↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
232/297

231.倫理の二重帳簿

トイレ掃除の職員が、女子トイレ個室から血が流れ出るのを発見、近くにいた警備員が診療所の医師を連れて来た。

「ダメだ。救急車だ。」


すぐに空港警察は、救急車を手配したが、やってきた救急隊員は、首を横に振った。


 

 ========== フィクションです ===========

 =================================

 ※警視庁捜査一課。蘭子が課長になる前は、課長が全部一課を仕切っていた。当然だが。

 だが、村松のいた所轄でパワハラ・イジメがあり、合同捜査に訪れた際に、当該の相手数人の股間を蹴った為、警視庁内で問題になった。

 懲戒解雇になる替りに、一課の決裁を各係長が受持ち、蘭子は「お飾り」の「窓際族」になった・・・というのが、表向きの情報。本来の階級は警部だったが、降格になった。

 実は、志摩管理官が「自分の監督下」に置くという名目で、「特殊捜査チーム」を結成した。蘭子の判子は、各係の係長が持ち、替りに決済印を押す。蘭子は特殊捜査チームの長として指揮を執っている。

 従って、ドラマ・映画のような「大事件の時だけの捜査本部」は置かない。

 大会議室は、特殊捜査チーム専用である。

 事件は頻繁に起こるので、大会議室が一日中空っぽなのは、希である。

 俺は、「ちょっとしたこと」があって、課長の夫である。

 課長の元カレである、大曲先輩とコンビを組んでいる。

 この物語は、蘭子の特殊捜査チームの活躍のお話である。


 ※「暴力団対策課」は、敢えて「旧捜査四課」として扱っています。

 ※警視庁で痴漢被害の相談・対応を主に行っているのは、各警察署の生活安全課です。


 ===========================

 午前10時。羽田。東京国際空港。

 トイレ掃除の職員が、女子トイレ個室から血が流れ出るのを発見、近くにいた警備員が診療所の医師を連れて来た。

「ダメだ。救急車だ。」


 すぐに空港警察は、救急車を手配したが、やってきた救急隊員は、首を横に振った。

 15分後。

 機捜と鑑識が到着した。

「コスプレか?」と、驚く赤井に、智子が言った。

「今や、有名なお婆ちゃんよ。もっと有名になるわ。」

 コスプレは、特撮ヒーローものの女性隊員の変身後コスチュームで、中から現れたのは・・・。

 "Don't mess with me!"

 英文で『舐めるなよ』という意味の紙片だった。


 =================

 ====================

 午後1時。捜査一課横の大会議室。『空港コスプレ死体遺棄事件』本部。

 青島外事二課課長が来ている。

 管理官が説明した。

「ガイシャは、国際刑事法法廷ICCCに勤めていた、羽佐間基子氏だ。一時帰国するとの噂が流れていたが、空港トイレで故人になっていた。発見者の清掃職員によると、前日に異常は無かった。警備員によると1時間前は異常が無かった。公安部外事第二課から協力要請が出た。青島課長。」

「ガイシャは、コスプレ衣装を着ていたとお聞きしております。ICCCからも問い合わせが来ております。そして、紙片。こちらの特殊チームの力を是非お借りしたい。先日、雨国の方から、警告がありました。所長である羽佐間氏宛に。短絡思考の考え方の人間には、その延長上だと推論するかも知れません。だが、開光課長。犯罪で一番疑わしい対象は?」

「得をする人物あるいは集団、ですね。雨国が消したのなら、損にはなっても得にはなりません。喜んで協力いたします。」

「えー、武器だが、番組で『スパイラル・エターナル』という架空のナイフが使われますが、それに似せた手製のナイフです。中身はタクティカルナイフです。凶器は刺さったままでした。」と、井関さんは言った。

「辻さん達は、ICCC日本支部に行って、前後関係を調べてください。大曲達は、羽佐間家へ。羽佐間氏は独居だが、親族の叔母さん三神江威子さんが向かっている。」

 蘭子の指示に、皆、堅い表情で応えた。

「「「了解。」」」


 午後2時半。クルマの中。

「先輩。隣国カラミですか。」と、俺は大曲先輩に尋ねた。

「他にないでしょう。雨国と日本にもめ事あれば、一挙両得。漁夫の利。黒幕だな。」

「先輩。犯人一味に先回りされていないでしょうか?」

「いい質問ですねえ、村松君。所持品に、羽佐間氏自宅のキーは無かった。」


 午後3時。羽佐間家。

 ガイシャの叔母、三神江威子は、途方に暮れて座りこんでいた。

「村松!」

 村松は、先輩の意図を察知して、水道水をコップに注ぎ、江威子さんに飲ませた。

「もう、空き巣が・・・。」

「ピッキングの跡は調べさせますが、羽佐間さんを殺した連中は、自宅に捜し物しに来たのでしょう。村松、頼むぞ。眩目。捜し物を先に見付けようぜ。」

「はい。」

 二階クローゼットの部屋の手前に、趣味部屋があった。

 クローゼットと、書棚の葉書ホルダーを回収して、気になったから覗いた。

 色んなフィギュアが並んでいる。

「女の子なのに、変なものに凝っちゃって。『もてないけど、この子達がいるから。』なんて言ってましたわ。」

 いつの間にか、江威子さんが、村松に支えられて立って居た。

「外国に赴任することになったけど、どれも捨てませんでした。両親は他界したので、あの子には家族なんです。」

 大曲先輩も入って来た。

「らっきゃーも『連れて』帰ろう。」

「「らっきゃー???」」

「そのロボットわんこの名前さ。今こそ、ご主人様の役に立って貰おうぜ。」


 大曲先輩は、蘭子に報告した。

「わんこ関係なら、心当たりがある。隣家の草津さんから問い合わせが来た。とても心配されている。羽佐間さんの叔母さんの力になってくれるそうだ。引き揚げろ。」


 家の外に出ると、ニコニコした女性がいた。


 午後4時半。第二応接室。

 元鑑識で、今はドッグトレーナーの会社の重役の玉田さんが、メーカーの人を連れて来ていた。

「生のわんこじゃないから、連絡して来て貰いました。」

 メーカーの人は、名刺を配り終わると、ロボットわんこを変形させた。

 すると、人形ロボットになった。

 その時、腕の部分から、何かが落ちた。マイクロSDだ。

「ご苦労、玉田。次は、酒井の出番だ。」

 館内電話で蘭子は酒井優香を呼び出し、スピーカーをオンにした。

「喜んでー。」


 居酒屋かよ。


 午後6時。眩目家。

 電話が鳴り、蘭子が出た。

「酒井だ。やっぱり、陰謀だったよ。真吉。」

 =====================

 翌日。午前10時。生活安全課。

 溝内課長は、1通のメールを読んで、開光課長に電話をした。

「分かりました。第二応接室に来て下さい。」

「了解しました。」


 午前10時半。捜査一課。第二応接室。

「らっきゃーの合体部品の内部から出て来たSDから、ICCCの不正データを発見しました。不正データと言うのは、ICCCの贈収賄に関するデータです。21世紀に入って日本から『国際司法機関』に進出したのがガイシャの羽佐間基子氏だった。最初は頑なに拒んでいた羽佐間は、隣国のハニトラにかかり、隣国に有利な裁定を下すようになった。その例の1つが北新線国の拉致誘拐だった。羽佐間は言いなりになり、日本政府の『拉致問題』に関する捜査申し出を拒否した。その経緯と『裏帳簿』のデータです。」と、倉田課長が報告した。

 継いで、青島課長が発言した。

「オールドメディアは一切取り上げないが、我々は密かに調査していました。贈収賄は、噂レベルでいたが、確固たる証拠があったんですね。」

 そして、溝内課長がメールを披露した。

『犯罪の陰に隣国あり。開光課長のファンより』

「繋がったな、蘭子。恐らく実行犯は、日本の反社だが、指示したのは、隣国マフィアだ。」と、新垣課長が言った。

「事件前日、『アリバイ』の無いのが、関東京洛組だ。」

「アリバイって何だ?」

「私を誰だと思っている?」

「新垣舞だろ。渋柿で下痢した。」

「漫才はイイから。俺は、半グレの動きを探る。隣国と接していない、アリバイのない半グレをな。」と、神道課長が言った。

「詰まり、総合すると、ガイシャは身の危険を感じて贈収賄のデータのバックアップを、オモチャに隠したが、組織ぐるみで始末された。家をガサ・・・捜索した組織ないしはグループは、SDを探し損ねた。じゃ、あの紙片は?」

「『舐めるなよ』という意味の紙片は、メールの一部でした。ホシが持たせたのではなく、死者のメッセージでしょう。先日、雨国の軍人が、ICCCに捜査されましたよね。それで大統領が抗議した。ガイシャは、何もアクションしなかった、とオールドメディアは報じたが、実は・・・。」

 大曲先輩の言葉を遮って入って来たのは、井関警視監だった。

「CIAを通じて、情報提供して貰った。ガイシャは、密かにCIAのエージェントを通じて大統領に折衝しようとしていた。それが、消された理由だ。」

 午後3時。捜査一課。蘭子のデスク。

 新垣課長、神道課長から相次いで電話があった。


 午後5時半。捜査一課横の大会議室。『空港コスプレ死体遺棄事件』本部。

 取り調べ室から、警視監、倉田課長、溝内課長、新垣課長、神道課長、青島課長、大曲先輩、蘭子、管理官が出て来た。

 警視監、倉田課長、溝内課長、新垣課長、神道課長、青島課長はすぐに出て行った。

 管理官が説明に立った。

「ホシは、関東京洛組の組員轟三太、徳野勇吉。隣国マフィアから依頼された関東京洛組は、SDの捜索及び奪回、そして、ガイシャの殺害を請け負った。これは、CIAの見立てだが、ガイシャが極端に痩せていたのは、『毒を盛られる』のを警戒して、『ビーガン』嗜好者のような食生活を送っていたのかも知れない。親族の三神江威子は、丁重に葬りたい、と話している。殺害には、オールドメディアも噛んでいる可能性もある。これから、警視監と共に記者会見に臨む。解散。」


 午後7時。眩目家。

 大量に買った卵は捨てる訳にいかない。

 俺は、特性オムライスを作った。


「ああ、精力ついたな。次はデザートかな?」

 ずるるっと、蘭子は音を立てて舌なめずりし、俺を見た。


 神様。


 ―完―


 ※今回の登場人物(順不同)

 === 主な登場人物 ===

 眩目(くらめ)真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。

 大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。

 開光(かいこう)蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。

 志摩敏夫・・・警視庁管理官。警視正。

 井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。警部補。

 秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。巡査。

 秋野[井関]智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。巡査。

 村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。


 辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。巡査部長。

 蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。巡査。


 溝内健児・・・生活安全課課長。警部。

 倉田喜一・・・サイバー犯罪対策課課長。警部。

 酒井優香・・・サイバー犯罪対策課課員。

 神道助六・・・捜査二課課長。警部補。

 新垣舞・・・捜査四課(仮)課長。

 井関一郎・・・警視庁警視監。


 名も無き殺し屋・・・???


 ----- ゲスト –---

 玉田華代。元警視庁鑑識課の巡査。今は、ドッグトレーナーの会社の社員。

 青島幹太・・・公安部外事二課課長。警部。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。