして、側には『寄生虫』の写真があった。
その女性は、皆に嫌われている女性議員だった。
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翌日。午前10時。大鳥神社。
鑑識は、殺害現場を探し、辻班のチーム、皇係長のチーム、関口係長のチームが聞き込みを始めた。眩目巡査も加わった。
同じく、午前10時。目黒寄生虫館。
鑑識は、殺害現場を探し、蒔班のチーム、餅屋係長のチーム、紅林係長のチームが聞き込みを始めた。大曲巡査部長も加わった。
正午過ぎ。捜査一課。開光課長のデスク。
「見つかったか。」
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午後1時。捜査一課。第二応接室。
管理官が発言した。
「やっと、殺害現場が特定した。大鳥神社の露店の近くに血痕があった。そして、側の砂地にクルマの轍があった。血液DNAの照合と、車種の特定が始まった。」
館内電話が鳴った。村松が出た。
村松は、スピーカーをオンにした。
「見付けたわよ、開光課長。殺害現場から500メートルほど先に、目黒区美術館があるの。防犯カメラに、轍のあったトヨタのワゴン車が映っている。そして、ガイシャと、もう二人の人物が映っている。その人物は、小山田議員と金城議員。手配したわ。警邏課員を褒めてやって。」
「井関課長。警邏課の皆さん、ありがとうございました。」
午後3時半。捜査一課横の大会議室。『閉業コンビニ店死体遺棄事件』本部。
取り調べ室から、井関課長、神道課長、皇係長、餅屋係長、関口係長、紅林係長、大曲先輩、蘭子、管理官が出て来た。
神道課長、皇係長、餅屋係長、関口係長、紅林係長はすぐに出て行った。
管理官が説明した。
「ホシは、有限会社今川コンサルの今川俊哉、そして、小山田仁志、金城彰。ガイシャの神崎と小山田と金城は、党の金を運用して裏金を貯め込んでいた。分け前に関して3人は揉めた。落ち合う場所を変更したのも喧嘩の一因だった。密かに大鳥神社の境内に隠した裏金を取りに行く前に神崎が騒ぎ出した。金の管理をしていた今川が止めようとして、揉み合う内にナイフが神崎に刺さった。今川は運転の為に分厚い手袋をしていた。そして、彼らは裏金を改修後、金城の提案で、発見現場の閉業コンビニに運んだ。小山田と金城は、所属する違憲異種党から除名された。裏金に関しては、あり得ないと言っている。裏金の原資も裏金なのだろう。今川に関しては、死体遺棄の幇助だけだろうが、神道課長によると、余罪があるようだ。では、参りましょうか。」
管理官は、井関警視監、井関警視と共に出て行った。
「やっぱり、きたな・・・。」
新山は、それ以上言えなかった。
井関さんが、平手打ちをしたからだ。
「捜査に私情を挟むな。情報はいい。議員の情報は役に立った。だが、頭に浮かんだことをそのまま言ってばかりいては、ガイシャと同じだ。自分から疎まれる原因を作るんじゃない!我々は、鑑識だ。」
辻さんと蒔さんが、頭を下げた。
蘭子も大曲先輩も、俺も頭を下げた。
大会議室の扉の近くで見ている人物がいた。
智子だった。
智子は、黙って去った。
午後7時。眩目家。
「なかなかの芝居だったろ?」
井関夫妻が出て行った後、新山を叱ることは決まっていた。
井関警視の計らいで、台本は井関警視が書いたのだ。
そして、村松が回覧板代わりのタブレットを見せて回った。
「はい。」「風呂、湧かして来い。」
「はい。」
ウチは、回覧は要らない。
『風呂』は、あの準備だ。
恐いけど、一生、付いて行くよ、蘭子。愛しているから。
―完―
※今回の登場人物(順不同)
=== 主な登場人物 ===
眩目真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。
大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
開光蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。
志摩敏夫・・・警視庁管理官。警視正。
井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。警部補。
秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。巡査。
新山ひかる・・・警視庁鑑識課課員。巡査。
村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。巡査部長。
蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。巡査。
神道助六・・・捜査二課課長。警部補。
赤井悦夫・・・第三機動捜査隊の警部補。
溝内健児・・・生活安全課課長。
深山俊哉・・・警視庁広報課課長。警部補。
皇信也・・・捜査一課第二係係長。警部。
餅屋重樹・・・捜査一課第一係係長。警部。
関口寛也・・・捜査一課第三係係長。警部補。
紅林新太・・・捜査一課第四係長。警部補。
秋野[井関]智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。巡査。
井関一郎・・・警視庁警視監。井関の長男。智子の兄。
井関花江・・・警視庁警邏課課長。警視。井関一郎の妻。




