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第39話 恋愛弾圧!?“感情否定派”とロジックの反乱

 デートから一夜明けて、俺たちは例の行政塔に呼び出されていた。


「なにやら、ちょっとまずいことになりまして……」


 と、ルクシアがホログラムの眉を八の字にしている(表情に意味あるのか?)


「昨夜の恋愛行動により、感情否定派から正式な抗議が届きました」


「なんだよそれ、恋愛で抗議って……俺たち、爆発しろ案件か?」


「ある意味、物理的に爆破予告も届いております」


「怖っ!!」


 感情否定派──それは、かつて記録を感情から切り離すことで都市秩序を築いた思想家たちの末裔。今も都市の下層で静かに息づいていた反感勢力らしい。


「市民が感情を持つと、判断が鈍る。記録にノイズが混じる。効率が落ちる。──それが彼らの主張です」


 ルクシアが出してきた映像には、感情否定派のリーダー格と思しき人物が映っていた。白衣に無表情、髪は銀色で片目を隠しているという典型的な“敵の博士キャラ”だ。


「名前はノルド博士。元・感情制御プログラム主任。現在は地下記録網にて『論理結社ゼロ』を率いています」


「名前からして絶対ヤバいやつ」


 そしてその日の午後、我々はその“感情否定派”からの公開討論会に強制参加させられた。


 会場は市の記録ホール。観客席には無数の市民──そしてAIたちまでが整然と並ぶ。


「あなた方のような感情暴走ペアが、この都市の秩序を乱す」


 演壇に立ったノルド博士は、開口一番にそう言い放った。


「記録は冷静であるべき。恋愛などという不確実性の塊は、我々の論理に不要だ」


 そのとき、篠崎さんがスッと立ち上がる。


「じゃあ、あなたに質問です。誰かを大切に思う気持ちって、記録できないんですか?」


「……記録はできる。だが信頼できない」


「でも私は──一朗さんとの時間を、信じてます!」


 会場がざわめく。ノルド博士はしばし沈黙し、次の瞬間──


「……やむを得ません。あなた方の感情がどれほど都市に影響を与えるか、実証していただきましょう」


 ボタンを押すと、ホールの壁が開き、巨大な機械兵が出現した。


「あなたたちの“ときめき”データが一定数を超えれば、兵器は停止します。つまり、あなたたちが“恋を証明”できなければ、このホールは──」


「デスゲームじゃねぇか!!」


 だが、篠崎さんが小さく笑って俺の手を握る。


「一朗さん。私、ちゃんと信じてるよ」


「……こっちこそ、任せとけって」


 俺たちは手を取り合い、《記録スキル》を展開する。


 これは記録vs論理、恋愛vs否定──


 世界初、“感情エネルギー”による機械兵停止イベント、開幕である──!!



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