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238.「好き」が「嫌い」に変わるとき

前回のあらすじ。

路地から出たT字路にバイクが入ろうとして、ショベルカーにぶつかり、転倒した。

通りがかった少年達は、交通整理を始めた。

救急車の中。

「ブレ・・・やられた。」と、救急隊員に言って、バイクの若者は息耐えた。



 

 ========== フィクションです ===========

 =================================

 ※警視庁捜査一課。蘭子が課長になる前は、課長が全部一課を仕切っていた。当然だが。

 だが、村松のいた所轄でパワハラ・イジメがあり、合同捜査に訪れた際に、当該の相手数人の股間を蹴った為、警視庁内で問題になった。

 懲戒解雇になる替りに、一課の決裁を各係長が受持ち、蘭子は「お飾り」の「窓際族」になった・・・というのが、表向きの情報。本来の階級は警部だったが、降格になった。

 実は、志摩管理官が「自分の監督下」に置くという名目で、「特殊捜査チーム」を結成した。蘭子の判子は、各係の係長が持ち、替りに決済印を押す。蘭子は特殊捜査チームの長として指揮を執っている。

 従って、ドラマ・映画のような「大事件の時だけの捜査本部」は置かない。

 大会議室は、特殊捜査チーム専用である。

 事件は頻繁に起こるので、大会議室が一日中空っぽなのは、希である。

 俺は、「ちょっとしたこと」があって、課長の夫である。

 課長の元カレである、大曲先輩とコンビを組んでいる。

 この物語は、蘭子の特殊捜査チームの活躍のお話である。


 ※「暴力団対策課」は、敢えて「旧捜査四課」として扱っています。

 ※警視庁で痴漢被害の相談・対応を主に行っているのは、各警察署の生活安全課です。


 ====================

 前回のあらすじ。

 路地から出たT字路にバイクが入ろうとして、ショベルカーにぶつかり、転倒した。

 通りがかった少年達は、交通整理を始めた。

 救急車の中。

「ブレ・・・やられた。」と、救急隊員に言って、バイクの若者は息耐えた。


 =================

 ====================

 午後4時半。クルマの中。

「奥家は、現場に近いんですね。」

「ん?・・・今、何つった?」と、大曲先輩は俺に聞き返した。

「え?奥家は、現場に近いんですね。」

「詰まり、奥は、自宅から近い現場に急いでいた。ホシに誘導されたんだ。だから、ドリンク剤を迷わず飲んだ。」

 午後5時。捜査一課。蘭子のデスク。

 大曲から報告を受けた蘭子は言った。

「分かった。明日、2人の女の行方を追おう。」

 ====================

 翌日。午前10時。捜査一課。第二応接室。

 溝内課長は言った。

「確かに、失踪届が出ていました。尾藤麻衣子は、買物に行くと家人に行って、

 帰ってきていません。心配した兄が翌朝。最寄りの交番経由で届を出しています。誘拐された様子はありません。詰まり、身代金要求の電話や手紙はないそうです。」

「眩目くんが見付けた【ヤク】は、確かに例の殺人に使われたものだ。ドリンク剤と称してガイシャに飲ませれば、入眠剤効果で事故を起こすだろうな。」と、井関さんが言った。

「ガイシャの家から見つかったとすれば、ガイシャが自分で飲んで運転を誤ることは考えにくい。ホシが隠したんだ。詰まり、ガイシャ以外に、あの家に出入りする者。母親はあり得ない。すると・・・。」

 蘭子が言っている最中に、村松が入って来た。

「尾藤麻衣子も西出亜由美も、家の合鍵を持っていたそうです。お互いを認めた『三角関係』だそうです。お母さんによれば、ガイシャに、『どちらかに決めなさい』と言っても、ガイシャは言うことを聞かなかったそうです。」

「その関係が崩れたか。神道。ヤクの入手先は?」

「群馬の新轟会KKを、今、別件で引っ張っている。」

「じゃ、西出亜由美のことを聞き出してくれ。」

「分かった。消去法で行くと、ホシの資格充分だな。」

 神道課長は、急いで出て行った。


 午後2時半。捜査一課。蘭子のデスク。

 神道課長から、西出亜由美確保の電話が入った。


 午後4時。

 神道課長から、尾藤麻衣子の遺体発見の電話が入った。


 午後5時半。捜査一課横の大会議室。『バイク衝突事故事件』本部。

 取調室から、神道課長、倉田課長、溝内課長、大仏課長、大曲先輩、蘭子、管理官が出て来た

 神道課長、倉田課長、溝内課長、大仏課長はすぐに出て行った。

 管理官が説明した。

「ホシは、西出亜由美、新轟会KKの新田松男、東城隆也。西出亜由美は、幼馴染のガイシャ奥高道が2人の女を愛人として交際しているのを実は疎んじていた。そして、新田と関係が出来てから、奥も尾藤も始末しようと考えた。新田からヤクを預かり、当日、尾藤から緊急電話を受けた振りをした西出は、奥を急かして現場に向かわせた。新田がブレーキに細工したバイクに乗って発進した奥は途中で眠くなってショベルカーに突っ込んだ。潮路彰君によると、あの路地は現場とされたホームセンターへの近道だった。そして、友人に替ってショベルカーを運転したドライバー東城が待ち構えていた。尾藤は、西出が芝居した時点では既に死んでいた。ガイシャは、死ぬ間際、罠に気づいた。記者会見は、警視監に任せた。どうかね、潮路篤志巡査、潮路彰君。」


「「ありがとうございました。」」

 2人は揃って敬礼した。

 潮路親子がここにいるのは、訳があった。本来は、秘密チーム報告会議だ。

 彰が、「ショベルカーは一時停止ではなく駐車していたかも知れない」と言い出したからだ。捜査は大きく進展した。


「機捜の赤井警部補が見事な現場保存だったと褒めていた。このチームは秘密チームだ。本来は公開出来ない。守秘義務は守れるかね?」管理官は彰君に尋ねた。

「はい。」

「もう1つ。ガールフレンドは二股かけちゃいけないよ。」と、蘭子が言った。

「勿論です、開光課長。」と、彰君は答え、皆は爆笑した。


 午後7時。眩目家。

「将来、警察官になるかどうかは、じっくり考えるそうだ。ただ、お父さんを尊敬している、とも言っていた。」

「しっかりした子だ。」

「しっかりした子を産ませてくれ、真吉。」

 オムライスを食べながら、蘭子は器用にスカートを脱いでいく。


 結局、そういうオチかよ。とほほ。


 ―完―


 ※今回の登場人物(順不同)

 === 主な登場人物 ===

 眩目(くらめ)真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。

 大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。

 開光(かいこう)蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。

 志摩敏夫・・・警視庁管理官。警視正。

 井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。警部補。

 秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。巡査。

 秋野[井関]智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。巡査。

 村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。


 辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。巡査部長。

 蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。巡査。


 神道助六・・・捜査二課課長。警部補。


 赤井悦夫・・・第三機動捜査隊の警部補。

 倉田喜一・・・サイバー犯罪対策課課長。

 溝内健児・・・生活安全課課長。


 大仏(おさらぎ)俊吉・・・交通課(交通捜査課)課長。


 ―――------ ゲスト –------

 潮路篤志・・・交番巡査。



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