202.仲いい二人
入って行くと、【ミッ〇〇マウス】と【ミ〇〇マウス】の衣装が見えてきた。
台車の上に乗っている。
202.仲いい二人
========== フィクションです ===========
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※警視庁捜査一課。蘭子が課長になる前は、課長が全部一課を仕切っていた。当然だが。
だが、村松のいた所轄でパワハラ・イジメがあり、合同捜査に訪れた際に、当該の相手数人の股間を蹴った為、警視庁内で問題になった。
懲戒解雇になる替りに、一課の決裁を各係長が受持ち、蘭子は「お飾り」の「窓際族」になった・・・というのが、表向きの情報。本来の階級は警部だったが、降格になった。
実は、志摩管理官が「自分の監督下」に置くという名目で、「特殊捜査チーム」を結成した。蘭子の判子は、各係の係長が持ち、替りに決済印を押す。蘭子は特殊捜査チームの長として指揮を執っている。
従って、ドラマ・映画のような「大事件の時だけの捜査本部」は置かない。
大会議室は、特殊捜査チーム専用である。
事件は頻繁に起こるので、大会議室が一日中空っぽなのは、希である。
俺は、「ちょっとしたこと」があって、課長の夫である。
課長の元カレである、大曲先輩とコンビを組んでいる。
この物語は、蘭子の特殊捜査チームの活躍のお話である。
※「暴力団対策課」は、敢えて「旧捜査四課」として扱っています。
※警視庁で痴漢被害の相談・対応を主に行っているのは、各警察署の生活安全課です。
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午前10時。ある町の国道の路地。
ゲームセンターに向かう途中の小学生2人が、変なものを見付けた。
路地は、所謂『袋小路』になっている。
入って行くと、【ミッ〇〇マウス】と【ミ〇〇マウス】の衣装が見えてきた。
台車の上に乗っている。
「何かのイベント用か?」と、兄の敬一が言った。
「ここに置くのはおかしいよ、兄貴。」と、弟の健二が言った。
「何か臭わないか?」「おしっこだ。」
2人は人形でないことを確認した。
30分後。機捜と鑑識が到着した。
「牧場敬一君と健二君かな?」
「はい。最初、マネキンかと思ったんです。でも、臭うから。死体ですか?」
「多分ね。大体、イベントにしても、おかしな台車だ。不審な車は見なかった?」
2人は、かぶりを振った。
「ここに名前と住所、書いてね。」と、赤井の部下古森が言った。
「あ。タブレット。ここに書くんですか?ケータイショップと同じだ。」と、健二が言った。
「うん。我々がメモ書きすると、間違ってメモすることもあるからね。誰でも自分の名前は間違わない。」
「へえ。ドラマより進んでいる。」と、敬一が言った。
赤井は苦笑した。
サイバー犯罪課に入った酒井優香の提案で、『近代化』したのだ。
お役所は、どこも堅い。そして、アナログだ。警察は時代に柔軟に対応しなければいけない。それが酒井の主張だった。
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午後1時。捜査一課横の大会議室。『コスプレ死体遺棄事件』本部。
酒井優香が来ている。
管理官は説明した。
「ガイシャは、古河議員と杉下議員。中幕連合の議員だ。またまた、与党に『ヒットマン』がいると思わせたい人間がいるようだ。井関さん。」
「昔懐かし、トカレフで撃たれている。一発ずつな。管理官の言われる通り、ヒットマンの仕事だが、与党に疑いが向くように仕組んだと考えられなくはない。予断は禁物だが。」
「質疑で訳の分からないこと言って、時間稼ぎ見え見えの演技、してましたね。」と、蒔が言った。
「じゃ、『仲良し』なのは事実か。井関さん。トカレフ無くても危険だったのでは?」
「熱中症になるな。脱水症状も起こして。尿にアルコールが検出されている。撃たれる前に拷問したんだろう。」
「辻さん達は、事務所に聞き込みに。古河家には大曲と村松、杉下家には眩目と酒井が行く。」
「酒井さんは刑事じゃないから・・・。」と、俺が言いかけると、「秋野を付録につけておく。」と、蘭子は言った。
井関さんと智子がくすくすと笑っている。
「酒井は、普通のビジネススーツでいい。秋野の助手っぽく行けばいい。」
「詰まり、開光くんは、ガイシャの家から何か出てくると踏んでいる訳だね。じゃ、その戦で行こう。」
午後2時半。クルマの中。
運転している俺に、秋野が「心配ないですよ、眩目さん。違法じゃないんだから。」と言い、「酒井さん、最初にウイルスチェックですか?」と尋ねた。
「ええ。その間、私は、大曲さんから言われた、『周辺チェック』を行います。」と、酒井は返した。
もう、すっかり警察の人間だ。被害者の家族なのに。
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午後3時。古河家。
「近所の聞き込みは車両を含めて、関口係長の方でやってくれる。杉下議員の方は餅屋係長が担当を申し出てくれた。」大曲は、説明した。
「今回は、大掛かりですね。」初めての現場捜査に、村松は興奮していた。
「ガイシャが2人だからな。経緯はともかく、2人は『人身御供』にされたんだ。『孫悟空』じゃやないぞ。」
「おもしろーい。」
古河家に到着すると、母親の松江が待っていた。
「お話は課長さんからお聞きしています。遺体はすぐには帰らないこと。重大事件なので、被害者の持ち物から捜査のヒントとなるものを探し出す捜査員が伺うこと。そちらの方は、男性警察官?」
「あ、童顔なもので、女性警察官と間違われることもありますが、DNAは男性です。」
「アルバムと葉書ホルダーは用意してございます。スーツ等も確認されます?」
「ざっくりとは。」と、村松は応えた。
2人が雑談をしながら調べている間、大曲は、急いでPCと、その回りをチェックした。
村松が戻る前に、大曲は庭の倉庫が気になった。
村松が戻ると、松江に依頼して倉庫を開けて貰った。
奥に、村松が妙なものを発見した。
大曲は、関西の友人に教えて貰ったことがある。
一般に、金属製の『お菓子の箱』として知られているが、昔は、タケノコその他の保存用箱にも応用され、関西発祥と言われている。ともあれ、発見されたのは『元お菓子の箱』のようだった。中から出て来たのは書類だった。
「『登記簿』だ。『権利書』だ。お母様、ご確認を。」
ざっと目を通した松江の顔色が変わった。
「刑事さん、これ、ウチのじゃありません!!」
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午後3時。杉下家。
俺は、常々、大曲先輩に教えて貰っているように、ガイシャの兄、藤吉郎に、お悔やみと遺体の手順を説明し、持ち物チェックの重要性を説いた。
俺が、アルバムと葉書ホルダー、他衣類・名刺等のチェックを行い、秋野の所に戻ると、酒井が、腰の辺りでグーサインをして見せた。
何か、見付けたか。
秋野が、藤吉郎氏に断って、重要ファイルのコピーを取った後、辞去した。
運転している俺の側で、秋野と酒井は盛んに電話をしていた。
どうやら、サイバー犯罪課と鑑識課で共同でデータチェックを行うようだった。
午後5時。捜査一課。第二応接室。
中途報告会をして、蘭子は言った。
「これは、総理への当てつけどころじゃない。時間稼ぎは、質疑を延ばしていただけじゃなかった。『乗っ取り』だ。」
―「捜査一課ですけど、203」につづくー
※今回の登場人物(順不同)
=== 主な登場人物 ===
眩目真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。
大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
開光蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。
志摩敏夫・・・警視庁管理官。警視正。
井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。警部補。
秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。巡査。
秋野[井関]智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。巡査。
村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。巡査部長。
蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。巡査。
赤井悦夫・・・第三機動捜査隊の警部補。
倉田喜一・・・サイバー犯罪対策課課長。
酒井優香・・・サイバー犯罪対策課勤務。一般職員。
餅屋重樹・・・捜査一課第一係係長。警部。
関口寛也・・・捜査一課第三係係長。警部補。




