212.不用意発言殺人事件
吉村は、似た様な事件を思い出し、ぞっとした。
うつ伏せだった人物はアメリカのヒーローキャラ『BAKMAN』のコスプレをしていた。
========== フィクションです ===========
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※警視庁捜査一課。蘭子が課長になる前は、課長が全部一課を仕切っていた。当然だが。
だが、村松のいた所轄でパワハラ・イジメがあり、合同捜査に訪れた際に、当該の相手数人の股間を蹴った為、警視庁内で問題になった。
懲戒解雇になる替りに、一課の決裁を各係長が受持ち、蘭子は「お飾り」の「窓際族」になった・・・というのが、表向きの情報。本来の階級は警部だったが、降格になった。
実は、志摩管理官が「自分の監督下」に置くという名目で、「特殊捜査チーム」を結成した。蘭子の判子は、各係の係長が持ち、替りに決済印を押す。蘭子は特殊捜査チームの長として指揮を執っている。
従って、ドラマ・映画のような「大事件の時だけの捜査本部」は置かない。
大会議室は、特殊捜査チーム専用である。
事件は頻繁に起こるので、大会議室が一日中空っぽなのは、希である。
俺は、「ちょっとしたこと」があって、課長の夫である。
課長の元カレである、大曲先輩とコンビを組んでいる。
この物語は、蘭子の特殊捜査チームの活躍のお話である。
※「暴力団対策課」は、敢えて「旧捜査四課」として扱っています。
※警視庁で痴漢被害の相談・対応を主に行っているのは、各警察署の生活安全課です。
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午前9時。速計新聞社。玄関前。
異変に気づいたのは、警備員吉村圭八だった。
最初は、熱中症で倒れた人がいる、と思った。
吉村は、似た様な事件を思い出し、ぞっとした。
うつ伏せだった人物はアメリカのヒーローキャラ『BAKMAN』のコスプレをしていた。
何故かマイクを口に咥えている。
そして、いくつもの小型カメラがマントに貼り付いている。
吉村は、相棒の藤田と山谷警備隊長を呼んだ。
山谷は、一目見て、「藤田、現場保存、吉村、社内に連絡。従業員は裏口からの出入り。避難誘導。」そう言って、すぐに110番通報をした。
20分後。機捜と鑑識が到着した。
「山谷さん。」
「ああ、ここも、ウチの管轄だ。旭日新聞と似ていると言えば似ているが・・・解決済だったよね。」
「はい。黒幕が共通しているのか、模倣犯なのか。」
「調べないと分からないですけど、これ、関係してますかね?」と、秋野はスマホのSNS画像を2人に見せた。」
「『〇〇政権をぶっ潰してやる』。これ言ったのが、ここの社員とすると・・・。」
鑑識課員が苦労してマスクを剥がすと、『その』社員だった。
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午後1時。捜査一課横の大会議室。『新聞社社員死体遺棄事件』本部。
管理官が説明した。
「ガイシャは、湯川弘毅。速計新聞社社員。先日、総理の記者会見後、駐車場に向かう途中で、偶然撮影した者がSNSにアップして、大炎上している。以前にも某カメラマンが似たようなこと言って大問題になった。これは個人的意見だが、彼らは文字通り『回りが見えていない』から、『公に』発言してしまう。新聞社では、盆休みで連絡が取れない、と発表しているが、どんな盆休みだったのかな?井関さん。」
「まあ。問題発言者だからか、防犯用隠しカメラなどに使うカメラが沢山貼り付いていた。SDが入っていないから、データはない。きつい洒落だな。BAKMANは、系列テレビ局で、今夜放送。お悔やみの放送になるな。凶器だが、鼻孔から青酸が放り込まれている。こっちが調べる前に、山谷元警部補殿に指摘されたよ。この新聞社も管轄、だと。ニン!」
「辻さん達は、新聞社へ。村松も行って来い。性格の悪い奴は、女子社員の評判がいい。大曲達は、湯川家へ。御兄様が、千葉から向かっている。」
「「「了解。」」」
午後2時半。クルマの中。
「やっぱり、悪い奴は、ごきぶり並にいるんですね。」
「よせ。ゴキブリが気を悪くする。村松、いないと寂しいか?」
「問題が違うと思います。旭日新聞の模倣犯ですかね。」
「手口はな。動機は違うだろうな。勘、だけど。」
午後3時半。湯川家に到着すると、丁度湯川主水氏が合鍵で玄関を開けているところだった。
張り番の所轄署警察官に黙礼して、「湯川さん、ですよね。」と大曲先輩は警察手帳を出した。俺も習って、湯川さんに見せた。
「暑いなあ。冷房入れますね。」
湯川さんは、方々のエアコンのスイッチを入れた。
「2つ違いの2人兄弟。両親を早く亡くして、親戚たらい回し。それで、仲が良かったんです。これね、ストラップ、新しいのをやったら。予備の家の鍵に付けて寄越したんです。私の家、ここから少し離れているから、年に数回。先月、所謂『新盆』に会って依頼でしあた。で、何を協力するんでしたっけ?」
「弟さんのPCのチェックと、アルバムと葉書ホルダーがあれば。形式的なことですが、意外と犯人に辿り着くヒントになることもあるんです。」
「なるほどね。私、こういうのやってまして。」
湯川さんは、気さくな性格らしい。名刺をくれたので見ると、タウン誌の編集長をやっているらしい。
「じゃ、PCは勝手に触って下さい。アルバムねえ。どこだったかな?」
俺は、湯川さんについて行った。
アルバムは、結構ボリュームがあった。
「学校関係は、こっち。箱に入れましょうか?」
「助かります。」
ボリュームある方を開き、付箋を付けてくれた。
「これね、必需品なんですよ。付箋、発明したの、日本人って知ってます?」
「そうなんですか。」
「実は失敗作で、栞代わりに使っていたら、便利だな、って商品化されたらしいです。」
「へえ。」
「これがね、社員旅行の写真。若はげの人、いるでしょ。この人、鞍馬さん。貴方は眩目さん、でしたね。珍名さん?」
「ええ。かなり少数派らしいです。先祖の出自は聞いていないでけど。」
「でね、弘毅と同期で、出世して上司になっちゃった。」
「そういうのって、やりづらくないですか?」
「本人同士はどうでもないけど、その上の上司がね。弟も『不用意』なこと言ったのは事実だけど、ねえ。犯人はストレス貯まってたのかなあ。」
「そうかも知れませんね。殺人予告した訳じゃないのにねえ。」
ガイシャの書斎に戻ると、「お兄さん。わかこって女性、ご存じですか?」と、先輩は尋ねた。
湯川さんは、さっき見ていた方のアルバムから、付箋を貼った。
「3人、います。足立和歌子、沙月若子、下田和佳子。」
「先輩、それは?」
「被疑者。」
「「ええっ!!」」
―「捜査一課ですけど、213」につづくー
※今回の登場人物(順不同)
=== 主な登場人物 ===
眩目真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。
大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
開光蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。
志摩敏夫・・・警視庁管理官。警視正。
井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。警部補。
秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。巡査。
秋野[井関]智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。巡査。
村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。巡査部長。
蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。巡査。
赤井悦夫・・・第三機動捜査隊の警部補。
山谷敬三・・・元警視庁警部補。今は警備会社警備隊長。
※題材になる事件は起こっていません。
クライングフリーマン




