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111/114

111.こどもの日殺人事件

他校との親善試合の為、小学校の野球部の生徒がマイクロバスに乗ろうとしたところ、悲鳴をあげた。

 

 ========== フィクションです ===========

 === 主な登場人物 ===

 眩目くらめ真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。

 大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。

 開光かいこう蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。

 志摩敏夫・・・警視庁管理官。

 井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。

 秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。

 井関智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。

 村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。


 辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。

 蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。


 神道助六・・・捜査二課課長。



 =================================


 ※警視庁捜査一課。蘭子が課長になる前は、課長が全部一課を仕切っていた。当然だが。

 だが、村松のいた所轄でパワハラ・イジメがあり、合同捜査に訪れた際に、当該の相手数人の股間を蹴った為、警視庁内で問題になった。

 懲戒解雇になる替りに、一課の決裁を各係長が受持ち、蘭子は「お飾り」の「窓際族」になった・・・というのが、表向きの情報。

 実は、志摩管理官が「自分の監督下」に置くという名目で、「特殊捜査チーム」を結成した。蘭子の判子は、各係の係長が持ち、替りに決済印を押す。蘭子は特殊捜査チームの長として指揮を執っている。

 従って、ドラマ・映画のような「大事件の時だけの捜査本部」は置かない。

 大会議室は、特殊捜査チーム専用である。

 事件は頻繁に起こるので、大会議室が一日中空っぽなのは、希である。

 俺は、「ちょっとしたこと」があって、課長の夫である。

 課長の元カレである、大曲先輩とコンビを組んでいる。


 午前9時。ある小学校校庭。

 他校との親善試合の為、小学校の野球部の生徒がマイクロバスに乗ろうとしたところ、悲鳴をあげた。

 監督である教師が覗き込むと、開閉ドアにもたれるように『鯉のぼり』が・・・あった。

 いや、鯉のぼりに包まれた、人間だった。

 外から簡単には開けられないようだが、教師は取り敢えず119番した。

 駆けつけた救急隊員は、死亡を確認。

 隊員の110番通報で、機捜と鑑識が到着した。

「もう、柏餅食えないわ。」と智子が言った。

「知チャンは、想像力が豊かだな。」と、赤井が言うと、「いや、これだよ、赤井。」と、井関は、口の中の『元柏餅』を取り出した。

 井関達が鯉のぼりを『切開』すると、鯉のぼりの内側に『ちまき』が貼り付いていた。

「もう、ちまき食えないな。」と秋野が言うので、「鯉のぼりは泳げないな。」と、井関が言った。


 午後1時。捜査一課横の大会議室。『鯉のぼりで殺人事件』本部。

 会議室に入る時、管理官は口を窄めた。戒名を付けたのは・・・。

 管理官は、説明を始めた。

「今回のガイシャは、バス運転手の山谷恋太郎。鯉のぼりの鯉ではなく、恋愛の恋、だ。マイクロバスを運転して、子供達を現地に運ぶ予定だった。可哀想に、子供達の試合は中止になった。まあ、移動出来ても、ショックで試合どころじゃないだろう。教育委員会からカウンセラーが派遣された。発見者の教師によると、ドアが開かない状態で、ホシが逃走した後、バランスを崩して倒れたものと見えた。井関さん、凶器は?」

「柏餅。窒息死だな。無理矢理口に捻じ込まれ、ガムテープで貼られていた。何か『子供の日』に怨みがあるのかね?」

「いや、怨みはガイシャにでしょ。辻さん、バス会社に当たってください。大曲は、ガイシャ宅へ。怨みの原因を持っているかも知れん。」

 蘭子は、簡単に指示した。

 村松が、涙を流しているのを見て、「村松は、ガイシャのご近所を回れ。」と、指示した。


 午後2時。山谷家。

 大曲先輩は、山谷の細君にお悔やみを申し述べ、例によって「逆恨みってやつですよ。」と、宥めた。

「マイクロバス?政治家さんの運転手していたのは知ってますけど。政治家さん、この前の選挙で負けちゃって。」

「そうなんですか、お気の毒に。あ、済みませんね、手続き上、色々調べなくちゃいけなくて、眩目君、ざっとでいいよ、ざっとで。あ、奥さん、手袋どうしてます?運転手さん、白い手袋してるでしょ?」

「ああ、洗濯もしますけど、一回洗う位です。必要ですか?」

「あ、手続き上なんで、眩目君、頼むね。」

 先輩のことだから、何か考えがあるのだろう、と思い、「了解しました。」とだけ、俺は答えた。

 山谷氏の持ち物を「ざっと」調べてメモし、俺は階下へ降りた。

「判ったみたい。」とだけ、大曲先輩は言った。


 午後5時半。捜査一課横の大会議室。『鯉のぼりで殺人事件』本部。

 取り調べ室から、蘭子、大曲先輩、管理官、神道課長が出て来た。

 神藤課長は、すぐに出て行った。

「ホシは、発見者の教師真下政男。ガイシャとは、仮想通貨のサイト仲間で、ガイシャは、ホシを揺すっていた。一方、ガイシャは、『マイクロバス用の免許』を持っていないのに、ホシのコネで運転し、学校から料金を貰っていた。早めに来ていた2人は喧嘩した。ホシはガイシャを昏倒させ、死んだと思って、近所のスーパーのバックヤードから、ちまき、柏餅、鯉のぼりを盗んで来て、工作をした。柏餅もばら撒くだけの積りが、息を吹き返したので、慌てて柏餅を詰め込んだ。ドアを勢いよく締めた反動で密室が出来上がり、熱中症も発症して亡くなった。喧嘩の原因は些細なことでは無かった。学校の金を仮想通貨につぎ込んでいていた。先生が早くから来ていたのを目撃した生徒も出て来た。仮想通貨を利用しているサイトは、半グレが運営していた。後は、神道くん達の出番だ。昨今、『教育者の人格的資格がない』教師が多いな。」


 午後7時半。眩目家。

「口を塞ぐ方法が間違っているよね。」

「そうだな。」俺の『口を塞ぐ』作業に入った。

 愛、故に、と信じたい。信じたいが・・・もう30分経ってる???


 ―完―


 ※平成19年(2007年)6月2日から『中型免許』が登場し、それまで「普通免許・大型免許」の2種類だった免許種類が「普通免許・中型免許・大型免許」の3種類に変わりました。


 ※この法改正以前に普通免許を持っていた人は、免許証更新時に普通免許から「中型限定免許」に変わりました。


 ※このため、「中型免許なら中型車が運転できる!」と思う人もいらっしゃるのでは?


 ただし、注意しなくてはいけないのが「中型車は中型車(8t)に限る」との但し書きがついて、運転条件が制限されている点。


 ※8t限定の中型免許で運転できる自動車は法改正前の普通自動車とおんなじ。つまり、車両総重量が8t未満で、乗車定員は10人までということになります。


 ※小型マイクロバスは定員29名までのバスになりますので、8t限定中型免許では運転NG。


 ※小型マイクロバスで出かけたい!でも免許が無い…。という方は、運転手付きで小型マイクロバスのレンタルをしましょう!

(「マイクロバス牧場」HPより)


 ※意外ですよね。資料調べて、本文に利用しました。

 クライングフリーマン



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