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192.コンビニは誰のもの2

死因は餓死で、遺体は店の店長だった。

店長は、カスハラが原因でフランチャイズ契約は解約された。

やけ酒を飲んでいた、と靑山夫人美春はは話したが・・・。


 

 ========== フィクションです ===========

 =================================

 ※警視庁捜査一課。蘭子が課長になる前は、課長が全部一課を仕切っていた。当然だが。

 だが、村松のいた所轄でパワハラ・イジメがあり、合同捜査に訪れた際に、当該の相手数人の股間を蹴った為、警視庁内で問題になった。

 懲戒解雇になる替りに、一課の決裁を各係長が受持ち、蘭子は「お飾り」の「窓際族」になった・・・というのが、表向きの情報。本来の階級は警部だったが、降格になった。

 実は、志摩管理官が「自分の監督下」に置くという名目で、「特殊捜査チーム」を結成した。蘭子の判子は、各係の係長が持ち、替りに決済印を押す。蘭子は特殊捜査チームの長として指揮を執っている。

 従って、ドラマ・映画のような「大事件の時だけの捜査本部」は置かない。

 大会議室は、特殊捜査チーム専用である。

 事件は頻繁に起こるので、大会議室が一日中空っぽなのは、希である。

 俺は、「ちょっとしたこと」があって、課長の夫である。

 課長の元カレである、大曲先輩とコンビを組んでいる。

 この物語は、蘭子の特殊捜査チームの活躍のお話である。


 ※「暴力団対策課」は、敢えて「旧捜査四課」として扱っています。

 ※警視庁で痴漢被害の相談・対応を主に行っているのは、各警察署の生活安全課です。

 ===========

 ※前回のあらすじ


 解体中のコンビニから、遺体が発見された。

 死因は餓死で、遺体は店の店長だった。

 店長は、カスハラが原因でフランチャイズ契約は解約された。

 やけ酒を飲んでいた、と靑山夫人美春は話したが・・・。


 ================

 午後4時半。第二応接室。

 新垣課長が言った。

「横須賀のスカジャン会が、隣国料理の店の物件を探していたようだ。あの国のカラミなら、ザ・ヤクザも共同戦線だ。その該当物件が・・・。」

「青山マートでは事情を知らず、フランチャイズの替わりに直営店を出す予定でした。それで、他のネタで本部を強請っていたようです。」と、辻さんは報告した。

「面白い。ねずみ取り・・・いや、イタチ取りするか。辻さん。草野マートに協力して貰って下さい。」

 蘭子は、とんでもないことを考えていた。


 午後6時。草野マート中千住店。

 解体撤去作業を行っていた重機は捜査の為、撤退していた。

 警察の監視の下、今度は建築業者の車が続々と到着した。

【リノリウム床材】が貼り替えられ、配線・水道工事が行われ、フロアの奥まったスペースに厨房設備が設置され、陳列棚が出来、入口近くにあったレジスペースが再現された。


 翌日。午前7時。

 草野マート本部から派遣されたスタッフが調理にかかった。


 午前9時。

 新聞の臨時折込みチラシを見た主婦達が殺到した。

 解体撤去作業を依頼していた、スカジャン会組員がやってきて、入口で凄んだ。

「責任者はどこだ?」

「私です。貴方たちに殺された青山の家内です。」

「なんだと?」

 組員は、どこかへ電話した。


 30分後。スカジャン会組員達30人は、待ち構えていた通称捜査四課の刑事に取り囲まれた。

「全員、しょっぴく。【パシリ】と殺人犯の違いは分かってるな。【パシリ】なら、クビ差し出せるよな。詳しい事は、後でじっくり聞かせて貰うよ。」

 何台もの護送車が到着した。


 この捕り物を、少し離れた公園で見守る者達がいた。

 テナントビルを経営する三田社長、AV映画アポローンの天野社長、日本世襲組の組長瀬古俊哉だった。

「話を聞いた時は驚いたよ。早い建築が自慢のウチを選んだのは正解だったな。」と三田社長は言った。

「驚いたのは、ウチも同じだ。小回りのきくバイト君をデリバリーしろ、なんて、捜査一課の課長の台詞じゃないね。」と天野は言った。

「驚いたのは、ウチも同じだ。ウチは捜査一課でなく、捜査四課、じゃなかった、捜査三課の【姐さん】、いや、新垣課長からでね。『あの国のマフィアにシマ取られてもいいのか』って言われたら、黙っていられない。素直にスカジャン会の情報を渡したよ。


 その3人から少し離れたところで、双眼鏡で見ていた、黒ずくめの男が笑った。

「ドローンまで使うとはな。大した奴だ、開光蘭子は。」


 正午。草野マート中千住店。

 青山美春は、応援に駆けつけた5人の婦人に頭を下げた。

 杣谷俊子、大津康子、有村梅子、尾藤美智子、春山益子。いずれも、捜査一課で関わった殺人事件の被害者家族だ。

「いいのよ、未亡人同士、仲良くしましょう。」と、杣谷俊子が言った。

「こんなに気持ちがスカッとするなんて思ってもみなかったわ。」と、大津康子が言った。

「『おっかさん食堂』でなくて『みんなのキッチン』、刑事さんの発想とは思えないわね。」と、有村梅子が言った。

「総理が女の時代よ。草野マートの社長さん、内海さんも、考えを改めますって、言ってたもの。」と、尾藤美智子が言った。

「折角だから、定期的に集まりましょう。『未亡人の会』で。」と、春山益子も美春に言った。


 ====================

 午後5時。捜査一課横の大会議室。『コンビニ餓死死体遺棄事件』本部。

 取り調べ室から、神道課長、新垣課長、倉田課長、小宮課長、大曲先輩、蘭子、管理官が出て来た。

 神道課長、新垣課長、倉田課長、小宮課長は、すぐに出て行った。

 管理官は説明した。

「ホシは、スカジャン会組員5名。スカジャン会と隣国マフィアのパイプ役のおかよん商会社員2名。おかよん商会の2人は、酔っ払っていた青山を拉致監禁、草野マートの情報を聞き出そうとしたが、失敗。亡くなった青山を店に放置した。解体業者は、スカジャン会の下請けで、警察に通報したのは、草野マートの信用をさらに落す為だった。今回の事件では、以前の事件で関わった三田社長や天野社長、殺人事件の未亡人達が協力した。未亡人と言えば、サイバー犯罪課に入った酒井が、ドローン撮影を密かに行い、反社半グレの悪巧みの一部をデータ保存した。草野マートでは、このキッチンを中心にしたコンビニ作りを進めるそうだ。明日から、他の商品を搬入するらしい。」


 午後7時。眩目家。

「旨いね、これ。」

 俺は、販売していた弁当を村松が確保していたことに感謝した。

「感謝の気持ちは。ひと晩かけて・・・。」

「はい。頑張ります、奥様。」

「よろしい。」


 ―完―


 ※今回の登場人物(順不同)

 === 主な登場人物 ===

 眩目くらめ真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。

 大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。

 開光かいこう蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。

 志摩敏夫・・・警視庁管理官。警視正。

 井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。警部補。

 秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。巡査。

 秋野[井関]智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。巡査。

 村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。


 辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。巡査部長。

 蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。巡査。


 神道助六・・・捜査二課課長。警部補。

 新垣舞・・・捜査四課(仮)課長。


 赤井悦夫・・・第三機動捜査隊の警部補。

 倉田喜一・・・サイバー犯罪対策課課長。

 酒井優香・・・サイバー犯罪対策課事務員。


 小宮孝・・・警備課課長。



 名も無き殺し屋・・・???


 ------ ゲスト –---

 杣谷俊子・・・151話から

 大津康子・・・155話から

 有村梅子・・・157話から

 尾藤美智子・・・165話から

 春山益子・・・166話から

 三田社長・・・オフィスビルSANTA経営。177話から。

 天野社長・・・AV会社アポローン経営。163話から。


 ※かつて、「〇〇食堂」という〇〇マートの企画を潰した勢力がありました。

 その事件と、今回のお話とは「一応」無関係です。

 クライングフリーマン


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