↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
253/296

252.セクシー映画スタント

「危ない!!」

天音は、一瞬、人を轢いたと思い、目の前が真っ暗になった。

だが、奥山の声に我にかえった。

「天音、見て。この砂利トラから落ちたんだよ。」


 

 ========== フィクションです ===========

 =================================

 ※警視庁捜査一課。蘭子が課長になる前は、課長が全部一課を仕切っていた。当然だが。

 だが、村松のいた所轄でパワハラ・イジメがあり、合同捜査に訪れた際に、当該の相手数人の股間を蹴った為、警視庁内で問題になった。

 懲戒解雇になる替りに、一課の決裁を各係長が受持ち、蘭子は「お飾り」の「窓際族」になった・・・というのが、表向きの情報。本来の階級は警部だったが、降格になった。

 実は、志摩管理官が「自分の監督下」に置くという名目で、「特殊捜査チーム」を結成した。蘭子の判子は、各係の係長が持ち、替りに決済印を押す。蘭子は特殊捜査チームの長として指揮を執っている。

 従って、ドラマ・映画のような「大事件の時だけの捜査本部」は置かない。

 大会議室は、特殊捜査チーム専用である。

 事件は頻繁に起こるので、大会議室が一日中空っぽなのは、希である。

 俺は、「ちょっとしたこと」があって、課長の夫である。

 課長の元カレである、大曲先輩とコンビを組んでいる。

 この物語は、蘭子の特殊捜査チームの活躍のお話である。


 ※「暴力団対策課」は、敢えて「旧捜査四課」として扱っています。

 ※警視庁で痴漢被害の相談・対応を主に行っているのは、各警察署の生活安全課です。


 ====================

 午前8時。ある国道。

 雨は、明け方から続いていた。

 長距離トラックの運転手天音新と助手奥山寛人は、帰社後、仮眠を取るかどうかで盛り上がっていた。

「危ない!!」

 天音は、一瞬、人を轢いたと思い、目の前が真っ暗になった。

 だが、奥山の声に我にかえった。

「天音、見て。この砂利トラから落ちたんだよ。」

 見ると、道路脇に放置された、工事中の砂利トラがある。

 タイヤがバーストした形跡がある。

 血は、天音達のトラック前まで続いているが、砂利トラから続いている。

 天音は、すぐに110番通報した。

 奥山は、会社の留守番電話に電話した。

 雨で時間がかかったのか。40分後。機捜と鑑識が到着した。

 天音は、会社の身分証、運転免許証、車検証を出して、赤井警部補に説明した。

「じゃ、ぶつけた感覚は無かったんだね。急ブレーキがギリギリ間に合ったか、スリップしなくて良かったな。雨の中、ご苦労様。帰っていいよ。但し、連絡先、教えといて。捜査専門の刑事が確認することもあるから。」

「え?刑事さんが捜査するんじゃないの?」

「いや、捜査は捜査専門。鑑識は引き続き捜査に加わるけどね、機動捜査隊は、現場確認。1日十数件の時もある。」

「大変ですねえ。」

「長距離の・・・帰り。」

「はい。熱海まで行って。帰社したら、仮眠の後、次の現場って時もあります。」

「おたくらも大変だね。気を付けて。」

「はい。」


 =================

 ====================

 午後1時。捜査一課横の大会議室。『砂利トラ死体遺棄事件』本部。

 管理官は説明した。

「現場は、国道脇建設現場の路肩。タイヤがバーストしたので、運搬途中だったが、ドライバーは仲間を現場を離れた。それが、午前6時。その後。ホシが、放置されている砂利トラに遺体を遺棄、逃走した。そして、午前8時。発見者の長距離トラックが、転がった遺体と遭遇した。遺体は、ミニスカートをはいた女性だが、三十路だろうと推測される以外は分からない。所持品は持っていなかったか、ホシが始末したか落したか。井関さん、凶器は?」

「見つかっていない。殺害現場じゃないだろうから、ホシに聞かないとな。バタフライナイフ。心臓に手術の跡があり、その近くを刺されたら死ぬよな。」

「広報に、尋ね人を出して貰った。一般情報を待とう。解散。」


 午後3時。

 不明の遺体が見つかった、とTVニュースで流れた。


 午後5時半。捜査一課。蘭子のデスク。

 深山課長から電話が入った。

「アポローンの天野社長から連絡が入りました。心当たりがあるそうで、明日、確認に来られます。」

「了解しました。」


 ============================

 翌日。午前9時。捜査一課。第一応接室。

 天野社長は、遺体確認後、開光課長に面会に来た。溝内課長が同席した。

「これが資料です。本名、白鳥百合子、芸名、萩野唯。出身は三重県だと聞いています。恐らく履歴書に間違いはないでしょう。地元でアイドル活動していたが、パッとせず、上京して芸能プロを幾つも受けたが不合格。セクシー映画なら、と勇気を振り絞って応募。ところが、全てにおいて平凡過ぎる。あまりの落胆に、『スタント』を勧めたんです。アクションではなく・・・。」

「確か、顔が映っていないシーンの代役、でしたね。」

「そうです。この業界も、売れると売れないでは雲泥の差。売れっ子のスター女優は、フリーになって、掛け持ち。たまに、撮影が間に合わなくなる場合もある。その時、重宝するのが、スタント。無論、エキストラ的な配役でも出ますよ。旅館の仲居さんとかね。で、5月・・・そうそう。ゴールデンウィーク開けの頃、急に連絡が取れなくなったんです。度オタキャンして辞める者も少なくないですからね。ガッカリしていたら、こんな形で再会。残念です。郷里には、私から連絡をしておきます。開光さんには一刻も・・・芝居じみていかんな。捜査はお任せします。」

「ありがとうございます。よろしくお願いいたします。」

 =========================


 午前10時。捜査一課。蘭子のデスク。

 井関さんから、電話が入った。

 俺は、スピーカーをオンにした。

「砂利トラだがな。盗難車だった。あそこの現場は関係ない。タイヤは摩耗でバーストしたんじゃない。パンクさせられたんだ。」

「ええ?」


 午前11時。

 神道課長から、電話が入った。

 俺は、スピーカーをオンにした。

「長距離トラックの2人な、行方が分からないそうだ。」



 ―「捜査一課ですけど、253」につづくー


 ※今回の登場人物(順不同)

 === 主な登場人物 ===

 眩目(くらめ)真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。

 大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。

 開光(かいこう)蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。

 志摩敏夫・・・警視庁管理官。警視正。

 井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。警部補。

 秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。巡査。

 秋野[井関]智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。巡査。

 村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。


 辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。巡査部長。

 蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。巡査。


 神道助六・・・捜査二課課長。警部補。


 赤井悦夫・・・第三機動捜査隊の警部補。

 溝内健児・・・生活安全課課長。


 深山俊哉・・・警視庁広報課課長。警部補。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。